毎年応募しているフォトコンテスト「東京フォト・サロン」で、ついに頂点のグランプリを受賞しました。ビールとワッフルを食いに行ったついでに撮ったまま眠っていた写真を、今になってなぜ応募しようと思ったのか。
まさかのアレが賞に入った
着信履歴が残っているのに気がついて、折り返し電話してみると
「Nire さんグランプリおめでとうございます!」
との第一声が。
「はい?」
毎年応募している東京フォト・サロンの話だったらしく。
「本当ですか! どの写真です?」
先月末が締め切りだったこの写真コンクールに、何枚か応募しておいたのですが、帰ってきたのは一番意外な答えでした。
「外国のやつです」
な…。よりによって、3枚応募した中でも一番自信がなかった作品が選ばれるとは。
その「外国のやつ」がこちら。
東京フォト・サロン 大賞グランプリ「したり顔」
すでに公式サイトにも掲載されていますので、そちらもご覧あれ。
私は以前、2週間ほどオランダに出張したことがあります。アムステルダムのとある会社と仕事するためですが、合間の休みに、今は退職してしまった同僚Tさんに誘われました。
「Nire さん、土曜日にベルギー行きませんか。ベルギービール飲んで、ワッフルが食べられれば OK ってことで!」
オランダからベルギーまでは、鉄道に 3時間延々乗ればたどり着くのです。国境を越えたというのに、パスポートを確認されないまま駅を出たら他国という不思議。ベルギーにつくなり、NATO 駅行きのバスに出迎えられました。
到着時すでに 14時前で、日没まであまり時間もない中、大慌てでやれ教会だの商店街だの見て回ります。フォトグラファーと非フォトグラファーとでは歩調が違うもの。気に入った被写体があると、置いて行かれるのも関係なくドップリ撮影にひたりたくなります。
商店街では見るものがないな、とスタスタ歩いて行ってしまう同僚Tさんそっちのけで、ふと子供が、ベビーカーを自分の手で押してよちよち歩いている光景に目を留めました。
どこにも応募しないで眠っていた 1枚
審査員の長濱雄三先生の批評:
いやー、かわいい子どもをうまく撮っている。後ろの方に子どもを見つめるお父さんとお母さんかな、何か呼んでいるような声が聞こえるような写真です。
この写真、なんとなく気にはなるものの、実はフォトコンテストにまったく出さずに寝かせていました。
外国の記念写真をふらっと撮っただけに見えて、作品として応募するものではないと思えたからです。最初。といって素通しするには惜しい感じがしたので、フラグをつけて、そのまま放置していました。
今になって発掘する気になったのは、やっぱり人の写真を見て、自分の写真をひたすら撮って、撮りたいものの出口が少し見えてきて、違う切り口でセレクトできるようになってきたからだと思っています。 🙂
例によって 5秒だけ考えて、勢いで「したり顔」と名付けたこの作品。写真から
「何か、」
を感じてもらえる方がいらっしゃれば幸いです。
展示会は 12月15日から!
「それでですね、CD が取り急ぎ必要です」
「CD ですか?」
「ええ、グランプリの場合は大延ばしにして展示する必要があるので、元データが必要なんです。」
受け渡し日の 3日前に言われて、大慌てで CD と印刷見本としての 2L判プリントを作成、展示費とともに全東京写真連盟にお渡ししました。
こちらが、公式のご案内はがき。
裏面には毎年、グランプリ作品 1点だけが掲載されます。
期間: 12月15日~12月21日 午前10時~午後 5時 土日も開催 最終日は午後3時まで
会場: 創 (はじめ) 画廊
住所: 東京都中央区銀座 3-11-16 日向野ビル1階
モデルポートレートとまた違った切り口の写真が展示されているので、ぜひ足をお運びください。
ああそうだ。
ベルギービール最高でした。
ベルギーでは 16歳から飲めるらしいですよ。
(作品は全東京写真連盟の許可を得て掲載しています)
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