MMORPG の 2PC 用プレイ用 PC 製作編。Sandy Bridge 世代の CPU / マザボチップセットの比較、そして nVidia / AMD Radeon シリーズのグラボどうしの比較をした上でパーツを絞り込んでいきます。

CPU は Core i7-2600K 一択

ゲーミング PC は上を見るとキリがないので、ご予算は高くても 15万円程度とします。

Sandy Bridge 世代の Intel CPU には Core i7-2600K, i7-2600, i5-2500K, i5-2500S, i5-2500… とあるのですが、最上位の Core i7-2600K でも 29,000円 (3月末現在。5月現在では 27,000円程度) と、ゲーミング PC の CPU として高額ではありません。

Sandy Bridge で特徴的なのは、モデルによって内蔵グラフィックスが利用できることです。お下がりシステムとしては、外付けグラボ外してサーバ用 / カジュアルデスクトップ用として使えるのは大きいので、Core i7-2600 ではなく、もっともハイエンドな Core i7-2600K をチョイスします。

ちなみにお約束で、Sandy Bridge と、現在稼働中のCore i7 940を含む Nehalem 世代と、Core i7 860を含む Lynnfield 世代とをそれぞれ比較してみたものがこちら。

CPU コードネーム パッケージ 発売時期 コア数 /
スレッド数
メモリ上限 / 枚数 内蔵 GPU
第二世代 Core i7-2600K Sandy Bridge LGA1155 2011年1月 4 / 8 DDR3-1333 x 2枚単位 HD3000
第二世代 Core i7-2600 HD2000
「旧」 Core i7
975, 965, 960, 950, 940, 920
Nehalem LGA1366 2008年11月 4 / 8 DDR3-1066 x 3枚単位 なし
「新」 Core i7
860, 870
Lynnfield LGA1156 2009年9月 4 / 8 DDR3-1333 x 2枚単位 なし

赤が今回購入するパーツ、青が過去に購入したものです。

Sandy Bridge では、LGA1155 とピン数が 1本少なくなり、またもや互換性が失われています。

コア数 4、スレッド数合計 8 という意味では、変わっていないんじゃないの? という気がしますが、あちこちの記事を読んでいると、Sandy Bridge では明らかにコア性能が良くなっているようです。

Core i7 940 がトリプルチャネルになっており、メモリ 3枚組を強いられるのは、使い勝手が悪くて仕方がありませんでしたが、Lynnfield, Sandy Bridge ではデュアルチャネル 2枚組と、改善 (?) されています。

CPU 内蔵グラフィックス「も」使えるチップセットを選ぶ

次にマザーボード側のチップセット。

チップセット 最大メモリ容量 オーバークロック CPU 内蔵 GPU の使用 ハードウェアエンコード
Quick Sync Video
P67 32GB × ×
H67 16GB ×
Z68 32GB ×

3月時点では P67, H67 という 2種類のチップセットのみが Sandy Bridge 用に発売されていました。パフォーマンスにこだわるユーザー向けには P67 ですが、せっかくの内蔵グラフィックスが使用できず、私のようにチャラチャラとデバイス一杯な状態に幸せを感じるタイプには不向きです。

えっ? 共感できない? ほら、ケース背面に、無駄に HDMI だの DisplayPort だの IEEE1394 だの、端子がいっぱいついていると、男の子回路を刺激されてウキウキしてきませんか? :mrgreen:

オーバークロックに命をかけて、デバイスの寿命を縮めるのも好きではありません。

ということで、H67 搭載、全部入り ASUS マザーボードの ASUS P8H67-M EVO にしました。まず何よりも Micro ATX フォームファクターであること。そして、HDMI / DisplayPort 搭載、USB3.0 搭載とチャラいのが決め手です。(キリッ) P67 搭載ハイエンドの P8P67 DELUXE が 27,000円程度なのに比べて、P8H67-M EVO は全部入りなのに 16,000円程度と、おトク感もあります。

これが下位モデルの ASUS P8H67-M になると、USB 3.0 に対応しなくなったりと、少しずつガッカリスペックになっていきます。

なお 5月に、Z68 という P67 + H67 のメリットをすべて包含したチップセットが発表されたので、これから組むなら Z68 搭載マザーボードが良いでしょう。価格は P67 よりチョイ高めの 23,000円前後みたいですが。

グラボは消費電力で「二番手」の HD 6870 を選ぶ

次にグラボ。かつてはグラフィックスボードと言えば nVidia しか買わない主義でしたが、最近の nVidia は、消費電力 / 発熱を度外視してでも性能で上回る! ことに命をかける超男気路線に走っており、それではアジトの 30A ブレーカーが落ちてしまいます。

ましてや 2PC で、ASUS EAH5850 を搭載した Core i7 940 PC が稼動しているなかでの同時起動ですから、欲張るとブレーカーが落ちるリスクと隣り合わせになります。

AMD Radeon HD シリーズと nVidia GeForce シリーズとで、上のハイエンドから下のミドルエンドまで、松竹梅で消費電力を比較してみたものがこちら。

型番 (AMD 製) アイドル時 最大消費電力 型番 (nVidia 製) アイドル時 最大消費電力
AMD Radeon HD 6990 37W 375W nVidia GeForce GTX590 不明 365W
AMD Radeon HD 6970 20W 190W nVidia GeForce GTX580 不明 244W
AMD Radeon HD 6870 19W 151W nVidia GeForce GTX570 不明 219W
AMD Radeon HD 5850 27W 151W

一般論として、やはり同レベルであれば AMD Radeon HD シリーズの方が低消費電力であることが分かります。

とはいえ…。

すでに持っている ASUS EAH 5850 (AMD Radeon HD 5850) では 151W でしたが、なんかもうハイエンドラインナップは、両者ともに 200W, 300W 超え。

Nire がグラボを選ぶときのパターンとして、ショルダーを狙うというのがあります。少しきれいなグラフィックスのために、上に振り切ったハイエンド製品は価格的にも、消費電力的にもいいチョイスとは言えません。二番手、三番手のラインナップで、これ以上落とすとガクッと性能が落ちそうだな、という手前 (肩) の部分を狙うというものです。

今回そういう意味では、ハイエンド Radeon HD 6990, 6970 は消費電力 300W 以上、価格 38,000円以上と両方が条件にあわないのでボツ。その下、前回の HD 5850 と同等の消費電力を実現し、性能的に微増の AMD Radeon HD 6870 搭載グラボなら何でも OK ということにしました。

ASUS にグラボ省電力は期待していない

細かいことを言えば、ASUS マザーボードとの組み合わせなら、EPU-6 Engine 対応 ASUS グラボを選ぶとタテマエ上消費電力が抑えられるハズ…です。

しかし、実際には ASUS グラボで電源コネクタが横から生えているため、全長が長くなってケースを変えるハメになった挙句、Final Fantasy XIV が ASUS 製ドライバでは動作しないという悲惨な過去があります。 👿

もう EPU-6 Engine とグラボの組み合わせには期待しないで、それよりもボード長が短くて廉価、といった観点で選ぶことにしました。

ここまで決まれば、メモリ、ストレージ、ケースは店頭で選べばいいや、ということで、いざ秋葉原へ。

つづく。