レンズカメラとして事前にリークされていたソニーのサイバーショット DSC-QX10 / DSC-QX100 が 9月4日、正式に発表されました。ネコを例に、スナップ写真として偶然遭遇したものにこのカメラがどれくらい対応できるのかを考えてみます。

昭和記念公園: 歩いてくる猫
(写真は、D800E で撮ったイメージです)


DSC-QX10 / DSC-QX100 は円筒形で、デジタル一眼カメラのレンズ部分だけ。ボディ部分は無く、手持ちのスマホと WiFi で無線接続し、スマホ側の液晶画面をライブビュー画面として流用します。

前からデジタル一眼レフカメラ Nikon D800E のサブカメラを探してはいます。仁礼的な条件は以下の通り。

  • 用途は街角スナップ。D800E で人物撮影している時にも、サブカメラとして自由な画角で撮りたい。
  • D800E に迫る画質は不要。2000万画素あれば十分。
  • 絞り優先 / マニュアルモードを持っていること。

さすがにスナップ撮るのに、毎日 D800E + 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED = 1900g の素敵なオブジェを満員電車に乗せるのもスパルタンすぎます。

激安購入した Nikon J1 もありますが、これはアート & QA チーム共用品。設定を「おまかせシーン」モード -> 「絞り優先」モードに変更しただけでブーイングが出ます。 :mrgreen:

Nikon D800E: AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED Nikon J1 + 標準ズーム 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6

検討していた矢先に DSC-QX10 / DSC-QX100 のニュースが。

DSC-QX10 は 1/2.3型センサ搭載で、センサーは小さいですが 105g で 10倍ズーム。
DSC-QX100 は 1型センサ搭載で、カールツァイスレンズ搭載。DSC-RX100M2 と同等。179g で 3.6倍ズーム。

面白いグッズには目がないので、こんなシナリオで使えるか考えてみました。
あくまで 9月10日時点での記事をベースに推測したものですので、信頼性は保証しかねます。

DSC-QX10 / QX100 + iPhone をカバンにしまってブラブラ歩いているときに、ネコを発見したとします。Youtube 動画にも出てきますが、突然ふってわいたシャッターチャンスを、DSC-QX10 / QX100 は本当にモノにできるのか。

昭和記念公園: 座っている猫

「レンズ」と「ボディ」の取り付けに 15秒

まず DSC-QX10 / QX100 と、スマホを、おそらく別々の場所からジャラジャラと取り出します。
丸い筒なので、天地がどちらなのか一瞬とまどいます。

物理的に同梱アタッチメント、つまり幅が伸縮自在のノギス状態で、スマホの長辺に取り付けます。落ちては困るので、しっかり取り付け確認。

横位置なら良いんですが、縦位置で撮りたいときはどうするのでしょう。スマホ立てた状態でもガッシリ自重を支えられれば良いですが、QX10 / QX100 が滑り落ちて阿鼻叫喚のおそれがあります。過信は禁物でしょう。

Xperia Z/Z1 との組み合わせでは、QX10 / QX100 をねじってハメられる専用ジャケットがついているようなので、これならある程度安心できそうです。

私の iPhone 5 はソフトケースでした。挟むとグニャグニャして怖いです。メーカーとしては、ケースを外すことを推奨しているようですが、iPhone 本体を擦り傷だらけにしたくはありません

カメラとして使えるのに 15秒以上

そしてペアリング。Android 機なら NFC でワンタッチペアリングでき、PlayMemories Mobile アプリが起動するそうですが、それでもタッチしてから接続されるのに 15秒かかります。

iPhone 5 には NFC が搭載されていません。かつて 5 のリリース前に NFC 搭載 / 非搭載両方のモックアップがリークされており、一度見送られたようなので、9月10日に発表されると言われる iPhone 5S には搭載されていて、それをソニーは知っているのかもしれません。

NFC 非搭載の機種は、Wi-Fi の SSID とパスワードを事前に入力しておくからそれは良いと。アプリを起動すると、無線 LAN に再接続される仕様のようです…が、つながらない。無線 LAN が混雑していると、接続できないことがあるようです。

NFC 非搭載機種だと、25秒ぐらいはかかりそうですね。

出遅れるライブビュー

カメラアプリが起動し、タッチすればシャッターが切れる準備がやっと整ったとします。

カメラを振ってネコを画角に収めようとしますが、スマホに表示されるライブビュー画像は一瞬遅れるため、足を引っ張られます。

ええいとシャッターボタンをタッチしますが、1枚ずつ Wi-Fi でプレビュー画像を転送してくるため、連写は効きません。一発勝負です。撮った画像は生データではなく「2M 相当にリサイズされた画像」がスマホに転送されてくるようですが、それでもディレイはあるようです。

ローアングル撮影を試そうと、スマホから QX10 / QX100 を分離し、手持ちで撮影を試みます。が、慣れないので傾いていたり、QX10 / QX100 側のシャッターボタンを押した瞬間に手ブレしたり、となかなか難しいはずです。

結局、間に合わないか、ブレた画像が数枚撮れただけになりそう。

なお絞り優先モードは搭載していますが、さすがにマニュアル撮影モードは無し、ISO やホワイトバランスの設定もできないようです。

自由な角度から撮れることを活かしたほうが良いかもしれない

スナップ写真を撮りたくなる例としてネコを挙げてみましたが、要はとっさのシャッターチャンス、しかも動いている物体に QX10 / QX100 を使うのは、準備時間がかかりすぎて難しそうです。素直にコンデジかミラーレスを買ったほうがいいかもしれません。

一眼カメラの中には、バリアングルモニターを搭載して、ローアングル / ハイアングルから撮れる機種がありますが、それと同様に自由な角度からカメラを向けられる魅力はありそうです。GoPro HERO3 のようなアクション向け小型カメラと同じような用途にも使えそうですが、円筒形なのがアダになって、ヘルメットやバイクに固定するのが大変な可能性はあります。