(2009/2/5 … 動画を追加しました)

忠烈祠は、台湾が戦争で亡くした軍人の英霊を祀ってあるところです。しかし私にとっては儀仗兵の交代式の方が重要な意味があるのでした。

忠烈祠: 左の儀仗兵 正面 忠烈祠: 右の儀仗兵 正面

エリートがなれる「1時間動かない兵隊」

忠烈祠: 右の儀仗兵 左側儀仗兵は一種の衛兵で、忠烈祠の入口 (大門) 左右に 1人ずつ、計2人立っています。台湾の陸海空軍から選りすぐられたエリートで、身長 175cm ~ 195cm、体重 65 +- 1kg といった容姿を初めとした様々な条件があります。

台の上に立っていて まったく動かないので、遠目にはリアルに作られた人形かと一瞬思ってしまいます。しかしよく見ると、少ないながらまばたきもしますし、視線がたまに動くので生身の兵隊さんであることが分かります。先端に刀がついた銃を持っていますね。

忠烈祠: 儀仗兵の顔に霧吹き本人は微動だにできないので、スーツを着たフロアディレクター…というかお世話係がついています。霧吹きを持っていて、リフレッシュのため儀仗兵の顔に水を婦シュッと拭きかけたり、銃を持つ角度を微妙に手直ししたりしていますが、ある時間が来ると、儀仗兵の立ち位置から大殿までの直線距離に誰も来ないよう、いきなり人払いを始めます。

寸分違わぬ機械的な動きの「衛兵交代」

毎正時、つまり 1時間ごとに衛兵交代の儀式があり、2人の儀仗兵が、次の 2人と交代します。

忠烈祠: 大門へ続く道奥の大殿から交代要員を含む 5人の集団が歩いてきて、大門を入ってすぐの場所で一通り銃を使ったパフォーマンスをしつつ交代します。といってもいきなり銃をぶっ放すわけではなく、バトントワリングのように銃をくるくる回転させたり、放り上げたりします。

動きはロボットのように非常に機械的で統率の取れたもので、クロックごとの動作が完全に決まっているらしく、お立ち台を昇降するのにも銃をウン十度持ち直し、次に右足を上げて…という具合で、ワンステップ動いては停止し、動いては停止し、を規則正しく繰り返していきます。

台の表面は金属になっていて、儀仗兵が履いている金属靴でワンステップ踏んだり、銃の柄の金属部分で台を打ち付けたりすると、「カッ!」と辺りに響き渡るいい音がします。タップダンスで、床がリノリウム張りになっているのと似たようなものですね。

動画で見る衛兵交代

儀仗兵交代の様子を短縮して動画にしてみました。

実際には、大門に立っている儀仗兵が動き出してから、完全に交代してしまうまで 15分ぐらいあり、ひとつひとつの動作はもっと間が開いているのですが、長すぎるので短縮してあります。

この儀仗兵の衛兵交代、台湾の父親からよく語り聞かされていたので、実物を一度は見てみたかったのでした。

つづく。