Nikon D4S と SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSM で「緑かぶり」を起こす件の続き。シグマカスタマーサポートで色々調べてもらいましたが、まさかの回答。

シグマ社では「再現しません」?

シグマはニコンと違って、サービスセンターが都内にありません。川崎にはあるのですが、そこまで行く時間もなく。あまり光学機器を宅配業者に任せたくないのですが、仕方なく送ることにしました。

前回の記事で書いたような、現場で撮影したポートレートや白背景で撮ったものなど、色かぶりが再現しているサンプルを、紙で添付して同梱します。

色々あって日数が経った後、紙ではなく画像データが必要だというのでメールで送り、さらに待つこと3日。

驚愕の回答が返ってきました。

「弊社にある、あらゆるニコンカメラで検証しましたが、お客様のレンズとの組み合わせで緑かぶりの現象は発生しませんでした。」

修理品 納品書: SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSM

「…..?? レンズには異常はないってことですか?」
「レンズを確認するかぎりでは、そのようになりますね…。写っている被写体の縁の部分が紫色や緑色に変色してしまうパープルフリンジとも違うようです」

軸上色収差とか、倍率色収差が異常に出ている状態なわけじゃないんですか?」
「色が出る場合は、物体の周囲などに出ますが、お客様の症状では、つねに決まった位置に偏って出るので、少し違うようですね。

弊社にある D4 でも、D4S でも、こんな事象は発生しないんです。それで、もしよろしければ、調査してみたいのでお客様の D4S 本体をお送りいただけないでしょうか?」

そうですかね? 根本的な疑問をぶつけてみます。

「D4S をですか? でもレンズのフォーカス位置が前ピン / 後ピンなんだったらまだしも、色かぶりは直せないでしょう? 時価 60万円前後のものを輸送のリスクを冒して御社に預けても、貴重なサンプルになるだけじゃないんですか?」

「お預かりしてみて現象を確認させていただいた後、本体側で修理が必要な場合は、状況を説明しつつ弊社からニコンさんにお送りさせていただきます」

最初、私は SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSM を送り返してもらい、D4S とともにニコンのサービスセンターに直接持ち込もうと考えていました。ただ、ニコンが他社のレンズをセットで受け取ってくれる確証がありません。

ここはレンズメーカー自身が、専門的に調べた結果とともに、直接ニコンとコミュニケーションしてもらう方が得策かもしれないな、と。

シグマ社員の立ち会いで目視確認

相当、私のケースは特殊だったらしく、代替機を持って、先方から直接会いに来てくれる徹底っぷりです。

シグマ社員と落ち合った後、その辺の白い壁に向かって一枚撮ってみて、再現することを見せます。

「…ああ、これは…。液晶プレビューで分かるぐらいはっきり症状が出てますね」

ようやく納得してもらえたか。

シグマ代替機と比べても、私の D4S の方がキズ一つない極上美品状態なことに驚きつつ、持参したエアーキャップで包んで去っていきました。

そりゃあねえ。

シグマ社員には説明しましたが、私の D4S 本体は 1年以上前に故障修理したことがあります。衝撃を与えたわけでもないのに、自然故障により液晶に Err (エラー) が表示され、撮影会のさなかにシャッターが突然切れなくなってしまったのです。

というと、どうせお前の不注意で衝撃加えたんじゃないの?と思われても仕方がないでしょうが、そうではないことが現物で確認いただけたのではないかと。

これが代替機と D4S とレンズです。シグマ社内での管理用と思われる、黄色いラベルが貼ってあります。

シグマ社からニコン D4S 代替品

つづく。