仮想化ハイパーバイザー VMware ESXi 4 から ESXi 5 に変更した際に、今まで使用していた Host Update Utility でパッチが当てられなくなった話。前にどさくさで書き損なった話シリーズです。


ローエンドサーバ環境では、あまり強化されたように見えない ESXi 5

Nire.Com の WordPress サーバやら、自宅内の Active Directory サーバやらはそれぞれ独立したハードウェアがあるわけではなく、仮想化されていて、VMware ESXi という仮想化ハイパーバイザー上で動作しています。

その ESXi のメジャーバージョンを、ESXi 4 から ESXi 5 にアップデートから数ヶ月経ちます。新しくすればよりパフォーマンスが上がり、管理 UI がむだにごてごてして便利な機能もそうでない機能も追加…という気がしますが、ESXi 5 に関してはそうでもありません。

パフォーマンス面では、Intel HT (Hyper Threading) Technology へのチューニングが行われ高速化、とあります。仁礼家のお下がりシステムにより、かつてのゲーミング用 Core i7 860のなれの果てが今では ESXi サーバとして有効活用されていますが、この程度のなんちゃってハイパーバイザー上で、仮想化サーバを 4台同時起動させたぐらいでは体感的なパフォーマンス改善が見られない気がします。

GUI ベースの Host Update ができなくなった

管理面では、バージョン 4 世代では VMware ESX 4 と VMware ESXi 4 の 2つがあり、有償版の VMware ESX 4 には存在していたサービスコンソールが排除され、VMware ESXi に一本化されました。まあそもそも自宅鯖ですので、無償版の VMware ESXi 4 でも十分と言えば十分でした。

が、それ以外にひそかに削られたサポートがあります。VMware Host Update Utility です。

こいつは Windows でいう Windows Update のようなもの。VMware ESXi では、ハイパーバイザーをコンパクトにし、外からの侵入を防ぐというメリットがありますが、それでもバグフィックスや脆弱性に対するアップデートは定期的に必要になります。しかしハイパーバイザー単体ではアップデートできません。他の PC に VMware Host Update Utility をインストールし、適用できるパッチがあるかどうかを自動的にサーバに問合せ、あれば [パッチのスキャン] ボタン一発 ((正確には、事前にすべての仮想マシンをシャットダウンしメンテナンスモードに移行する必要がある)) でアップデートしてくれます。

ところが、ESXi 4 までは使用できていたこのユーティリティ、やおら ESXi 5 ハイパーバイザーに対して使おうとすると

このバージョンのホストに対するパッチ処理は、vSphere Host Update Utility ではサポートしません。

つれない返事が。

実は VMware vSphere というスイートの中には、Update Manager という GUI ベースのツールがあるにはあります。

しかしこのツール、60日間無償ダウンロードは可能なものの、有償になっているようです。

八方ふさがりかというと、vCLI を使用しコマンドラインでパッチ適用する方法があるにはあります。

つづく。