上限 4,980 円の廉価なイーモバイルの 2段階定額制が ADSL の一部に取って代わる、という話を書いた矢先に、au からもデータ定額のニュースが飛び込んできました。
ちょっと毛色の違うニュースが 2つ同時に発表
KDDI、一部機種でPC接続時もパケット通信料を定額対象に 携帯 マイコミジャーナル
2つのニュースが一緒に書かれていていますが、ものすごく乱暴に縮めると
- 「WIN シングル定額」対応の機種が増えた
- PC の外付けモデムとして利用した場合の料金が青天井ではなくなった
「WIN シングル定額」対応機種として W06K が追加
機種が増えた方は、従来はデータ通信専用カード W05K しか対応していなかったところへ、W06K という Express Card/32 タイプのものが増えたようです。WIN シングル定額プラン自体が変わったわけではありません。第一 Eee PC 901-X には Express Card スロットなんてものはないので、そもそも刺さりません。:mrgreen: Eee PC に限らず、最近の低価格ノート PC は大体同様のスペックですから、もっと UMPC 市場に合わせて USB 接続タイプの面白い製品を期待します。次の方。
確かに PC データ通信時の上限は設定されたけど…
青天井の件は、以前私がやろうとしたように、W54S のような携帯を PC の外付けモデムとして使用すると、データ通信料にキャップ (上限金額) が無く、法外な値段になってしまっていました。
今回はついに値段にキャップが適用されます。ただ機種が W63H, W63CA, AQUOSケータイ W64SH と限られていて、トラフィック制御機能つまり、前に店員さんが言っていたデータ通信速度を抑える (ズルい) 機能が、W04K, W05K 以外にも搭載されたということですね。
機種に制限はありながらも、ついに au がイーモバイルに本気を出してきたか! とかなり期待して読んだのですが、
なんだこりゃ。図を見ると、ダブル定額ライトの契約者は
- EZWeb / Eメール使用時 … 4,410円 (税込)
- PC サイトビューアー使用時 … 5,985円 (税込)
ここまでは、従来と同じですね。外付けモデムとして使った時は、と。
- モバイルデータ通信時 … 13,650円 (税込)
目がおかしくなったんでしょうか、5桁の数字が見えます。
非対応機種を PacketWIN で接続すると、月数百万円かかるという某 au ショップの店員さんのセリフはまだ覚えていますし、事実でしょう。百万円使っちゃったとして、今回のキャップ制ならそれがたったの 13,650円で月々 986,350円の節約です!
…..風邪ひいてテンションがおかしいようです。落ち着きましょう。確かにキャップがついたのは注目すべきことですが、この値段は何を意識して決定したのかまったくのナゾです。
ドコモの定額データプラン HIGH-SPEED よりも高い
NTT ドコモとイーモバイルの場合の上限金額がいくらなのかを比較してみます。
通信事業者 | プラン名 / 通信速度 | 前提になるコース | 月額 (税込) |
NTT ドコモ | 定額データプラン HIGH-SPEED (7.2Mbps または 3.6Mbps) |
バリューコース非加入 | 10,500円 |
バリューコース加入 | 9,765円 | ||
定額データプラン 64K (64Kbps) |
バリューコース非加入 | 4,200円 | |
バリューコース加入 | 3,465円 | ||
イーモバイル | スーパーライトデータプラン (7.2Mbps または 3.6Mbps) |
年とく割 / 新にねん非加入 | 5,980円 |
年とく割 / 新にねん加入 | 4,980円 |
イーモバイルで 2年入ることが前提の「新にねん」加入で、通信速度 3.6Mbps または 7.2Mbps ((端末によって速度が違う)) で上限 4,980円。このスピードと金額に慣れてしまうと、NTT ドコモで同じ通信速度を出すためには定額データプラン HIGH-SPEED にする必要があり、その上限が 10,500円というのは相当な高額に見えます。
au のモバイルデータ通信時の定額はさらにその上をいくわけで、トラフィック制御機能をつけてまでこの金額はまったく理解できません。
イーモバ両刀使いを自社に一本化させるための金額とは
すでに私のなかでは au 離れは始まっており、イーモバイルのスーパーライトプランはバンバン使っているため、au のデータ通信料は、ダブル定額ライトの下限 1,050円 (税込) に抑えようとしています。au / NTT ドコモ / ソフトバンクモバイルがメインで、イーモバがサブ端末という両刀ユーザーは同様なことを考えるはず。
百歩譲って、狙いが「イーモバイルをやめて、au の携帯 1つで電話 / EZWeb / PC サイトビューア / PC 外付けモデム全部こなしてもらう」使い方をしてもらいたいとすれば、
PC サイトビューア利用時の上限 5,985円 + イーモバイルスーパーライト (新にねん) 上限 4,980円
= 10,965円
この金額を下回るキャップを設定してくれないと、イーモバ両刀使いの心は動かないでしょう。NTT ドコモの定額データプラン HIGH-SPEED の 9,765円は確かに下回っていますが、au はこのラインをはるかに上回っており、話になりません。
そこまで設備投資が重いのか、ソフトバンクモバイルが iPhone 3G を売るためパケット定額フルの値段を切り下げてきたのと同様に、値下げマージンを残しておきライバル他社やユーザーの反応を見ながら下げるつもりなのか、真意は謎ですが、少しずつ値下げしてもニュースバリューはありません。
おそらく、au KDDI は NTT ドコモやソフトバンクモバイルといった大型キャリアと足並みをそろえることに腐心しすぎていて、イーモバイルのような新興の通信事業者を考慮に入れていないのだと思います。
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