ニコンカレッジ実践講座 (スナップ) の浅草実習の様子。人物スナップの被写体を見つけると、先生のスイッチが入り目にも留まらぬ早業が。あの撮影術をマスターしようとするとどう大変なのかって話。
3時間一本勝負で 3枚のベストショットを撮影せよ
土曜日の 14時、浅草にやってきました。
浅草寺マップでいうと、雷門からスタートして、宝蔵門、本堂の影でいったん 90分後に集合。浅草寺病院と浅草寺福祉会館の間を抜けて、木札屋さんに向かいます。
途中の集合場所と時間は決まっていて、先生に付いていっても良いし、フリーで自由に撮っても OK なのですが、まずは先生のお手本を見ないと、何をどう撮ってよいやら…ということで、ぞろぞろついていく生徒一同。
本日のノルマは、合計 3時間の間に各自 3枚のベストショットを撮影。プリンタで印刷して、来週の座学に持参。先生の言うとおりのショットを撮っても問題はありませんが、やっぱりオリジナルな写真の 1枚も持って行きたいところです。
速すぎて動きが見切れないお手本スナップ
あーっと畑先生、人力車を引いている人に声かけて、相手の正面 1m 以内の超至近距離にがぶり寄って撮り始めました!
声かける – 寄る – 撮る
ここまでわずか 5秒間。被写体を見つけたら目の前にテレポートしてるんじゃないかと。
あまりの意外性にざわめきながらも、後から「私も撮らせてくださーい」とパシャパシャ取り囲んで写真を撮る一団。
つづいて、雷門の裏側に外国人の女の子 2名がいるのを見つけて、取って食うんじゃないかって距離まで近寄って撮り、カメラのプレビュー画面を相手に向けて「ほらこんな写真撮りましたよ」と見せる。
まさにモデル撮影を漫然とやっていて出来なかったことを実践している人が目の前にいるわけです。カメラの設定より何より、このコミュニケーションを会得しないで何のためのニコンカレッジか!
…と一人気合を入れた仁礼、英語で声をかけたうえでやってみました。見せてあげると出来上がりがお気に召したらしく、色々ポーズを撮ってくれました。
浅草っぽくありませんが、これが 1枚目。
先生のオススメで、外国人が軒先で立っているシーンを逆光気味に撮ってはどうかと言われ、生徒の方が一人突撃。あとで見せてもらいましたが良い写真でした。
雷門から宝蔵門に向かってお店が並んでいますが、何店舗かはすでに先生が事前に撮影許可を撮ってあるらしく、店主の方の仕事シーンに一斉にカメラが群がります。
お坊さんの後ろ姿でもスイッチオン
境内を通りすぎようとしたときも、それまで普通に歩いていた先生が加速装置オン。
何か見つけたな、と生徒が一斉に振り返ると、2人のお坊さんが反対方向に歩き去ろうとしている背後のを、ピタっとマークするように歩いていき、撮影。そして前に回りこんで写真を見せて許可。この間わずか 10秒。
この写真は、こういうお坊さんでした、という参考に私が慌てて撮ったものですが、
先生の作品は 2人の僧侶が歩いている後ろ姿と、足元に影法師が伸びた、印象的な写真でした。うーん。モノが違い過ぎます。
スナップ写真、まさに写真の格闘技。
とにかく畑先生は何気なく歩いているようで、これは! と思う被写体を見つけた時の OFF -> ON の落差が凄い。目の前歩いていた先生が、突然視界から消えて、吸い付くように被写体についている感じです。
そのトリッキーな動きは、黒子のバスケでミスディレクションかまされた相手選手…といっても意味不明なので、連邦の赤いモビルスーツぐらいにしておくのが無難でしょうか。 🙂
あっいいなと思ったら、すかさず接近する瞬発力、集中力と、相手に警戒心を抱かせない人柄だよなと。
もちろん風景撮影や、立ち位置を決めてから撮り始めるモデル撮影と異なり、普通の素人さんが相手ですから、動きも読めないし、構図や露出も出たトコ勝負で判断しなくてはなりません。長引かせても警戒されてしまい、良い絵が撮れません。
ストリートスナップおそるべし。まさに写真の格闘技でしょう。
ヒートアップしすぎたので、風鈴の写真でも。
次回は雰囲気のある木札屋さんと、浅草木馬館の写真など。
つづく。
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