アースソフトのデジタルチューナーボード「PT2」が今秋葉原でアツいらしく。ひさびさの深夜販売に、どこかのスイッチが入って行ってみたのは良いのですが、待ち受けていたのは、もはや店側も集まった人も想像できない人数の購入希望者でした。行った人なら分かる、「B列」視点でお送りする愛と涙の物語。

PT2: 三月兎2号店: 深夜販売の貼り紙

怪しげな一見さんお断りボードと聞いては行くしかない

PT2 はいわゆる実験用デジタルチューナーボードで、地上波 2チャンネル、BS/110度CS デジタル衛星放送 2チャンネルを同時に受信できるものです。暗号化された状態で受信できるだけで、単体で視聴する用のものではないのが、実験用たるゆえん。

PCI スロットに差して PC に内蔵して使うタイプです。ボードの見た目は公式サイトを。

その深夜販売が三月兎 2号店であるらしいという情報をキャッチ。

iPhone 3G は Bluetooh がどーたら文句つけたあげく華麗に購入を見送りましたが、その昔ワークステーションの中古争奪戦で NEWS 1450 の ISDN ボードをお宝として買いあさった気分を何となく思い出し 🙂 、10月1日の深夜 23:00 頃から行ってきました。終電? いやいや、車で行って秋葉原 UDX ですよそりゃ。

ランダム要素を取り入れて混乱を回避 (か?)

三月兎サイトによると

23時より列形成を開始します。
23時30分より整理券(抽選券)を配布します。
24時ごろより販売(抽選)を行います。
(中略)
抽選方法:くじ引き
※整理券(抽選券)をお持ちであっても当選くじが販売数へ到達してしまった場合にはその時点で販売は終了となります。
その場合にはご希望のお客様には優先予約を受け付けます。(整理券保持者のみ)

とのことでしたが、到着時には整列を開始していないとはいえ、すでに人の山。店員が現れ、どう対応するのか固唾をのんで見守る購入希望者。

結局、店員の誘導により、旧ラオックス ザ・コンピュータ館から 2hop 離れた駐車場にまずは移動し、A, B, C, D の 4列にランダムに振り分けて成立した後、先頭の人がじゃんけんで「くじを引く順番」を決める、とのアナウンスが。

店で往来を妨害するような並び方では近隣に迷惑がかかるし、集まった集団を整列させるときに先着順、にしてしまうと暴動が起きてしまうので、ランダム要素を入れたわけですね。ここまではいいアイデアだと思いました。

スムーズな整列…傘ロープも登場

アキバな連中が、混乱なく整然と並ぶことに慣れているのは、コミケに参加したことがあるので知っていましたが、皆さん買う気マンマンのオーラをやや放ちながらも、そこらの花火大会よりずっとスムーズに淡々と整列完了します。

PT2: 三月兎2号店: 深夜販売の待ち行列

その場に居合わせた人は、この写真ですでにオチが分かると思いますが。

列を仕切るロープがないので、もともとは雨の中、来店した客に配る用の「傘」を 1人1本ずつ持って並んでくれという対応に、来店者のとまどいと笑いが。ちなみに傘ロープ、最初意図が理解してもらえず、ぐるぐると何回も回ってきました。

予定の整理券→抽選の前に新たな試練が

集まった人数は 600人と言われています。それに対して、入荷したボードの数は 200枚、優先予約権は 100枚なので、即お持ち帰りできる確率は 1/3 ですね。

整理券は全員に配られるのかと思いきや、1人1人抽選していたら埒があかないことが判明したのか、列ごと代表じゃんけんの際、4列中 1列が丸ごと足切りされるルールに変更になったようです。

そんなこと事前に告知されていないよなぁ、と思いながら、列の中央にいて何となく模様眺めで並んだ私は、先頭で何が起きているのかよく分からず。

「おおおーっ!!」

という歓声が。正面ではない、1時の方向だったので、あぁ多分抽選 1番の列は右隣なんだな、ということまでは察知。しばらく間があった後、今度は正面前方で列の一人がヒラヒラと手か何かを振って、

「この列だめだそうです-」

といっている人が。そう、抽選の権利もゲットできないまま列全体が撃沈してしまったのは、人ごとでも何でもなくこの列だったらしく。

………….。
高校生クイズで、もう分からなくて YES に走ったら NO でした、みたいな気分です。

深夜で皆さん分かっていらっしゃるので、騒然とはならないものの、列全体に唖然とした空気が流れます。それも一瞬のことで、実に、実にスムーズに、いやお前らどうしてそんなに冷静になれるんだと思うぐらいスムーズに列が前方に押し出されていき、「これじゃバスカれねぇぜ」とか叫ぶ勇者も現れず、お帰りはこちら状態に。

皮肉にも、車で来たにも関わらず、終電に間に合う時刻でした。

後に残ったのは、事実上の参加賞となってしまった、傘一本

PT2: 三月兎2号店: ロープ代わりに配布された傘

これが後に歴史として刻まれる、PT2 悪夢の兎B列事件です。(………..)

予想外の人出にやむを得なかった措置とはいえ

その頃、すぐ近所の兎1号店では、即納ではなく予約待ちの行列が形成されており、行ってはみましたが予約受付数の max に達したそうで、こちらもあえなく撃沈。

きっと店側も、一見さんお断り仕様の PCI カード、しかも深夜に 600人集まるとは思っていなかったのでしょうし、警察からのお咎めを受けるレベルには至らず、時間的な制約もあるなかで深夜販売を完了したイベント誘導の手腕はすばらしいと思います。

いやいやいやいや…そんな大人げなコメントを書きたかったんじゃないんだ。これでは B列で散っていった同士達が浮かばれない…はっきり言うと自分も浮かばれない 🙂

やっぱり一言だけ書いておこう。

当選確率 10% でもいいから、告知ルール通り自分の手でクジが引きたかったです。

うし、自己満足終了。

まぁ、こういう秋葉原の雰囲気を味わいに来ましたよ、ということで。

PT1 REV.B