iTunes Match が話題になってはいるけれど、手持ち CD の取り込みが大半、Amazon MP3 ストアにも絶賛浮気中の私に費用対効果があるのか、という話。
CD から取り込んだ曲もクラウドに “預け” られる
GW 中に、Apple が日本でサービス開始した iTunes Match が多数の Web サイトで取り上げられていました。
年額 3,980円払うと、iPhone / iPad 等の手持ちミュージックライブラリ全体が iCloud に預けられるというサービス。
今までは iTunes を通して購入した楽曲は iPhone でも iPad でもシームレスに、つまり自動的に「ミュージック」アプリに表示されていて聴くことができていましたが、手持ちの CD からリッピングした曲は、母艦になる PC から iPhone にも iPad にも転送しないと聴けませんでした。
2度手間な上に、iPhone / iPad 両方で音楽データがなけなしのストレージ容量を食うことになっていたわけです。
iTunes Match を使うと、もとは CD からリッピングした曲であっても、iTunes Store で供給している曲であれば基本的に iCloud 上に登録されて供給されるというもの。Store で供給していなくても 25,000曲までなら iCloud 上にアップロードされ、他の曲と同様、自分の iPhone / iPad などから聴くことができるものです。
さらにメリットとして、ビットレートが 256Kbps 未満だった音質の悪い楽曲は、iTunes Store のものとマッチすると自動的に 256Kbps で聴けるようになるようです。
しかし年額 3,980円というのは決して安くはない金額です。
64GB iPhone の 1/4 が音楽な環境ではお得?
私の手持ち 64GB iPhone 5 上で、オーディオは 1,677曲 / 14.35GB を占めています。最大容量 57.08GB のうち実に 25% つまり 1/4 が音楽なわけです。
対して iPad Air は予算の都合で 16GB しかありません。音楽は割りきって iPhone でしか聴かないことにして、iPad にミュージックは一切転送しないことにしていました。
iTunes よりも Amazon MP3 ストア
ところが、近場に CD レンタルできる店が無くなった影響で、ネットからの楽曲購入の頻度がアップ。問題はどこから曲を購入するか。
iTunes で買うのが、曲を聴くまでの手間は最小で楽なのですが、それは今後も iPhone / iPad を使い続けたら、の話。今のところは Android に乗り換えたら聴けなくなります ((非公式ですが、Apple が Android 向けにも iTunes アプリを公開するという噂もあります)) 。
そのため、Amazon MP3 ストアで買える曲は買うようにしています。著作権保護 (DRM) のない mp3 ファイルで購入できるため、シェア争いで音楽再生のプラットフォームが将来何に変わろうがつぶしが利き、時代が変わっても再生が可能だからです。
その Amazon が提供しているのが Cloud Player です。購入した楽曲は mp3 として手元に保存しておけるだけでなく、アプリをインストールしておけば、スマホからも聴くことが可能なわけです。Android, iOS, Kindle, PC と対応している点では、対応範囲の広さは iTunes 以上です。
気がついたら 16GB iPad Air でも Amazon 購入分は音楽を片手間に聴く機会が増えています。Amazon ではまだまだ楽曲数が少ないのですが、ネット上で単品で 1曲を購入する手段としては徐々に iTunes の立場を脅かしていると思います。
ストレージ節約的に、iTunes Match の価格メリットは
iTunes Match を仁礼的に契約するとしたら、モチベは iPhone / iPad のストレージ容量を節約できること。iCloud 上に全曲のライブラリを置いておけるからです。ただし聴くには結局ダウンロードする必要はあるようで、いつも聴く曲のバリエーションが増えるにつれて、ストレージの容量を圧迫していく ((古くて再生回数の少ないものから削除する機能はあるらしい)) ことには変わりないようです。
iPhone は定期的に買い換えるとして、毎回 64GB モデルを買うというのはコスト高になります。32GB にできるなら、それに越したことはありません。実質負担額の価格差は au iPhone 5S の場合で 10,800円。他キャリアでもほとんど横並びです。1年に 1度 iPhone を新モデルに買い換えるのであれば 6,820円ずつの節約。
いや、ちょっと待てよ。
実際問題、iPhone 5 からiPhone 5S には買い替えませんでした。端末のお支払いが 2年に一度でも、iTunes Match は毎年 3,980円取られるのがミソで、2年間あたりの 64GB -> 32GB 節約のアドバンテージはたったの 2,840円 ((10,800円 – 3,980円 x 2年)) です。
CD 取り込みが大半なら、いい音が聴けるメリットも少ない
金額メリットがあまり無いとすると、あとは 256Kbps が聴けるメリット。
iTunes 上で自分のライブラリを確認してみましたが、256Kbps 未満なのはたったの 65曲。ライブラリ全体の 3.8% にすぎませんでした。しかも大半はどう考えても iTunes 上にはない曲ばかり。CD からリッピングした曲はもともとビットレート 256kbps (VBR) で記録しているため、ご利益なし。
というわけで、iTunes Match は様子見することにしました。
ガラパゴス価格が Win-Win を台無しにする
iTunes Match がメリットがあるのは、よく言われているように
- ネット上で拾ってきた 256Kbps 未満の音楽データを大量に持っている
- ミュージックですでに iOS デバイスのストレージが圧迫されている
人に限られそうです。Apple からすると、同じ曲の「名寄せ」によって、iTunes アカウントごとに別々に楽曲データを格納し大量にサーバ側容量を食う必要がなくなりつつ、膨大な楽曲リストを入手できて、今後のレコメンデーションサービス等に有効に使えるメリットがあります。楽曲の権利者に対しても、年額 3,980円のうちから利用料が支払われるのだと推測すると、三者それぞれにメリットがあるように見えます。
でもそんなに曲を持ち歩かなければいい話だったりするのも事実。CD を持っていても聴く頻度が低い曲は、iPhone への同期対象から外すことも可能。米国では 24.99ドルのこのサービス、日本でだけ 3,980円という微妙に高い価格は、JASRAC のせいなのか分かりませんが、ガラパゴス化するのは止めていただきたいものです。
節約した金で囲み撮影会に行おっと、アルバム CD の 1枚でも、物理的 or 電子的に買ったほうが良いのではないかと 🙂 逆に「持っていない」曲を定額制で聴くことができるサービス iTunes Radio や Spotify の日本上陸には、ある程度期待はしています。
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