表示、印刷それぞれの用途ごとの最低限の画素数は分かりました。しかし、色も含めた正確さという意味だと、これでは不足してきます。
画素数は、カメラとディスプレイでは意味がちがう
液晶ディスプレイ (LCD) の 1画素は、光の三原色 RGB (赤緑青) が短冊状に並んだ形をしています。1つの画素だけで、すべての色を表現することが可能です。下の例では、4×4 = 16画素あります。
— | 1 | 2 | 3 | 4 |
1 | ■■■ | ■■■ | ■■■ | ■■■ |
2 | ■■■ | ■■■ | ■■■ | ■■■ |
3 | ■■■ | ■■■ | ■■■ | ■■■ |
4 | ■■■ | ■■■ | ■■■ | ■■■ |
これに対して、家庭用の ((単板式の)) デジタルカメラやデジタルビデオで光を受けるイメージセンサは、構造上、R だけで 1画素、G だけで 1画素、といった具合に RGB 各色がバラバラの画素として並んだ形になっています。
— | 1 | 2 | 3 | 4 |
1 | ■ | ■ | ■ | ■ |
2 | ■ | ■ | ■ | ■ |
3 | ■ | ■ | ■ | ■ |
4 | ■ | ■ | ■ | ■ |
この並べ方は、コダック社の考案者の名前をつけてベイヤー (Bayer) 配列といいます。緑がやたら多いように思えますが誤植ではありません。人間の眼が緑色をもっとも敏感に感じるためで、R:G:B = 1:2:1 の割合で並んでいます。
ベイヤー配列というか、単板式イメージセンサの弱点は、1つの画素では 1色しか分からないことです。たとえば青を担当する画素自身は、赤や緑がどんな割合で混じっているのか分からないので、周囲の赤や緑の画素から計算して「ここはこんな色だろう」と補完する、悪い言い方をすれば見当をつけるのです。
補完方法は各メーカーによって違いますが、もっとも単純な補完として、隣の 1画素だけ見にいくとすると、
— | 1 | 2 |
1 | ■ | ■ |
2 | ■ | ■ |
イメージセンサの 4画素分 = 見かけ上 1画素 = 表示印刷するときの 1画素
に対応すると考えることができます。
逆に考えると、撮像時の画素数は、最終的に表示、印刷したい画素数とまったく同じでは点の数だけつじつまがあっても色表現的には不足で、4倍あるのが最低ラインということになります。
4をかけてみましょう。
- 1900×1200 (230万画素) のディスプレイに表示 … 230万 x 4 = 920万画素
- L判に印刷 … 150万 x 4 = 600万画素
- KG (はがきサイズ) に印刷 … 200万 x 4 = 800万画素
だいたい 600万~920万画素あれば、ある程度の色の正確さが見こめるということになります。
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