The DotAsia Organization のサイトにずらりと並んだ .asia ドメイン名を見てびっくり。
.asia というのは今回、新しく追加される gTLD トップレベルドメイン名です。.com, .jp などとレベル的には同じ。
ドメイン名の売買は今更珍しくも何ともないのですが、驚いたのはこの .asia の gTLD レジストリは複数申込者に対してオークションを主催して、値を自らつり上げるという点です。 ((普通はドメイン名は first com, first served (早い者勝ちで付与) です。)) さすがにオークションと言っても無制限にというわけではなく、商標権者向けに優先登録期間が設けられているようです。
ページの冒頭には、ご丁寧にオークション中のドメイン名の値段が左に流れるティッカーまでついていて、まるで株式市場。
gTLD としては後発の .asia が、ドメイン名の紛争を事前に抑制しつつ、自分たちの存在をアピールするいい材料というわけですね。
いいのかこれは。
いや、ここは日本人的な抵抗感を捨てて、新しいビジネスモデルとして価値観が変わりつつあるとドライに受け取るべきなのでしょう。
オンラインゲームの RMT (リアルマネートレード) にしても、行為として始まった頃は、あくせく長時間プレイして稼ぐゲーム内通貨をリアルマネーで買うのは邪道だとネガティブに捉えられていましたが、RMT 業者が増加し、次にセカンドライフのように、開発元自身が、仕様として現実の貨幣とリンデンドルの間の RMT をサポートするような流れになっています。 ((セカンドライフをゲームの範疇に入れるかは微妙ですが。)) 月額課金制からアイテム課金制へのシフトも同様ですね。
ドメイン名も、もともと JP ドメインのようにドメイン名の売買禁止の立場から始まって、グレーゾーンのドメイン名売買業者が横行し始め、原則自由化、次のステップでは、gTLD レジストリ自身がトレードならぬオークションを開催するという、似たような流れになっています。
最初は禁止されていたビジネスモデルが、世の中の動向を追認する形になり、ついには胴元やプロバイダーがデフォルトなシステムとして内包してしまう。他にもそういった例はありそうですが、果たしてその次に来るステップは何でしょうね。新たなドメイン名ビジネスの形態が登場し続けるのか、それとも検索エンジンに認知方法の座をどんどん奪われて、ドメイン自体が意味をなさなくなってしまうのか。
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