全東京写真連盟によるゆかたモデル写真のコンクール審査、続きです。他の写真とあえてタイミングを外して、「モデルさんが汗をふくから、ちょっと時間ください」を撮ってみた写真 2点。さあ、審査していただきましょう。

これが応募作品です。

このモデル、小嶋紗代さんは2010年準ミス日本で、15歳とは思えない大人びた気品を見せるときがあります。汗を拭いている何気ない仕草にそれが出ているよな、と自画自賛仁礼家アートチームの一次審査をクリアし、応募したのがこの作品です。

同じようなのを 2点出したのは、事前に何人かでどっちが良いか意見が割れたため、後学のために両方出してみようと。

このタイミングでシャッターを切ったものは無かったらしく、待ち行列に写真が出てくると、先生の審査にたどり着く前に、ギャラリーの物議を醸します。 🙂

さあどうでしょう。

チラ見されてツモ切りされるか、プロの目に何か止まるか。

はたまた、同じようなの 2枚も応募したのが逆効果になるか。

布川先生、しばらく見比べて黙考します。

……….。

やがて静かに 1枚をテーブルに残し、1枚を「左」に流しました。

おおぉ。片方は予選通過しました!

さて問題です。通過したのは左右どちらの写真でしょうか。

最終審査は一度に勝敗が決まる

全作品の予選チェックが終わると、それをずらっと一斉にテーブルに並べて最終審査です。

壮観ですね。金銀銅 + 入賞作品は、この中から先生が色々並べ替えしながら比較検討し、突然ふと「これで」と手渡されてドラスティックに決まります。思わず一同「お疲れさまでした!」と拍手。

総評 – 撮った人の意図がわかる写真を

最後に、金銀銅の作品がホワイトボードに貼られ、布川先生の総評です。

  • 非日常を撮るのがモデル撮影。
  • モデルのキャラクターも重要。事前に観察して、しぐさ、表情、自分の撮影意図、を考えて、徹底してその人を追っていくのも方法。
  • シチュエーションが重要。そこでしか撮れない写真を。会場の雰囲気を感じさせるような撮影場所を。アップだけならどこでも撮れる。
  • シチュエーションに合ったモデルさんの動きを考えて撮る。
  • 光線を読む。
  • 撮った人の意図がわかる写真を。

惜しくも金銀銅賞には入りませんでしたが、もっとダークな感じの写真も予選には残っていたので、たんに露出不足ではなく、全体の美しさを計算した写真であれば高い評価が得られるようですね。

それにしても、ずらっと並んだ他の方の作品を目の当たりにして、まだまだ私は基本的な撮影技術が甘いな、というのを実感。

応募もブログにも載せていない写真は、そもそもピンぼけ、ブレ、露出不足 / 過多など、基本的な設定が NG だったものが大量にあります。その辺、もっと意図通りに確実に撮れるようになって、ようやく上記のようなハイレベルな話に入っていけるんだろうな、と思いました。