8月20日に発売開始が予定されている iPhone 5s. CPU も指紋認証もカメラもそんなに凄くなったわけではないけれど、800MHz LTE サポートだけは au iPhone 5 ユーザとして期待せざるを得ない。でもデータ通信速度の改善への道のりは長いという話。
CPU も指紋認証もカメラも、買い替え需要としては弱い
アップルの発表後、翌朝の TV では「指紋認証とカメラがすごい」という枕ことばで iPhone 5s を紹介していましたが、どうにもメッセージとしては弱いですね。
64ビット A7 CPU になってやることが Infinity Blade III のような 3D アクションゲーだと、訴求する層が限られます。
指紋認証 (Touch ID) 自体はパスワードによる本人認証が終焉を迎えつつある中では、スマホの正常進化上にあるものだとは思います。でも買い替えを喚起するほどではありません。私が密かに日課としている Klab の某リズムゲーの 第11ボタンになっていて、指紋登録した指を使い分けないとダメとか、斜め上をいく展開をお願いします。
カメラ。5 で焼き鳥のヨダレ滴るジューシー感は十分撮れますし、逆にモデル撮影会で iPhone 出して撮ってる勇者は見たことがありません。
センサーサイズが iPhone 5 比 15% 増しになったからといって、デジタル一眼の DX (ニコンの APS-C) と FX (35mm フルサイズ) と大きさ比較すると、差は歴然。
あぁ、iPhone 本体のカメラが進歩したことで、DSC-QX10 を買う理由は薄れたかもしれませんね。
iPhone 5s で au の 800MHz は本当に対応するのか
それより何より、現在 au iPhone 5 ユーザーの仁礼家として最大の関心事は、800MHz LTE に今度こそ対応するらしいという話。
前回 iPhone 5 が発売される際、800MHz に対応するという噂は少なからずありました。au KDDI のカタログにも確かに「4G LTE (iPhone 5 含む)対応機種なら (中略) 実人口カバー率 96% に急速拡大」と書かれており、総務省から指導、消費庁から景表法違反で措置命令を受けるインシデントもありました。
iPhone 5 時点で実際、Band 5 (850MHz) であればサポートしていたので、800MHz 対応も別にできなくは無かったはずですが、日本の旧 800MHz 帯はテレビへの混信を避けるため、送受信周波数が上下逆で、このガラパゴス仕様にクアルコム (Qualcomm) 社の LTE チップが対応していなかったらしく。
テレビ業界と総務省と KDDI とアップルと Qualcomm が、お互いに俺は悪くないと罵りあっている間に、ボールはポテッと一二塁間に落ちました的な状態なんでしょうかと。現 au ユーザーとしては、遺憾の意を隠せないわけです。
今回 iPhone 5s はどうか。アップル本社での発表イベント後、KDDI 田中社長が満面の笑みで 800MHz 対応を認めているので、経営陣レベルの認識では「今回は大丈夫」なのだと思います。KDDI とアップルとクアルコムのエンジニアが、英語でしゃべっていてお互いに重大な勘違いをしていなければ。
「○問題」「パケ詰まり」…800MHz 対応だけじゃないハードル
よしんば au の 800MHz 帯 (Band 18) と DoCoMo の 800MHz 帯 (Band 19) に確かに対応していて疎通ができていたとしても、iPhone 5 よりも通信環境が改善された、と言えるためには多くのハードルがあります。
例えば「○問題」(マルもんだい)。iPhone のアンテナ表示の右側に「KDDI 3G」「KDDI LTE」などとキャリア名 + 通信モードが表示されていますが、
これが「KDDI ○」と表示されると著しく通信パフォーマンスが低下します。まったくデータ通信が不可能なのではなく、CDMA 1x (144Kbps) というそんな昔もあったよね的な遅い通信速度にフォールバックしているためです。京王線でよく遭遇します。
*5050 に電話をかけて、PRL (ローミング情報) のバージョンを最新版にすれば改善される、と言いますが、体感でちっとも改善していません。
「パケ詰まり」の問題もありますね。クアルコムチップにバグ説がありますが、LTE 的な問題だけでなく、KDDI の基幹回線を通ってインターネットに出て行く部分で、IP 的に十分なスループットを確保できない可能性もあります。
au KDDI はカラー的に決して嫌いではなく、仁礼家的には、W54S の頃から通信事業者として au を使っている期間が長いのも事実。ドコモが iPhone 5s 発売に今度こそ着手するなか、各種の通信ボトルネックを解消して、見事存在感を見せつけてほしいものです。
既存 iPhone 5 ユーザーへの優待乗り換えプログラムも、よろしくお願いしますね 🙂
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