11月1日に購入した iPad Air では、iPad3 に比べて液晶とケースの品質に個体差が大きいようです。あと店員さんの品質チェックは人によってスゴいの巻。

iPad Air: iPad (2012年モデル): ディスプレイ

iPad Air, iPhone 5S 世代は液晶の個体差が大きいようだ

iPhone / iPad の液晶ではよく色ムラ黄ばみが問題になります。
以下の写真では iPad Air の方が iPad3 より青白っぽく見えますが、

iPad Air: iPad (2012年モデル): ディスプレイ

正面から見ると iPad Air の方が黄色いというか、赤みがかって見えます。そんな概念があるのか分かりませんが、iPad Air の方が視野角による光量落ちならぬ、色温度落ちが大きいのでは。

試しに iPhone 5 に Light Spectrum Pro という色温度計測アプリをインストールして計ってみます。

Light Spectrum Pro で iPad Air の液晶を計測

iPad Air で白背景を表示させ、画面に iPhone 5 のカメラを密着して計測してみます。誤差があるんじゃねえの、というツッコミがありそうですが、まあ目安ということで。

iPad Air iPad3
液晶が最も明るい状態 2818K 2801K
液晶が最も暗い状態 2671K 2691K

そんなに有意差はない、というか、測定位置を少しずらしただけでも大きく変わりますね。人間の目で 30cm 離してみたほうが確実そうです。 🙂

青白いより黄色い液晶が見やすいという人もいれば、生理的に受け付けない人もいますが、同じ iPad Air でも個体によって色味に差があるようですね。iPhone 5S も店頭品を見比べるとずいぶん違いますが、昨年の iPhone 5 と今年夏モデルの iPhone 5S / iPad Air は平均して黄色い (色温度が低い) 個体が多いようです。

液晶ムラも裏面アンテナ汚れもかなりの確率

もっと気になるのは、部分的な明るさや色ムラです。

iPad3 は明るさが全面にわたってほぼ均質 (正確には下 1/3 がごくわずかにムラ) ですが、iPad Air では左辺の光量落ちが iPad3 より大きくなっています。

表示しているのは Bookman という電子書籍アプリですが、自炊した電子書籍を表示すると背景が真っ白のため、ムラは非常に目立つのです。また写真を本格的にやり始めると、といっても 1年程度のペーペーですが、色味が少し変わっただけでも写真作品の意図や印象が変わってきてしまいます。

実は最初、画面左側だけが黄色く変色している液晶に当たったんですが、店頭で取り替えてもらいました。ところが交換品を開けてみて、本体裏面を一瞥して一言

店員「あーこれダメですね…」
仁礼「どの辺が?」
店員「アンテナ部分が汚れてるんですよー」

アンテナ部分とは先ほどの白い部分。最終的に買ったものは汚れは見られませんが、

iPad Air: iPad (2012年モデル): 裏面アンテナ部

裏面アンテナとカメラ付近が黒ずんでいるものが 2台、ひどい個体はカメラホールの周囲にすり傷があるのが 1台。

店員「よくこんなの送ってきますね… :evil:」
仁礼「押忍、そうですね… 😐 」

複数台の話が出てくるのは何だと思われるかもしれませんが、私に見せる前に店員さんが目視確認、自らダメ出し、クロスで拭いて汚れが取れなければ下げるという徹底ぶり。驚きましたが店員さん、あなたはエラい。QC (クオリティ・コントロール) の鏡であります。

購入する瞬間のドット欠けと色ムラチェックは難しい

肝心の液晶はドット欠けこそ 0台でしたが、左端 2~3割の面積で色ムラを起こしている個体が多かったです。

結局、液晶の明るさと色味が均一な領域がもっとも大きく、なおかつ店員さんの厳しい裏面チェックを合格したものが、手元にある一品というわけです。

液晶のドット欠けや色ムラを見るには、全面に白などの均一な色を表示させてみるのが一番ですが、残念ながら店頭で購入時の実機確認では「ようこそ」画面の模様つきグレー背景のみで判断しなくてはならないため、発見が難しくなります。店員によると、実際に購入してから後で持ってくる例が多いそうです。

電源起動時にボタンを押すとチェック用に白背景を表示できるようにしてほしいですね。 🙂

液晶にどれくらいシビアかは人にもよるため、いっそ次世代機では iPad の廉価版 iPad Air 2c とハイグレード版 2sとかで価格にメリハリをつけ、コストを払っても良いから高品質がほしいニーズに応えたほうが良いかもしれません。

ハード品質だってアップルのユーザーエクスペリエンスの一部ですよ

MM 総研発表の「国内タブレット端末出荷概況」によると、iOS は 46.2%、Android は 42.8% で、すでにアップルの天下ではありません

それでも割高なアップル製品を選択するのは、一社でハードからソフトウェア、各種クラウドサービスまで包括して提供することによる「全体的な統一感」「 (かつての) ジョブズマジックによる商品への吸引力」が大きいわけですが、iPhone 5S も iPad Air も含めて、過当競争への焦りで発売日を急ぎ、出荷前チェックがおろそかになった結果、魔法の解けるスピードが加速している気がします。

次回はカバーとケースネタ。
つづく。