千葉県国際総合水泳場で行われた着衣泳教室、実技編です。水に濡れた服を着たままガンガン泳ぐのが着衣泳だと思っていたら、助かるための浮き方泳ぎ方は、まったく別世界だって話。
最初から服を着るわけではありません
やってきましたダイビングプール。水深 5m ありますが、上からみると水の屈折によりそれほど深いようには見えません。水面の縦横は 25m 四方です。
まずは実技のクラス分け。
講義編で書いたように、着衣泳では平泳ぎがいい、という前提なので、「平泳ぎ xx m 泳げます」という泳力で分けます。「25m までなら泳げる」「50m までなら泳げる」「際限なく泳げる」といった感じで。仁礼はまぁ速くはありませんが、溺れはしないだろうということで「際限なく泳げる」のチームに。
2人1組のバディを組み、基本的にこのペアで泳いだり、ライフセービングの訓練をしたりします。
前半は水着でまずクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、エレメンタリーバックストローク。最初から着衣泳でないのが残念ですが、ウォーミングアップしつつ、泳ぎのヤバい参加者がいないかの確認でしょう。
本当に平泳ぎが楽なのか
ここで服を着ます。プールで服を着る自体が珍しいらしく、隣のメインプールエリアから見物人が寄ってきて、見世物状態に 🙂 。
生徒1: 「私ジーンズ持ってきましたよ〜」
生徒2: 「おっ、それ重たくなって最高ですねー」
ジーンズを洗濯すると重くなるので分かるように、これ履いて水に浸かるとかなりの負荷になるので、着衣泳の練習には良いわけです。
さて、服を着た状態で、再びクロール、平泳ぎ、エレメンタリーバックストローク。どれがラクかとインストラクターが全員に聞きます。ほぼ全員が平泳ぎが楽だ! と答えますが、私1人率直に、クロールが良い、に手を上げました。
仁礼: 「平泳ぎニガテなんですよ」
一同: 「(笑)」
クロールや背泳ぎでは、リカバリー時に服で重くなった腕を上げるのがロス、と教えられましたが、もともと成人水泳教室でリカバリーの時間を短縮する泳ぎを習っているので、そんなに苦じゃない気がしました。
華麗に飛び込めば良いってものではない
次は飛び込み。
競泳の飛び込みは水の抵抗を減らすように、手を頭の上に伸ばして一直線に入水しますが、
不意に海に飛び込まなくてはならなくなった場合は、水深も分からないし、障害物が隠れているかもしれません。なので、わざと水の抵抗になるように、水面に対して「平たく」なるように落ちます。
着水したら華麗に平泳ぎを始めるのではなく、まずは体をくるりと反転させ、仰向けに顔だけ水面に出した状態でその場に浮きます。スカーリングも何もしません。周囲の状況を確認し、岸やボートが近くて泳いだほうが良ければ初めて、平泳ぎか、エレメンタリーバックストロークで泳ぎ始めるわけです。
ラッコの真似からバケツまで、助かるために色々やる
何もせず顔だけ浮いているのは結構難しいので、上着の下に空気を取り入れる練習をします。仰向けで浮いたまま Tシャツのすそをつかんで、ラッコのように水面をパンパン! と叩くと、気密性のいいシャツなら空気が入って擬似ライフジャケットのようになります。
次に出てくるのが空のペットボトル。かなりの浮力補助になります。これを枕のように頭の後ろに置くか、あごの下に両手で縦持ちか、胸の位置に持つかします。人によって、どれが一番浮きやすいかは違うようです。
ペットボトルは岸からバディに投げてもらう練習もします。この辺になるとだいぶライフセービングっぽい感じ。投げるとき、要救助者の体からちょっと離れた位置を目標にする必要があります。ペットボトルが当たったり、水しぶきが飛ぶと、危険だしパニックになる可能性があるからです。
最後の方はライフセービング応用編。ペットボトルにロープをつけて投げる、棒状のものを差し出す、はたまたバケツにつかまって大勢で浮く練習、なんてのもやります。容量 10リットルぐらいのバケツでしたが、7-8人ぐらいまで体重を支えることができました。私も参加しましたが、何人まで支えられるかで結構盛り上がります 🙂 。
泳げば良いってものではない着衣泳
ということで、水に濡れた服で負荷をかけてガンガン泳ぐ練習が着衣泳、だとばかり思っていましたが、まったく逆で、あるものを利用して浮力を確保し、その場に長時間浮くことができる技術メインでした。
海で泳いでいける距離には限りがあるし、川でも流れが早い場合は岸に行けない場合もあるので、まずは浮くことが先決の模様。
着衣泳の技術以前に、川ベリなどで危険な場所に行かないとか、そもそも水難事故を起こさないよう気をつけましょうね、といったインストラクターの締めくくりで着衣泳教室は終了。
しかし…..あわよくば、水深 5m プールの底まで泳いでアトランティスから来た男みたいにやりたかったのですが 🙂 、ほとんど浮く練習だったので残念。
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