DELL Alienware PC を BTO で買いました。VR デバイス Oculus Rift とあわせて総額 30万円以内に収めるために、ゲーミング PC ハードのどこを盛って何を妥協するのか、Threadripper や Core i9 にはしなかったのかって話。

時代は Threadripper か i9 じゃないの?

ハイエンドデスクトップ CPU は AMD / Intel ともに世代交代のまっただ中です。

AMD 社の新しいハイエンド CPU ラインナップとして Ryzen Threadripper が発表され話題になっていました。最上位の 1950X で 16コア/32スレッドもあって 999ドルという衝撃的なコスパ。Intel も対抗馬の Core i9 シリーズを発表していますが、同等コア数の i9-7960X が 1699ドルで 700ドルの開きがあったと。

Threadripper か Core i9 マシンを自作するか?
いやいや。まずそれでも十分高いから

999ドルというと安そうですが、日本国内では 1950X は結局 149,800円というベラボーな価格で販売されています。
Kaby Lake 世代の Core i7-7700 が 34,000円, 7700K でも 37,000円で買えるのに比べると、レンジ的に CPU 代だけで 10万円高い世界の話になります。

DELL Alienware はケースのデカさと価格帯で 2種類

今回 PC を買おう (or 組もう) と思ったのは、ゲーミングデスクトップ PC の DELL Alienware 2万円引き + 10% オフのチラシを手に入れたからですが、その DELL Alienware シリーズにはケースの種類と CPU の価格帯で大きく 2種類のラインナップがあります。

Alienware シリーズ ケースのタイプ ケース寸法 標準構成での価格帯
Aurora R6 ミドルタワータイプ H: 472.52 mm x W 212 mm x D 360.5mm 13万~22万円
Area-51 三角形のフルタワーサイズ H: 569.25 mm x W 638.96 mm x D 272.71 mm 26万~50万円

Area-51 シリーズの中では一番安い i7-6800K 搭載モデルでも 266,980円 (税抜)、Core i7-6950X 搭載モデルでは実に 505,980円 (税抜) と、価格の高さがすでに超高校級すぎて手が出ません。

こっちが手に入れたほうの Aurora R6 ケース。

DELL Alienware R6: ケース

ハイエンド Threadripper / i9 vs. ミッドレンジ i7

価格帯もデカさも連動しているとして、Aurora と Area-51 それぞれにどの CPU が収まっているのかって話ですね。ハイエンド~ミッドレンジの CPU も Core i9 やら i7 やら Threadripper やら入り乱れていて多すぎなんで、対応 Alienware とセットでまとめてみました。

用途 コードネーム /
上位モデル
コア数 ソケット 対応メモリ DELL Alienware
シリーズ
AMD ハイエンド Whiteheaven
Ryzen Threadripper
1950X, 1920X
8/16 – 16/32 Socket TR4 DDR4-3200? Area X51
US 発売中
日本未発売
Intel ハイエンド Skylake-X
Core i9-7980XE, 7960X
Core i7-7820X, 7800X
6/12 – 18/36 LGA2066 DDR4-2667 Area X51
8/22 発売予定
Skylake
Core i7-6700K, 6700
2/2 – 4/8 LGA1151 DDR4-2133
DDR3L-1600
Broadwell-E
Core i7-6950X, 6900K
6/12 – 10/20 LGA2011-v3 DDR4-2400/2133 Area X51
日本発売中
パフォーマンス /
メインストリーム
Kaby Lake-X
Core i7-7740X
Core i5-7640X
2/2 – 4/8 LGA2066 DDR4-2667
Kaby Lake
Core i7-7700K, 7700
2/2 – 4/8 LGA1151 DDR4-2400
DDR3L-1600
Aurora R6
日本発売中

ざっくり「ハイエンド」CPU 路線が Area-51 に対応していると考えて良さそうですね。

Core i9 を搭載した DELL Alienware シリーズは 8月17日現在まだ日本で発売されていませんが、Ryzen Threadripper 搭載機や既存の Broadwell-E 世代がドヤリング専用 Area-51 タイプであることを考えると、i9 も同様でしょう。

Area-51 シリーズはハイエンド CPU 代が乗っているから価格的に無理、という理由の他に、ケースの大きさも重要。

仁礼家マシンルームには耐荷重 300kg のスチールラックが組んであるのですが、ラック 1段あたりのスペースが高さ 51cm なので、それを超えないようにする必要があります。ケースの高さ 57cm ってあなたデカすぎですよ。

