日本時間 9月13日 2時からのイベントで、アップルの新製品 iPhone 5 が発表されました。他社片手スマホとの比較、縦長にしたメリットとか、ケースがツートンカラーになった理由について、つれづれなるままに。

iPhone が毎年発表される時期は決まっているが…

iPhone は年に 1回ペースぐらいで発表されています。iPhone 3, 3G, 4 は 6月の WWDC ((WorldWide Developers Conference)) で、iPhone 4s は 10月のイベントで発表。今年 WWDC 2012 では発表されなかったため、焦らされた格好になっていましたが、新製品発表イベントの開催日 ((時差の関係で、現地では 12日)) 「12」のロゴから伸びる影が “5” に見えるところから一気に iPhone 5 発表を心待ちにする機運が最高潮に。

いつも時差の関係で日本時間の深夜に発表が行われるため、例年は翌日の出社に備えてしぶしぶ寝なくてはいけなかったのですが、今年はきっちり休暇を取得済 🙂 Ustream で発表待ちのライブ中継を行なっているチャンネルやら、Gizmodo のイベントリアルタイム更新の記事やら見ながら、深夜まで起きていました。

「片手クラス」スマホと比較しても、軽く薄く

とりあえず手持ちの iPhone 4 やら、8月に購入したばかりの Xperia GX SO-04D やら、片手で持てるサイズのスマホと比較してみます。

iPhone 5 iPhone 4S iPhone 4 Xperia GX SO-04D
CPU Apple A6
quad core
Apple A5
dual core 800MHz
Apple A4
1GHz
Qualcomm Snapdragon S4
MSM8960 1.5GHz dual core
サイズ H 123.8mm x W 58.6mm x D 7.6mm H 115.2mm x W 58.6mm x D 9.3mm H 115.2mm x W 58.6mm x D 9.3mm H 131mm x W 69mm x D 10.5mm~11.6mm
重量 112g 140g 137g 127g
ピクセル数 640 x 1136
(1:1.775)
640 x 960
(1:1.5)
640 x 960
(1:1.5)
720 x 1280
(1:1.777)
ディスプレイサイズ 4インチ 3.5インチ 89mm 3.5インチ 89mm 4.6インチ
dpi 326dpi 326dpi 326dpi 319.3dpi

8.6mm 長く、1.7mm 薄く、28g 軽く、CPU は 4s の自称 2倍速くなったようです。

画素数が増えた分、単純にアイコンが 1列余分にスペースが生まれたり、カレンダーの横画面で 1日分余分に予定が表示できたりといったご利益は大きそうです。

縦横比は「ワイドサイズ」のコンテンツ向きに

このクラスでは iPhone 4(s) より Xperia GX SO-04D の方が画面が広くてブラウジングしやすいため、微妙に Xperia GX に浮気していましたが、再び iPhone に軍配が上がりそうです。もともとフォントは iPhone の方が見やすいし。

画素数のアスペクト比 (縦横比) も、最近の片手クラスでは 9:16 (1:1.77) にする傾向があります。Xperia GX SO-04D, Galaxy S III ともに 1280 x 700 です。16:9 ワイドクラスの映画作品やハイビジョン映像などが、タテヨコが途切れることなく、無理なくフルサイズで見られる縦横比ですね。

競合機種のアスペクト比に合わせつつ、縦長になっても入力のしやすさは変わらないとアピールしつつ、かつ CPU 高速化し、液晶が大型になった分、バッテリー容量もアップしてバランスは良さそうです。

色にこだわるアップルが、なぜに背面ツートン?

微妙にいただけないのは、背面がツートンカラーになってしまったこと。別に白黒ツートンという意味ではありませんが、裏返すと上下がガラス、中央の面積の大半がアルミ製になっており、「ガラス – アルミ – ガラス」の境目で、同じブラックでも微妙に色味が違うのです。

以前、アップルと思わる発注元が、日本のプリント基板材料メーカー「タムラ製作所」に iPad 用の黒いフレキシブル基板の大量発注を行ったことがあるらしく、そこでも発注元からかなり色味に対する注文がついた…という記事を読んだことがあります。

そこまで色にこだわっても、素材の質感から来る色味の違いまでは埋めきれないと思いますが、それでもツートンにしたのはやむを得ない理由があるかもしれません。

ツートンカラーにするしかなかった理由は「電波」?

iPhone 4 では「デスグリップ問題」、つまり本体の周囲を囲むように指でグッと握ってしまうとアンテナ感度が落ちる問題がありました。外側を金属導体にして、アンテナの役目を持たせようとしたのが、見た目はカッコいいけど運の尽き。

iPhone 5 ではデスグリップは避けたいのは当然のこと。iPhone 4S で取り扱う電波以外に、

  • 高速通信規格 LTE に対応させるため、2.1GHz 帯の電波
  • 無線 LAN では最大 150Mbps の IEEE802.11n に対応するため、5GHz 帯の電波

と、いかにも減衰しやすい高周波を通す必要があり、手でどう握られても大丈夫な不導体のカバーとして、上下に曲面ガラス部分を儲け、全面ガラスだと重くて仕方ないから、軽量化のため中央部分はアルミにしたのではないかと、勝手に考えています。

でも、上下がガラスで真ん中がアルミの筺体って…ポケットに入れたときに曲がったり、ひねりに弱かったりしそうですね。

あ、強度面では Xperia GX も同じか。

NFC は見切られたのか

他にも国際版「おサイフケータイ」機能である NFC に対応するモデルもあったはずだけど、止めたのは クーポンアプリ Passbook があるから別に要らない、という理由だけでもないんじゃないか、とか色々気になるところもありますが、時間切れなのでこの辺で。