仮想ディスクには一般に容量固定ディスクと可変ディスクがあり、ESXi でも両方のフォーマットがサポートされていてめでたしめでたし…に見えましたが、ここからが阿鼻叫喚モードの始まり始まり。

バックアップ方法まとめ表の中では、この部分の話です。

ESXi 3.5 U2 ESXi 3.5 U4 ESXi 4
local → Converter → ESXi
固定ディスク (zeroedthick) 作成
できる
local → Converter → ESXi
可変ディスク (thin) 作成
できない できる
データストア上の
仮想ディスクを可変ディスクに変更
RCLI で可能 Read-only のため不可能

シナリオ1 … VMware Server 可変ディスク→ VMware ESXi 3

こんなシナリオを考えてみましょう。

  • VMware Server を今まで使用していて、VMware ESXi 3 に移行したいとします。Read-only はイヤだx86 CPU だから 4 が動作しない、などの理由で。
  • VMware Server 上の vmdk ファイルは、thin 形式でサイズがコンパクトなので、そのまま ESXi にも持って行こうと。

ダイレクトに VMware Server → ESXi にファイルコピーしても動作しません。 vCenter Converter を使用する必要があります。しかしいざ、vCenter Converter で、VMware Server → ESXi への変換をしようとすると…

無情にも仮想ディスクがふやける

ESXi 3 では Flat しか選べません………。実際にこのまま Next を押して継続しても、本当にフルサイズの vmdk ファイルが作成されます。

vCenter Converter: Flat: 127GB

しかも、中身が 4.57GB しか詰まっていなくても、127GB の仮想ファイルが作られるぞ、しかも ESXi 側のデータストアに空き領域がないぞと怒られています。

そんなバカな。データストアを掃除して 127GB 以上確保し、実際にやってみましょう。

vCenter Converter での仮想マシン変換に、中身が 4.57GB しか詰まっていなくても 2時間 48分 かかり、嫌な予感がじわじわと。

vCenter Converter: Flat: 127GB の作成に 2時間 48分かかる

ちなみに動作環境は以下の通りです。

忘れたころに変換完了したファイルを、データストア ブラウザ上で確認すると本当に 127GB ありました (…)

VMware vSphere Client: 4.0: データストア ブラウザ: 127GB

Remote CLI で容量可変「フォーマット」にはできるが…

ところが、うまくしたもので RCLI を使用することで、容量固定 (zeroedthick) になってしまった仮想ディスクを、thin 形式に、コマンドラインで変更できます。

#vmkfstools -i /vmfs/volumes/datastore1/example/example1.vmdk -d thin /vmfs/volumes/datastore1/example/example-thin.vmdk

さらに、めでたく thin になったはず…のディスクですが、容量は thin になっても同じでした。どうも属性が thin になるだけで、名前の通りスリムになるわけじゃない (!!)

Read-only の制約もある

この RCLI による変換が可能なのは ESXi 3.5 U2 までの話で、Read-only が強制される ESXi 3.5 U4 以降では変換操作自体ができません

次回は ESXi 4 にも落とし穴があるぞ、という話。

つづく。