それよりグラボで振り切りましょう

Area-51 でがんばるよりも、用途からするとグラボですね。

Adobe Premiere で動画編集するときのパフォーマンスは CPU コア数の他に nVidia ビデオカードの CUDA コア数が効いてきます。VR は nVidia GTX 1060 からでも楽しめますが、画質とレンダリング時の遅延を考えると 1080 か 1080 Ti を使いたいところ。

そんなわけでケースは Aurora R6 シリーズでいいから Core i7-7700 近辺、その代わりグラボを振り切ってnVidia GTX 1080 Ti もしくは対消費電力パフォーマンスを考えて 1080 無印、という路線にまで絞り込みました。

リアル店舗で BTO 仕様を固めにいく

ひさびさのデスクトップ PC なので、リアル店舗で相談したいなと思っていたところ、秋葉原に ALIEN STORE AKIBAを発見。JR 駅のすぐ近くにあるんですな。

店員と話していると突然でてきたのが10% 引きのチラシでしたと。

7月15日時点で DELL サイトに書いてあるのは 20,000円引きの文字だけでしたが、店員に聞いてみるとなんと 10% + 20,000引きで併用が可能!とのこと。

TSUKUMO ほかショップ PC もいくつか回りましたが、これ以上のディスカウントは望めそうにないし、パーツをフルに集めて自作するほど仕事もヒマではないと。

CPU 世代交代前の一斉在庫処分じゃないの?とは思いつつ、やりたいスペックで 25万円に収めるにはこのオファーに乗るしかないんですよねと。

このショップで買うことはほぼ決めて、構成を固めるにあたりいくつか話を聞き出します。

  • VR Ready PC とはハードスペックの組み合わせに対して認定されているだけ。買おうとしているのは Alienware Aurora 「ファイナルファンタジーXIV推奨特別モデル」と書かれていて VR Ready とは書いていないが、問題なく対応している。
  • 水冷。Aurora R6 は簡易水冷システム。Core i7-7700K にすると must になるが、7700 でも水冷オプションを選ぶことはできる。CPU は水冷になるが、グラボは水冷にならないDELL Alienware: 水冷 CPU クーラー + nVidia GeForce 1080 Ti
  • SSD を 256GB / 512GB どちらにするか。M.2 が高価 (256GB -> 512GB にすると 18,300円アップ) なのもあり、やりくりしてブートドライブを 256GB に収めるのがオススメ。
  • サポートは断然 Premium Support をつけたほうが良い。通常のサポートは中国の大連に電話がつながるが、Premium なら国内で日本人が対応する、という違いがある。

Core i7-7700K は必要なのか

最後まで迷ったのが、Core i7-7700K でいくのか、無印 7700 でいくのかです。アップグレードには +9,200円という微妙な差。

店員「うーん、グラボを GTX 1080 Ti にしたからといって、CPU までそれに合わせて K にする必要はないと思いますよ。むしろ K にしてオーバークロックすると壊れます

という一言が決め手で、まあ 7700K でオーバークロックしない選択もあるんだがな、と思いつつも 7700 のままでいくことにしました。

店員氏の主張はつまり、仕事でガチの動画編集をやっている人がいるそうで、もう本当にビジネスのために時間短縮するなら、PC は短命でも良いからコア数勝負のスペックにすることもあるけど、お客さんはちょっと動画編集やってみたい程度だし、一度買った PC はまた数年大事に使うのだろうから、CPU 的に振り切れているわけでもない構成で、中途半端に K にこだわる必要はない、ということですね。

まあ採掘で一日 PC をぶん回すような使い方もしてみたいし、あれはグラボのスペックで掘るもので CPU はたいして効率の足しにならないことを考えると、CPU の消費電力は少なめが吉、という別の理由もあり、ここは 7700 で妥協することにしました。

ようやく構成が決まりました

最終的な構成はこちら。

DELL Alienware Aurora R6 シリーズ

CPU Intel Core i7-7700 (4cores, 8MB cache, Turbo Boost 2.0, 最大 4.2GHz)
OS Windows 10 Pro 64bit 日本語
メモリ 16GB デュアルチャンネル DDR4 2400MHz (8GBx2)
ストレージ 256GB PCIe SSD + 2TB HDD 7200RPM SATA 6Gb/s
ビデオカード nVidia GeForce GTX 1080 Ti 11GB GDDR5X
電源 850W PSU 液体冷却シャーシ
ケース Aurora R6

この構成でお支払い金額は、しめて

値引き前 (税別) 271,480円
7月15日 – 7月18日値引き 20,000円
Alienware 10% オフクーポン -25,148円
値引き後 (税別) 226,332円
値引き後 (税込) 244,438円

4万5千円の値引きはデカい!
それでもぎりぎり 25万円以内。 🙂