この記事は、実は iPad Pro 9.7インチ + Smart Keyboard で電車の車内で書いています。物理的な強度やしっかり固定されるか、他社のキーボードと比較したキー配列やキーピッチなど、徹底的に比較してみたいと思います。
柔らかそうな素材、膝に置いて大丈夫?
キーボードをタイプする時は、上の写真のような状態。
電車の中でいかに快適にタイプするかについては、今までも散々試行錯誤してきました。iPad Air のオンスクリーンキーボードや、iPhone + リュウドの二つ折りキーボードは一長一短なのは、以前書いた通りです。
Smart Keyboard であれば二つ折りではないので、膝の上でのタイプもまあまあ可能。ただし、軽めにタイプすればの話です。仁礼の場合は、自宅のデスクトップPC 用に軽荷重 (30g) の東プレ製キーボードを使っているぐらいなので、とってもフェザータッチ。キーを押す力は最低限にしています。Smart Keyboard のファブリック自体の強度はかなりあるようですが、しなやかなのであって、強く押せばたわみます。
そんな磁力で大丈夫か?
iPad との固定についてはどうでしょうか。Smart Keyboard が iPad の左側面にある Smart Connecter と磁力でピタッとくっついているため、タイプ中に iPad が電車の振動でアオられて後ろに落ちた…なんて事故は今のところありません。キーボード部分を手で押さえていれば、基本的には大丈夫でしょう。
US 配列で外周には小型化のしわ寄せが
iOS のキーボードは知る限りみんなそうですが、キー配置は US 配列です。日本語配列じゃないと無理という方はここで脱落ですが、エンジニアであれば、2種類の配列ぐらいどちらにも対応できるようにしておきたいですね 🙂
キーピッチは標準より狭め。モバイルキーボードはだいたい小型化のために狭くなっているので、ありがちではあります。HP200LXに比べれば全然平気。
ただ外周のキーにはしわ寄せが来ています。例えば
- 左サイドの tab キー、”~” キー、右サイドのバックスペース (チルダ) キーが狭い (慣れでまあいける)
- 左下は地球儀マークキー。ここで English / 日本語入力モードの切り替えを行う (Windows 系キーボードの Ctrl キーみたいなもんだと思えば、まあなんとか)
- Control キー … 地球儀マークの一つ右側にある (多用するなら慣れが必要)
- カーソルキー … 左右は他のアルファベットと同じサイズだが、上下がタテに詰まっていて押しにくい
物理的なサイズ以外にも、地球儀キーを押して日本語入力モードにしたはずが、一文字めが英字入力になってしまうという問題が時々起きます。
サードパーティ製にも iOS 9 で致命的な問題が
ヨドバシカメラ新宿西口店に行くと、iPad 用のキーボードが大量に展示されており、ノート PC 代わりに入力用途にもタブレットを使おう、というニーズの高まりを感じることができます。
キーピッチの広さだけで言えば Smart Keyboard より広くて、固形樹脂の曲がらないしっかりした素材のものが沢山あります。Apple Store で税別 16,800円もする Smart Keyboard じゃなくて、もうサードパーティ製で良くね? と言いたくなりますが、結構落とし穴があるので注意が必要ですね。
- iOS 9 になってから English / 日本語入力のキーボード切り替えを行うショートカットが Cmd + スペースから Ctrl + スペースに変換された。Ctrl をキーを持たない Logicool Ultrathin Bluetooth キーボードのような製品の場合は、日本語切り替え自体ができなくなった。
- 同様に iOS 9 になってからサードパーティ製の地球儀キーが全滅した。Ctrl キーを搭載しているキーボードなら良いが、ない機種では日本語切り替え自体ができなくなった。
Anker iPad キーボードカバーとは一長一短
サードパーティー製キーボードの定番で Anker iPad キーボードカバーという Bluetooth キーボードを持っている方がいたので、比較させてもらいました。
この製品は地球儀キーはありませんが Ctrl キーはあるので、日本語入力に関してはセーフです。
Smart Keyboard は一見、折りたたみの都合で、サードパーティー製の「たたまない」タイプのキーボードと比較してタテに短い寸づまりのように見えますが、実際には数字キーからスペースバーの段まで、キートップ全段を合わせた縦幅はあまり変わらないことが分かります。
スペースの取り方には一長一短あり、Anker ではスペースバー、Ctrl, Cmd キーなど親指で押すキーの使いやすさを重視して場所を確保した代わりに、数字キーが犠牲になっています。対する Smart Keyboard では、数字キー〜スペースキーまで全段のキートップは同じ縦幅に統一しています。
禁断の US 配列で「かな入力」の世界
仁礼の場合は、変態チックなことに、会社の MacBook でもこの Smart Keyboard でも、US 配列でかつかな入力という、史上最大の暴挙に出ています。かな入力の場合は、数字キーの段にまでキーが割り振られているため、日本語入力に限定して言えば、Smart Keyboard の方が、50音全てのキーが大きさが揃っているためタイプしやすいんですよね。
ただ間違ってもお勧めはできません。MacBook のキーボードと、Smart Keyboard とでは、同じ US 配列に見えて、かなの位置が感覚的に少し狂います。
フォトスタンドモードはそんなに使わない
フォトスタンドモードというのもあります。
こちらはキーボードは背面にたたんでしまって、写真や動画を鑑賞するモード。
けっこう急な角度なので、このモードに関しては安定感の悪い場所では使いたくありません。
9.7インチ iPad Pro + シェルカバー + Smart Keyboard で重量は?
最後に、フルセットの重量ですが。
私は iPad をいまだかつて、裏面カバーなしで使ったことがありません。今回も速攻で Elecom シェルカバー TB-A16PV2CR を買ってきて取り付け。
iPad Pro 9.7インチ + シェルカバーの重量だと 524g.
これに Smart Keyboard を足すと 751g です。
Surface Pro 4 がキーボード装着時で、シェルカバーのような保護パーツをつけない素の状態で1058〜1078g に達することを考えると、ずいぶん軽量なソリューションだと言えますね。
まとめ: 「思ったより」Smart Keyboard 使い物になるんですよ
日本人大好き背面カバーをつけても 800g を切る重量で、Bluetooth ではなく直結で、レスポンスの速いキーボードつきタブレット環境。結構アリじゃないですかね。
大きさのためにキー配列を犠牲にしている箇所はあるものの、それはサードパーティ製でも同様で一長一短です。
どちらかというと、iOS の都合で日本語入力のためのキーをコロコロ変えるなど、日本語入力そのものに対して Apple がプライオリティ低い感さえ見直してくれれば、劇的に日本人ユーザにも iOS + キーボード環境が浸透するんじゃないかと思っています。
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