写真サークルでカラーマネジメントが話題になるようなので、私の場合を書いておきます。この方法がベストとは限らないので、あしからず。
全体のまとめと、詳細な設定方法とに回を分けてお送りします。
縦長は good だが印刷と色味がズレる BenQ FP241W
私の環境では、BenQ FP241Wを縦、三菱 RDT233WX-3Dが横のデュアルディスプレイ環境で使っています。
BenQ FP241W にいたっては実に 2006年発売の製品で、だましだまし 8年も使っています。2011年発売の三菱 RDT233WX-3D だけでいいんじゃない? と言われそうですが、1200×1920 ピクセルの縦表示はWeb ブラウザや CUI の表示効率が上がるから縦長のポートレート写真表示に向いているんです。
ただしそのままではディスプレイ表示と、プリンタ PX-5V での印刷で明るさも色味もズレてしまいます。
カラーマネジメントを知っていますか
そこで Colormunki Photo というカラーマネジメント製品の登場。
デカ目のメジャーかカタツムリみたいな筐体のこいつを、ディスプレイ面にぴったり貼りつけます。
接着しているのではなく、ディスプレイ背面にたらしたストラップ部分がオモリの役割を果たし、Colormunki 本体と重さが釣り合ってピタリと止まるようになっています。
赤やら緑やら青やら順番にパターンが表示されますが、こいつを Colormunki 側のセンサーが測定することで、このディスプレイが実際に表示している色が分かりますと。その後理想的なカーブからのズレを算出して、グラフィックカード側の出力で補正するような ICC プロファイルを書き出してくれるわけです。
1台でディスプレイにもプリンタにも使用できるのがこの製品の良いところで、両方のカラーキャリブレーションを行うと、画面で見た色が印刷物でも (ほぼ) そのまま再現できるというわけ。
Colormunki 標準アプリには難がある
Colormunki には標準添付のアプリケーションがついてきます。これもインストールはするんですが、仁礼の場合は Argyll CMS と dispcalGUI というフリー ((正確には GPL)) のソフトウェアをインストールして使用しています。
- Argyll CMS … コマンドライン (CLI) で使うようになっていて、ディスプレイと印刷物のキャリブレーション兼用
- dispcalGUI … Argyll CMS の GUI 版。ディスプレイのキャリブレーションに使う。
Argyll CMS + dispcalGUI を使うご利益でもっとも大きいのは、カラーキャリブレーションの前に RGB ゲインの調整が入ることです。
手動でディスプレイ側の色温度 / RGB / 輝度設定、をいじって、真ん中の逆三角マーク▼に近づけることで、ゲインの乱れが抑えられます。標準添付アプリは、この手動調整ナシで、現状の輝度も色味も関係なしにいきなりキャリブレーションに入ってしまいます。
しかし…そもそも BenQ 241W というディスプレイ、dispcalGUI で測定するたんびに RGB 値も輝度も中心からズレてバラバラというひどい状態。
BenQ FP241W のキャリブレーション結果は…
キャリブレーションが完了したの図。グラフで色域が表示されます。
切り替えると Calibration curves (RGB 各入力値に対するディスプレイでの表示値) と Tone response curves (階調再現) が表示されます。見方がよく分かりませんが、右肩上がりに直線になるのが理想だとすると、だいぶズレまくっているような気がします。
薄いハズの色が濃い目に表示される…ってことなんですかね。
実際に比較してみると、ディスプレイ BenQ 241W と、プリンタ PX-5V の出力とでは、お互いにカラマネを行ったとしても、これくらいの差が出ます。
ちなみに RDT233WX-3D を同様にカラマネしても劇的には変わりません。ディスプレイと紙とでは、根本的に色の表現方法と三原色 (RGB vs. CMYK) 自体が異なるので、完全に合わせるのは難しいようですね。
とりあえずの結論
- カラーマネジメントしないよりは、かなり紙のプリントに近づく。
- 結局はプリントのでき上がりとのズレを脳内補完して、レタッチせざるを得ない。
なに、実売 59,000円弱の Colormunki Photo なんか買ってないで、ディスプレイに金をかけろ? ごもっともですが、実は昨年この製品を購入後、今年 Nikon D4S で全財産使ってしまったので金欠なんですよね
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