ニコンカレッジの D800 専門講座の続きです。曇り / 雨の日に紅葉を美しく見せるホワイトバランスと、実際に提出した作品。

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ホワイトバランスはただの「曇天」ではない

当日の天気は、あいにく曇のち雨。最初の撮影ポイントに到着した時点では、どうにか曇り。
萩原先生から、到着前にホワイトバランスの設定について案内されます。
「このお天気であれば、ホワイトバランスは “曇天” がいいと思いますが、紅葉の色をキレイに出すために Blue 側に1目盛り移動させることをお勧めします」

D800: ホワイトバランス: 曇天 B-1

うおお、単純な曇り設定だけでなく、色修正を入れてくるところがさすがに細かい。
紅葉だったら何でもかんでも B-1 という意味ではないと思いますが。

提出作品はこんな感じです

というわけで、今回撮って、3度目の授業で提出した作品です。

1枚目

吾妻渓谷: 支流
(D800: 24-70mm f/2.8G, 70mm F5.6 1/400sec EV-1.7 ISO1600 WB曇天-B1)

橋の上から川沿いの紅葉を撮ったものです。まず、画面上の空間は要らないので切り詰めたほうが良いとの指摘。

水流の力強さを出すためにシャッタースピードを上げたいのですが、曇天で ISO 100 では流れを止められないため、ガッと ISO 1600 まで上げました。D800 でノイズが目立ちにくい限界の ISO 値 ((他の方の作品では ISO 800 でもノイズ荒れを指摘されていたので、ケースバイケースかもしれません)) で、高感度ノイズは幸いあまり見られないようです。先生的にも、ここでの ISO 1600 は成功していると。

ロケーションは高い橋の上で、本当は橋に直行して川が流れています。王道で、その川と両側の紅葉を撮った人が何割か。

吾妻渓谷: 本流: 左側 吾妻渓谷: 本流: 右側

“支流” 派の人は他にも何人かいましたが、その場合でもフレーム右外に赤い紅葉が目立っていて、それをコミで撮られた方が仁礼以外全員。

私の場合は、赤い花より水流の力強さや、「く」の字に曲がった部分にある倒木の力強さに惹かれたので、派手な赤を外したのが意外だったらしく、一定の評価を受けました。仁礼家でのウケは良かったです。

2枚目

赤い紅葉の中で、割と平面的に、枝が右から左へ、左へ伸びていく感じを撮ってみました。先生の講評では「一番上の枝のカーブを完全に入れた方が良い」とのこと。確かにおっしゃるとおりです。

吾妻渓谷: 並行に走る枝: D800: 24-70mm f/2.8G 44mm F8 1/6sec EV-1.0 ISO100 WB曇天-B1
(D800: 24-70mm f/2.8G, 44mm F8 1/6sec EV-1.0 ISO100 WB曇天-B1)

3枚目

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ではこれという写真が撮れなかったので、バスに 1回もどって 70-200mm に変更。

吾妻渓谷: 靄のかかった山: D800: 70-200mm f/2.8G 70mm F8 1/4sec EV0 ISO100 WB曇天-B1
(D800: 70-200mm f/2.8G, 70mm F8 1/4sec EV0 ISO100 WB曇天-B1)

空をもっと切っても良いと言われました。山や木のカーブやバランスは取れていると。

実はこれを撮影した時点ではボロボロ雨が降っており、山の谷あいに霧が流れている様子を撮ったもの。霧にこだわって撮っている方の写真は、「いかにも」な感じの安定した絵でした。

先生の総評

3枚通して、全体にきゅうくつな構図が多い。悪いことではなく、緊張感のある構図にしたい場合は有効。というのが先生の講評。たしかに動画撮影のほうが歴史が長いので、何でもかんでも見せたいものにスーパーズーム!してしまう傾向があるのは、私の改善点でしょうね。

ともかく、天気が悪化しすぎ、防滴でも機材が予定より早く撮影時間を切り上げて撤収になりました。発車後、カメラをメンテするブロワーのシュコシュコ音が聞こえた後、全員爆睡。

しかもバスが帰りに渋滞して、結局 JR 新宿駅に到着したのは 18時30分ではなく、21時頃。ただバス手配の都合上か、1人あたりバスの 2席がたっぷり割り当てられたため、車内は快適でした。席はいつもこんなに広いわけではないとのこと 🙂 。

教訓: 風景写真は体力。

なおこの講座の様子は、デジタルカメラマガジン2013年1月号にも載っています。
微妙に仁礼も写っていたり。