折りたためるスマホ Galaxy Fold の話です。11月23日に商品入荷したと聞いてヨドバシカメラマルチメディア Akiba に行ってみたのですが、料金プランを決めたり契約手続きが一通りおわったところで、
店員1「では実機の確認をお願いします!」
いよいよ店頭で開封の儀か…ゴクリ…と店員が箱を開ける様子を固唾を飲んで見守っていた Nirecom は、おかしなことに気がつきました。
違和感その1:「テープを切ったあとがある…」
新品の外箱側面に 2箇所テープが貼られて封がされていて、それを店員が SIM を抜き差しするピンで切ろうとしているのですが、どう見ても事前にテープをカッターで切った形跡があるのです。
「キャリアモデルの場合って、事前に開けて作業をするのかもな」
と思い、いったんはスルーして開封を見守ります。外箱と白い蓋をあけると、ど新品の Galaxy Fold が出てきます。
店員1「本体に問題ないかご確認ください」
Nirecom「外側の包装フィルムは剥がしてもいいんですか」
店員1「大丈夫です。いずれにしても登録時に剥がしちゃいますので」
違和感その2:「ラップが剥がれかかってますね」
iPhone なんかもそうですが、フィルム (ラップ) で包んだ状態で、裏側を軽く両面テープのように止めてありますよね。それが 1箇所だけはがれています。しかも妙にホコリがついている…。
そして二つ折りの Galaxy Fold を開き電源ボタンを押したところ、今度は店員がおかしいですねと言い始めました。
違和感その3:「最初からセキュリティロックがかかり、中国語表示になっている」
店員が 3人ほど集まって何やら話し始めます。
Galaxy Fold のロック画面に顔のマークと日付が表示されて、パスワード入力欄が表示された状態になっています。
しかも日本の au で販売しているモデルなのに中国語だと…?
折りたたんでみるも、中国語の日付が表示されたまま。
店員1「私も開封直後に、やたら Fold 本体にホコリが多いなと思ってたんですよね実は…」
中国語が分かる店員2が呼ばれます。
店員1「これ訳してみてくれる?」
店員2「顔認証するか、パスワードを入力するように書いてありますね」
店員1「…….」
それの何が変なんだよと思われるかもしれませんが、よく考えてみてください。
新品を買ったはずなのに、誰かが先にロックしていて、店員も入れないというのです。おかしくありませんか?
正常であればこういう画面になる
ちなみにこれが、後日入手した時の正常な個体です。
Galaxy Fold ロゴが見開きがいっぱいに表示されて…
次に au ロゴが表示されます。ああ明るすぎて目が痛い。
受け取るか、待つか究極の二択
店員3に申し訳なさそうに言われたのは、
店員3「2つ方法がありお選びいただきたいのですが…..1つは au でこの端末をリセットすることはできるので、セットアップしてこのままお渡しすることです。もう 1つは、再度入荷をお待ちいただいて、別の新品をお受け取りいただくこともできます。どのようにされますか?」
Nirecom「入荷待ちということは、次にまたいつ入ってくるか分からないってことですよね?」
店員3「そうですね…発売日の初回入荷分でも最長 1ヶ月かかっていますので、最悪それくらいお待ちいただくことになるかもしれません。」
考えた末、やはり再入荷待ちすることにしました。
Nirecom「リセットすれば使えるのかもしれませんけど、最初からテープが切られて開封済だったほうが不審ですね。店員の方が事前作業のため開封した訳じゃないんですよね?」
店員3「それは無いですね。入荷分はお客様 1人ずつに紐付けられていますし、在庫を出せる者は限られていて、開封するのもお客様の前です」
Nirecom「だとするとありそうなのは、中国の工場で、出荷チェック手順に顔認証設定や画面ロックが含まれていて、テストマニュアルには『最後にリセットして工場出荷時の状態に戻すこと』と書いていたにも関わらず担当者が忘れてしまった、ですか。」
おりしもメーカーの SAMSUNG は中国での工場生産を打ち切ってベトナムにシフトするというニュースがあったのを思い出します。
Nirecom「だとしても封が切られているのは別問題ですね。誰かが試したものを手違いで在庫に戻した、だけでなく、例えば悪意のある人が root を取って何かをこの個体にインストールしていたりすると、知らずに使うと例えばパスワードが盗まれる可能性があります。」
店員1,3「そうですね…」
仕込まれるリスクは本当に怖い
数年前、GREE の社員だったときに中国に出張したことがあって、フリータイムに社会見学ということで、とある場所の山寨 (Shanzai)が本物に混じって売られているショッピングモールに連れて行ってもらいました。
(これはイメージ映像です。山寨とは限りませんので悪しからず)
山寨というのはスマホなどの偽物のことで、例えば iPhone に見えて、起動したら Android のドロイド君
が表示されるなど、なかなか怪しい品物が混じって売られています。廉価だけどブランドを誤認させる商品、というだけでなく、中には悪意のあるアプリケーションをインストールされた状態で出荷される場合もあるようです。
また仮想通貨の暗号鍵を格納するためのLedger Nano S の記事で触れましたが、在庫がないからといって正規代理店ではない業者から購入すると、偽サイトに誘導されて ERC20 トークンの生成に必要な 24個のキーワードを盗まれる、といったリスクがあります。
そんな下敷きが色々あり、たとえ正規な au ショップであってもセキュリティ的に異議のあるものは受け取れない、という懸念でした。
後日談
なおこの Galaxy Fold リベンジ版 2台目ですが、結論からいうと、なんと翌日 11月24日にもう連絡があり、受け取ることができました。
今度は未開封品でした。
昨日は、このテープがスパッと鋭利に切られていたという。
店員1「昨日はご迷惑をおかけしました。」
Nirecom「思ったより早かったですね? 1ヶ月待ちを覚悟していたんだけども」
店員1「入荷済の在庫で、たまたまお客様がキャンセルされた分が出たので、ご案内させていただきました。運がいいのか悪いのかですね…。」
みなさんも店頭でスマホが開封される瞬間はよく確認しましょう。
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