Interop Tokyo 2011 で行われた講演、「ケーブル技術の展望 〜次世代Android STBへの期待〜」 (S-05) の講演メモです。
Speaker: 一般社団法人 日本ケーブルラボ 専務理事 松本 修一氏
- ケーブルテレビ 1956年から 50年の歴史
- 1990年代 … 難視聴地域への配信ではなく、通信の世界に進出
- ボンディングや多値化により 100Mbps 以上の回線速度を達成
- コミュニティチャンネル, 地域に根差したイメージ, 自治体との連携
- ケーブルテレビ事業者数 約500事業者 as of 2009/9
- 総ホームパス数 4,493万世帯
- 総接続世帯数 2,400万世帯
- インターネット接続契約世帯数 475万世帯
- 日本の総世帯数 5,287万世帯
- FTTH の躍進に対して CATV は微増、xDSL 激減
- フレッツテレビ 60万加入、ひかりTV 140万加入 … 伸びると言われている
- ホームパス … アメリカ 127百万 (98%), 日本 44.9百万 (88.5%)
- 売り上げ … アメリカ 863億ドル, 日本 7399億円。日本は 1桁少ない
- 米国ケーブルテレビ … Analog Video はサチって減ってきている
- ケーブルテレビによる (主に中小企業向け) 企業向けサービスが年 20% の伸び。
- Over The Top … VoD ではない。Time-shift, Space-shift (家、外、車), Format-shift (TV, PC, Mobile)
- 多チャンネル動画時代の終焉 … 200ch 以上は競合上無意味
- インターネット TV、動画配信にこのままではケーブルをタダ乗りされてしまう
- コンテンツは、CATV 業者が用意した専用 STB を使わないと伝送させないアプローチ
- 次世代 STB … ハードウェア共通化, ソフトウェア共有による低コスト化
- TV、電話、インターネット、モバイルによる Quadraple サービス
- DLNA によるリモート視聴と携帯とのアプリ連携
- ケーブル網, HTML5, Android アプリ, WiFi
- DLNA 1.5 (DTCP-IP), Wi-Fi router, IPv6 (DOCSIS3.0), HTML5 に対応
- 今までは事業者数ごとに別々の STB だったが、プラットフォームを統一
- スマートフォンとの違い … QoE, QoS
- DLNA 1.5 … M-DMC, DMS, M-DMPr, M-DMC, M-DMD
どれだけオープンにできるか CATV
もともと Akamai / Juniper あたりの基調講演に期待して聴講した Interop カンファレンスでしたが、実際はこのセッションが一番聞き応えがありました。
次世代 STB コンセプトはかなり野心的なものだと思います。
ただ、その STB を使わないと、オープンな動画サイトなどによってコンテンツ配信をさせないというくだりは、やや気になりますね。
CATV が提供するインターネット接続サービスには、NAT による制限がつきまとったりして、どことなくオープンでないイメージがつきまといますが、そうした精神性が今回の「Android というオープンな技術を使用しているはずの」次世代 STB にも反映されてしまうのではないか、という危惧を持ちました。
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