待ち望んでいた HD 画質の動画が撮れる 10万円前後の一眼レフカメラ、キャノン EOS Kiss X3 が 4月下旬に発売されます。出るべくして出た廉価な HD 撮影可能モデルというところですが、他機種やなぜかデジタルビデオカメラとも比べてみました。
動画と静止画のベストを追求すると荷物が増える
コンパクトデジカメと AVCHD 画質のデジタルビデオカメラがあれば、一眼レフなんか要らないよなと思いながらも、やはり撮ってみると基本的な画質の高さや、同じ被写体を取ったときの画像の明るさに、歴然とした基本性能の差を感じるものです。
だからといって、去年仕事で、デジタル一眼レフ、レンズ 2本、デジタルビデオカメラ HDR-TG1、トドメに 4kg の三脚をを首やら腰やら肩やらに提げて 1週間、歩き回った私は、あまりの重さに懲りました。 一眼レフが素晴らしいのは、よーく理解しました。でもそこまで一眼レフの「レンズ沼」に足取られたわけではない Nire としては、「動画も静止画もこれ一台」の基本路線が合っていて、せめて携行品をもう一品減らしたいと。
10万円台になれば買う気も起きる EOS Kiss X3
1台2役で、動画も撮れるデジイチとしては、キャノン EOS 5D markII とニコン D90 が知られています。EOS 5D markII は現在の平均価格がボディ 250,000円程度。ニコン D90 で 100,000円程度。キャノンにはボディ 10万円台で買える動画撮影機能つきモデルがありませんでした。
と思っていたら、キャノンから EOS Kiss X3 が 4月下旬に発売されることになりました。同社の EOS Kiss X2 の後継にあたる機種です。ボディが 9万円前後、18-55mm レンズつきで 10万円前後、それでは普通物足りないと思うので 55-250mm レンズもついたダブルズームキットでも 13万円と、エントリーレベルの一眼レフデジカメとして食指が動くレベルの値段ではあります。
D90 / EOS Kiss X3 / 5D Mark II / HDR-TG1 機能比較
とりあえず関心事はあくまで動画なので、動画機能に関係した部分だけ仕様を比較してみました。動画撮影機能つき一眼レフ、だけではなく、デジタルビデオカメラであるソニーの HDR-TG1 と並べてみます。
ニコン D90 |
キャノン EOS Kiss X3 |
キャノン 5D Mark II |
ソニー HDR-TG1 |
|
有効画素数 | 1,230万画素 | 1,510万画素 | 2,110万画素 | 143万画素 (16:9)
108万画素 (4:3) |
動画撮影中の オートフォーカス |
使用できない | AEロックボタンを押したときだけ | AFスタートボタンを押したときだけ | 常時使用可能だが ピント合わせ遅い |
解像度/fps/ 連続録画時間 (*1) |
1280×720 (24fps/5分) 640×424 320×216 |
1920×1080 (20fps/制限なし) 1280×720 640×480 |
1920×1080 (30fps/制限なし) 640×480 |
1920×1080 (30fps/制限なし) 1440×1080 |
ファイル形式 | AVI | MOV | MOV | M2TS |
コーデック | Motion JPEG | H.264 | H.264 | MPEG4 AVC/H.264 (HD)
MPEG2 (SD) |
音声
ステレオ/モノラル |
モノラル | モノラル
リニアPCM |
モノラル
リニアPCM |
ドルビーデジタル5.1ch
ドルビーデジタル2ch |
10万円台のデジタル一眼レフで、ついにフル HD (1920×1080) が撮れるようになったか…というところですね。
デジタルビデオカメラである HDR-TG1 と、動画撮影時の解像度は同じ 1920×1080 でも、もともと CCD / CMOS イメージセンサが持っている画素数がまったく違い、オーバーサンプリングしているようなものですし、レンズなど光学系の決定的なアドバンテージは、公式サイトの動画サンプルを見ていても感じます。
次回は逆に中途半端な面について書いてみます。
(*1) 連続録画時間 … 1クリップ (1動画ファイル) あたりの撮影時間です。「制限なし」は、1クリップ分の制約はないが、使用中の SD (SDHC) メモリカードの容量による制約は受けます。
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