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エキシマレーザーの手術台へ

看護師に連れられてエキシマレーザー機についたとき、前の患者が治療が終わり起き上がるところだった。段取りはかなり考えられているが、一人ずつ分けて治療してほしいというのはワガママなんだろうか。

目の前のボシュロム テクノラス 217Z 100 とイントラレース FS60 レーザーの違いまで見ている余裕はなかったが、特徴がつかみにくい形だった。しいて言えば、「枕」の形が違うぐらいか。ボシュロム テクノラスの方が、後頭部が凹んだような形で、頭が動きにくくなっているのである。

その凹みに合うよう、仰向きに寝るよう指示される。私の場合、というか日本人にありがちだが「絶壁頭」に近い頭の形をしているので、正面を向こうとすると少々座りが悪い。カウントダウンや各種呼称をしている男性の眼科医とおぼしき声で、少しあごを引くようにと言われた。

右目

右目に開眼器をパクッ。相変わらず一瞬。

「フラップめくっていきますね」

水平に棒のようなものをチョイと目に当てられる感触。

「お水をかけて、めくっていきますね」

注水されて、目の前が水中になった後、再び棒の感触があったかと思うと…めくられた。いきなり視界がざらついて、何が何だが分からなくなる。

続いて、男性のよく通る声で朗々と、

「ロックしました」

“+” の位置が固定されたのだろう。

赤い光をじっと見ていてください。緑の光は関係ありません」

強調するため、緑の光は関係ない、と 2回言った気がする。赤い光は患者が見るべき光なのだが、それ以外に緑の光が右下にいて、おそらく執刀医から見てレーザーの照射位置が分かるようだ。

色は把握したのだが、困ったのは光がまったく点に見えないこと。先日、シンプルに点で描いたが、本当は多角形の光が大量に取り囲んでいて、こんな感じに見える ((おそらく、イントラレース FS60 レーザーの照射も細いレーザーの集まりのため、角膜上皮 + ボーマン膜と角膜実質層の間に幾何学的な穴ボコ模様ができるのではないかと考えているのだが…)) 。緑の点は移動している。



◇◇


◇◇

「テスト照射を行います」

素早く白い板のようなもので目の前をさえぎられ、「ぱしぱし!」と鋭い音が 2-3回する。煙が立った気がするのだが、私の眼はアレに耐えられるんだろうか。

「では照射を始めます。照射時間は 32秒です」

強度近視だけあって長い。途中パチパチッという音が聞こえる。

「26秒…」

赤い光の位置が分からなくなってくる。エキシマレーザーで途中まで削られた角膜で見ろっていうんだから、分かりにくくもなるか。品川で受けた人にも「アレじっと見ているの無理ですよ」と宣告されてはいたが、想像以上である。

とりあえず、動揺してアゴを引かないように気をつけ、眼の動きをできるだけ抑えようとする。

「10秒…」 ((カウントダウンの秒数は、定期的にコールしていたこと以外は正直よく覚えていません。))

無限に長い時間のように思える。

痛くはないが、角膜を押さえられている感覚がある。実際にはエキシマレーザーが目下、角膜の組織を蒸散しているはずである。

誰ですかこんなシステム考えたの。

「おわりました」

ふーっ。器用にフラップを戻され、開眼器が外される感触がする。思わず

「こんな感じで平気でした? なんか動いちゃった気が。」

と聞いてしまう。

「大丈夫でしたよ」との即答。

しかし、まだ半分である。これから左目なのだ。

そして左目

再び赤と緑。「照射時間は 32秒です」

「26秒…」

おいおい、赤い光が上にずれていくぞ。光の屈折なんだろうか。

なにに照準を合わせて良いのか分からなくなってきたので、無駄にじたばたするのを止める。

それでも乱屈折する赤い光について行こうとしたのか、角膜固定具に、「黒目の下」の方角から上を見てはいけないと押さえられている感触に初めて気がついた。

おまけに、現在照射していない方の右目の閉じ方が足りなかったらしく、中途半端に開いてきた。事前に「両目を思い切り閉じるつもりでいてください」と言われたのを思い出して、閉じ直す。

「それだと手術できないのでは?」と思うかもしれないが、開眼器で片方は強制的に開いているので、本人は苦手なウィンクの動作をしなくても、両目を閉じる勢いで OK なのである。

やがて終了。右目以上に予想外のできごとでドタバタした感でいっぱい

「(視線が) ずれてませんでした?」

再び、聞いてしまう。 

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