WordCamp Tokyo 2008、1回目の休憩後のセッションです。
Sandbox のすゝめ
Sandbox の特徴について。
- CSS だけでデザインをカスタマイズ可能。一行書くだけで、Sandbox の PHP ファイルを参照しにいくことができる。
TEMPLATE: sandbox - microformat にも対応
class や rel を使って HTML 文書を意味づけする小さなマークアップ手法。 ((e.g. hAtom, hCard, rel=”home”, xoxo))
公式プラグインディレクトリ体験記
「お問い合わせ」フォームを簡単に作れる Contact Form 7 の作者三好さんのセッション。なんと “7” とつけた理由は、コンタクトフォームが何種類も開発されており、自分のものはたぶん 7番目くらいだろうと。
- 公式プラグインディレクトリ – WordPress プラグインのための公式ホスティングスペース
- WordPress 管理画面からの自動アップグレード
- WordPress 2.7 からは自動インストールも可能になる
プラグイン開発者向けの情報
- Subversion ホスティング
- GPL 互換ライセンスのみ
- Trac (バグトラッキング) も使える
WordPress Plugin Repository と連動 - Rating / Stats が表示される
プラグインのディレクトリへの登録方法
- アカウント取得 … サポートフォーラムのアカウント = Subversion のアカウント
- プラグインの名前と簡単な説明文を用意して登録
Contact Form 7 について
8月に 1.0 として公開、9月にイタリア語のリソースファイルが送られてきたのを皮切りに、readme.txt を翻訳を呼びかけてみると 24カ国語に対応できた
ダウンロード回数は 300-500回/日、Most Popular ランキングで 15位前後
レーティング 86人、平均 4つ星
人気の出た理由は、マルチバイトに対応しきちんとバージョンアップしユーザーへのサポートを続けたこと。WordPress のユーザー層の厚さと広さを感じた。英語はつたなくても、WordPress という共通言語があるため問題にならない。
アクティブな WordPress ブログは 260万ぐらいあり、 ((8月時点、Matt 談)) プラグインを公開することは WordPress におまけ機能をつけるだけでなく、巨大なプラットフォーム利用して自分のソフトを広めることになる。
XML-RPC で WordPress を操作しよう
Windows Live Write や Ecto といったクライアントを利用して、WordPress サーバをコントロールする。クライアントが XML を HTTP POST すると、サーバが所定の処理を行い XML で結果を返す。
WordPress 自身の XML-RPC を利用。詳しくは xmlrpc.php を見て理解するしかない。
自作されたクライアント (スライドに掲載されたもの)
[code gutter=”true” language=”php”]
$xml_server = ‘http://host/wp/xmlrpc.php’;
$method = ‘metaWeblog.newPost’;
$blog_ID = 1;
$user_login = ‘user’;
$user_pass = ‘password’;
$content_struct[‘title’] = ‘自作クライアント’;
$content_struct[‘description’] = ‘投稿テスト’;
$publish = 1;
$args = array($blog_ID, $user_login,
$user_pass, $content_struct, $publish);
include_once(‘./class-IXR.php’);
$client = new IXR_Client($xml_server);
$client->query($method, $args);
[/code]
WordPress の携帯対応
携帯事情
- 20-50代の携帯電話普及率 90%
- キャリアポータルに検索窓があり、ページのほとんどトップにきている。 ((ウィルコム、イーモバイルにはない))
- 検索結果 … 公式サイト – 携帯サイト – PC サイトの順に並ぶ
- 素の WordPress サイト … 携帯対応していなくても 3G 端末ならば一応見られるが、JavaScript には対応していない
- 携帯電話の制約 … 画面が小さい、ポインティングデバイスがない、文字入力に時間がかかる、キャリアによって仕様に違い … 絵文字の仕様に違い、ドコモでは PNG が参照できない
Ktai Style の特徴
- 5キャリアおよびスマートフォン対応
- 絵文字対応
- 長い内容を自動分割
- 画像を縮小
- 簡易なブログ管理機能
- テンプレートで中身を変えられる
- 携帯対応のメリット … アクセス数がほぼ倍になる
- 携帯対応のデメリット … 変なコメントが付くことがある。携帯向けクローラーがうざい。
QA
- Q: Ktai Style 経由で Contact Form 7 のフォームを表示させると文字化けしてしまうが、対策は。
A: 同じ画面内に戻ってくるのであれば Ktai Style 側で乗っ取りは可能だが、Contact Form 7 の方で対策してくれた方がいいかもしれない。後で相談。
プラグインの国際化実演
プラグイン Custom Smilies を Poedit でローカライズ。原文の対訳を文字列ごとに用意する。%s などの変数部分は改変しないほうがよい。面白そうだからプラグインを日本語化した。
ローカライズするにあたっては、実際に原語版で挙動を確認して Readme を読むのがポイント。たまにライセンスが GPL 以外のことがあるので注意。プラグインファイルのライセンスと、言語ファイルのライセンスは同じになる。Kinda mean, Lovey Dovey など訳が難しいものもある。
できた言語ファイルは、作者を持ち上げつつ、送っても良いか確認を取る。リリースは作者に送って同梱してもらうか、自分で公開するかは相談する。その WordPress プラグインを広める効果があるだけでなく、バックリンクが張られるため SEO としてもいいかもしれない。
WordPress コミュニティの主役を間近に見られるイベントだった WordCamp
ということで、日本で初めて行われた WordCamp、定員 60名で即日満席になってしまったということで、ブログサーバ WordPress の関心の高さがうかがわれます。
全 10セッション中の内訳は、いわゆるメーカーサイドからのプレゼンが Automattic , Mozilla, Adobe 社から計 3つ、WordPress ユーザーの立場からの事例紹介が 1つ、WordPress 全体のオーバービューが 1つ、残り 5つがプラグインの説明やテクニカル寄りなセッションでした。メジャーなプラグインの作者も多く、「どんな人たちが WordPress を盛り上げているのか」を間近に見られたという意味で貴重なイベントだったと思います。
日頃、ローカライズを仕事にしている立場からすると、日本語化のためのプラットフォームや環境が異なっても、問題点として共通している話題が多かったように思います。
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