シビアな音ゲーに耐えられるヘッドホンを試した流れで、Bose が 10月28日に発売したワイヤレスヘッドホン QuietControl 30 を買ってみました。インナーイヤータイプで有線タイプの QuietComfort 20 と比べた音質の違いなど。
Bose QuietControl 30 は単独でノイズキャンセリング + Bluetooth ワイヤレス、という条件を満たす製品です。
発売が一度延期されて 10月28日初日。ヨドバシカメラ新宿マルチメディア館で夜 21:00 に最後の一個をゲットしたのは私です hehe.
耳に装着する部分は QuietComfort 20 (以下 QC20) と互換性がある、シリコン素材でできています。半月状の部分が耳介にうまく入り込んで、パッシブなノイズフィルターの役割を果たすと。
ただ、個体差かもしれませんが装着感は QC20 付属のチップが若干上です。QC20 だとまっすぐ耳にはめてもピタッと固定されて外れる気がしません。
QC30 だとまっすぐはめただけでは、首を振った時に右耳だけ外れそうになります。装着後、少し半月部分を後ろにひねるようにすると、定位置にかなり決まるようになるのを、今書いている時に発見しました 🙂
QC30 付属品は形状の見た目は変わりませんが、色が黒くなっていて全く同じものではなく、マイナーバージョンが違うのかもしれません。
装着感は良いが、衣ズレは残る
Apple Airpods が Earin 同様、左右の耳につけるユニットだけで完結していて非常にコンパクトなのに対して、QC30 では首にかけるネックバンド (通称「首輪」) がある分かさばります。
専用のキャリングケースが付属しており、作りはしっかりしていますが、当然 QC20 の方がネックバンドがないぶんコンパクトですね。
ただ首に対する装着感は悪くありません。付けているのを忘れて服を脱ごうとして引っかかるぐらいですね。 🙂
どちらかと言うと、QC20 / QC30 問わず太いケーブルが問題になるかもしれません。
QC20 の場合は、服に擦れる時の衣ずれ音が気になります。
QC30 でもまったくのケーブルレスというわけではありません。首輪と耳に装着するユニットをつなぐ短いケーブルがあって、首を動かすと、コートの襟などと擦れると。
先ほどの StayHear+ チップの外れる原因は、太いケーブルに引っ張られて暴れるから、という面もありそうです。
QC30 の重低音は強力だがやり過ぎ感も
肝心の音質について見てみましょう。
両者ともクオリティはかなり高いんですが、音質の味つけはかなり違います。
QC20 は比較的フラットに高音から低音まで出ている感じで、この音に慣れている私が QC30 を買って低音がボンボン出るのにびっくり。他の Bose 製品を知りませんが、他の方の評価を見ると、この低音が Bose 独特のものらしく。
低音の広がりは、そんなわけで 30 の方が圧倒的に良いんですが、曲によってそこまでの低音は要らないんじゃ? と思う局面もあります。
ペンタトニックスのボーカルを聴くと心にしみますが 🙂 J-POP やイージーリスニング系の曲はそんなにボンボン鳴らなくてもフラットでも良いよなあと。
QC20 らしい音に近づけるために、Apple 純正のミュージックアプリではイコライザ機能が使えますが、Google Play Music やゲームであるデレステに対しては無効です。
中〜高音 – 人の声と解像度ではやや差がある
中音域、高音域について言えば、QC20 より QC30 の方がごくわずか音の解像度が低い気がします。少し曇った音に聞こえるというか。有線と完全に同じにはできないというところなんでしょうか。
US Amazon.com レビューで、人の話し声がフィルターできないというコメントを見ましたが、確かに多少人の声は聞こえやすいセッティングになってはいます。電車のアナウンスと乗客の話し声、とくに女性の声は若干聞こえやすくなっている気がします。
おそらく危険を避けるためですかね。
QC20 も完全に声をシャットアウトしているのかというと、そんな事はないですね。QC30 よりは満遍なくキャンセリングできているが、ある程度モガモガ喋っているのは分かってしまいます。
どちらにしても、1週間も使っていると QC30 にも慣れてしまいますね 🙂
遅延はするが、揺れは大きくない
接続品質はとても優秀で、会社との行き帰りで 1週間使い倒しても、まったく切れません。なんにも言うことなし。
Bluetooth 最大のウィークポイントである遅延は?
デレステで確認してみると、タイミング調整値は 12〜22 と、電波状況によりかなり変わるという意味では、5000円以下で買える LBT-PAR500AV と大差ありません。
大きく優れているのは、レイテンシーの揺れが少ないこと。一曲プレイ直前にタイミング合わせした結果が +16 だったとすると、LBT-PAR500AV では大崩れして、曲の終了時に +22 ぐらい、EXPERT のノート 1個分ぐらいは余裕でズレることがあります。
これが QC30 では、曲の最後まで一定して +16 のまま終えることが 5割。残りの 5割は曲終了後に +17〜+18 つまり、ほんの少し遅れるぐらいです。
まあ優秀とはいえ、常に +0 でほとんどズレない lightning – 3.5mm アダプタ + QC20 と比べれば落ちるよねと。
結局 1曲ごとにタイミング調整が必要で、ただでさえシビアな EXPERT 曲が、途中で絵と音のズレを人間が察知して補正しなくてはならないという、無駄にマゾゲーと化すことには変わりないんです。
ノイズキャンセリングのレベル調整は必要か
QC30 では、リモコンにノイズキャンセリングのレベル調整がついていて、外界の音をどれくらい聞こえるようにするかが変えられます。従来の QC20 の aware モードに段階調節がついたと。
公道で車が来そうな時は、レベルを max から 1-2段階下げてみたり、コンビニなどで会話する時は半分以下に下げたりしますが、本当に必要かなという気もします。
耳から外せばいいし。
オススメだが、遅延の揺れを無くしてほしい
トータルで考えると、QuietControl 30 は Bose のノイズキャンセリング製品を持っていない人が買うには本当にオススメです。装着感もそこそこ良いし、このサイズでこの重低音なのかとびっくりすると思います。
音ゲーの高難易度曲も、タイミングさえ細かく調整すれば遊べなくはありません。Bluetooth でのクオリティもここまで来たかと思うと胸熱ですが、EXPERT でフルコンボを取りに行くような使い方では、素直に有線モデルの QuietComfort 20 で良いと思います。
Bluetooth ヘッドホンの中には apt-X や AAC といった、低遅延を売りにするコーデックをサポートしているものがあります。QC30 は AAC をサポートしているようです。遅延そのものが小さいほうがゲーム向きでもありますが、どちらかというと遅延の「揺れ」を無くすほうに進化して欲しいと思っています。
プレイアビリティに影響するので、バッファの長さをコロコロ変えないでってことですね。
「一ノ瀬志希」推しの 1プレイヤーがお送りしました。 🙂
私も今無線イヤホンにしたいけど音ゲーの遅延問題で困っているのでとても参考にさせてもらいました。ブログの日付からしばらく経っていますが何かイヤホン環境に変化はありましたか?それとも今も変わらずQC30がベストと感じる状況でしょうか。