2本目の三脚には軽さもチャラさも要らないんです。

ベルボン E645M 雲台 PHD-65Q

ベルボン E645M にとっての最悪のシナリオ

今持っている三脚は、上の画像のようなベルボン ジオ・カルマーニュ (Geo Carmagne) E645M ですが、載せるカメラがニコン D800E の場合、推奨積載重量を超えていないのに画像がブレることがあります。それもシャッタースピードによってブレることがある、画像を拡大してみないと分かりにくい、という厄介なものです。

しばらく人物撮影やスナップ写真メインだったので、三脚の出番はなかったのですが、ついに揺れる三脚問題にブチ当たる時がやってきました。

それは…..打ち上げ花火です。

花火撮影は特殊で、数秒間シャッターを開きっぱなしにする必要があります。が吹いても三脚は揺れるし、お祭りですから、三脚のそばを人が歩くと揺れます。橋の上も構造によっては揺れます。

1/125秒~1/1000秒であれば今の三脚 E645M で問題がなくても、シャッター時間が長くなることで揺れのリスクは増大するわけです。

実際に、8月10日に行われた第25回東京湾大華火祭で橋の上から狙ってみましたが、一部の写真には、花火の光跡にビブラートがかかったような揺れが認められました。撮った枚数の 9% が該当していて、無視できない割合です。

花火: カメラぶれ 花火: カメラブレ 2

これはいかん。新 Nexus 7 タッチパネル不具合ふむふむ、と物色している場合じゃありませんでした。

三脚です。次回の花火までに買うのです。

条件は以下の通り。

  • 花火の長時間露光で揺れない
  • 電車で持ち運べる
  • E645M は手放さない。使い分け
  • 予算は抑えめ

SLIK 924FL 買うんじゃなかったのか?

今まで注目していたしていた三脚は、CP+ で参考出品された SLIK 924FL でした。

ただパイプ径 32mm が仇になって、格納時の長さがベルボン E645M と同様 645mm なのに、設置すると 276mm ~ 315mm 程度低くなってしまいます。それはハスキーショート 4段もほぼ同じなのですが、ハスキーショート 4段より軽くて、E645M より低い三脚に 7万円強 ((実売価格)) を投じるのはやや疑問が残ります。

E645M は決して悪い三脚ではなく、通常の昼間撮影なら「共振」するシャッタースピードを避ければ大丈夫なので、これはこれで手放すつもりはありません。

だったら、長時間露光のための勝負三脚と割りきって重くてもいいから、定番を買おうと。

そこで、幾度となく検討した超定番ハスキー三脚シリーズから選ぶことにしました。この三脚、1960年代に登場して現代まで、プロカメラマンの教科書的な定番として知られています。もともとはクイックセット (QUICK-SET) 社の製品。現在は日本のトヨ商事が販売し、サポートを行っているようです。

帯に短しショート 4段、タスキに長しハスキー 4段

E645M, 924FL, ハスキー三脚の比較です。

ショート 4段 ロング 3段 ロング 4段
Velbon
E645M
SLIK
924 FL
HUSKY 3段
(一体型)
#1003
HUSKY 3段
(分離型)
#1033 ((太ネジタイプ)) + #1504 ((ヘッド))
HUSKY 4段
(一体型)
#1004
全高 (エレベータ上げ) 1,680mm 1,365mm 2,060mm 2,810mm
全高 (エレベータ下げ) 1,376mm 1,100mm 1,930mm 2,440mm
地上最低高 233mm 305mm 開脚不可
格納時 565mm 565mm 770mm 820mm
重量 2,020g 2,870g 3,700g 3,800g 4,200g
定価 71,190円 102,000円 69,300円 76,650円 79,800円
実売価格 ((2013/8/16 価格.com 調べ、最安価格)) 39,410円 71,477円 48,500円 57,300円 63,840円

3段とか 4段とかいうのは、伸ばし縮めする脚の段数で、基本は 3段。

  • 4段にすれば高さが稼げますが、パーツが増えるので重くなるし、強度が下がる
  • ショート4段にすると、コンパクトになりますが、強度が下がる

とメリット・デメリットがあります。

4段は、大は小を兼ねるともいいますが、主に鉄道写真をフェンス越しで狙いたいとか、撮影ポイントに鉄ちゃんがひしめいているので、後ろから高い三脚で狙いたい時のためのもの。実際に鉄道写真の講座も受けてみましたが、私にはメカは好きだが鉄分は多くないらしいので、まずは基本の 3段と。

ヘッドを分離するか、最初に決めなくてはダメ

ハスキー三脚には、ヘッドと脚が一体型で外せないタイプと、分離型の 2ラインナップがあります。

全機種共通に取り付けられているハスキー 3D ヘッド #1504/#1505 は非常に定評があり、ハスキー三脚の良さはヘッドで決まっている、という噂もあります。

将来的に三脚を買い増し (ゲフンゲフン) した際に、脚だけ買って、ヘッドを使いまわすことができれば、安定性とコストメリットの両方が享受できるかなと。

ということで、ここでは割高 / 100g 重くなるのですが、それでも 4段や 924FL より安いので、あえて分離型のハスキー 3段に決定しました。

なお分離型にはさらに、太ネジ (UNC 3/8 インチ) と細ネジ (UNC 1/4 インチ) がありますが、将来的に買おうと思っている三脚のインターフェースを考えて、太ネジとしました。

この三脚、実は今日 8月17日が初陣だったりします。

いやーしかしもともと 2kg の三脚持ち歩いていたとはいえ、さらに 2kg 近く持って歩くことに。風景写真は体力ですね

フォトレビューなどは次回。