VMware ESXi 3 では vCenter Converter でコピーする際、強制的に容量固定ディスクになってしまいました。最新バージョンの 64bit 命令セット専用 ESXi 4 ではどうでしょうか。
無償で最適なバックアップ方法のまとめと、なんでこんなにシンプロビジョニングが分かりにくくなっているのかについての考察。
バックアップ方法まとめ表の中では、この部分の話です。
ESXi 3.5 U2 | ESXi 3.5 U4 | ESXi 4 | |
---|---|---|---|
ESXi → データストア ブラウザ → local 可変ディスク (thin) 作成 |
不明 | できない 容量固定になる |
|
ESXi → Converter → VMware Server 可変ディスク (thin) 作成 |
できる |
シナリオ 2 … VMware ESXi 4 →外界でも
VMware ESXi 4 への変換では Flat / Thin の 2種類から選べます。
Thin 指定すると、確かにコンパクトな vmdk ファイルになります。結構結構。
問題は、ESXi 4 にある仮想マシンのバックアップを、別のストレージに取りたいときです。
例えば Windows 2008 R2 の仮想マシンを ESXi 4 上で新規作成したとします。システム要件を見ると、40GB 以上 (完全インストール) なので、そんなに詰め込む予定はないが 40GB の仮想ファイルを Thin で作成します。
Windows 2008 インストール直後の状態で、確かに ESXi 4 上では 16GB のコンパクトな vmdk ファイルが作成されていますが、
データストア ブラウザでフォルダごとローカルに書き出し (ダウンロード)、Windows Vista のエクスプローラで確認すると 40GB になってしまいます。
vCenter Converter で VMware Server 用のファイルとして吸い出すと、16GB 程度のサイズになったので、ほっと一息。今のところ、ESXi <-> VMware Server の相互変換で中身が壊れたという例はないため、疑似バックアップの手段として使えることは使えます。
まとめ
結局、ESXi で、無償でできる最適なバックアップ方法は? ということでまとめると、
手動バックアップでいい場合
- vCenter Converter 一択
- ESXi から吸い出すときは VMware Server 形式で。
自動バックアップしたい場合
- RCLI / SSH で。
- ESXi に書き込みたいなら ESXi のバージョンを 3.5 U2 に抑えないとダメ。
さらに、ESXi 3.5 以下のバージョンを使用する場合の注意点として、結局
- 仮想ディスクのサイズを、コンパクトに切り詰めるのが吉
シンプロビジョニングが「デコボコ」している理由は
VMware Server では当たり前にできていた「コンパクトな仮想ディスクを右から左へホイホイ移動して、マシンをお乗り換え」が仮想化技術の最大の利点です。
ESXi も表面的にシンプロビジョニングできますよ、という風に見えますが、思わぬところで仮想ファイルのサイズが大きくなってしまったり、そのせいでバックアップに時間がかかったりと、無償でやろうとすると地雷だらけの印象があり、仮想ディスクにポータビリティがあるとは言い難いです。
その理由を考えつくままに並べてみると、
- 無償の VMware vCenter Converter を使わせたい
(VMware 製の管理ツールを布教したい) - 有償の VMware ESX にアップグレードさせたい
- 有償の VMware Consolidated Backup を使わせたい
- ネットワークストレージを使わせたい
シンプロビジョニング対応のネットワークストレージ NAS / SAS を広めたい
VMware の戦略は、無償で仮想化のエンジン部分を配布し、有償の管理ツールで回収することにあるので、そういうモデルにユーザーを誘導したい思惑と、それ以外に EMC のようなストレージ製品のメーカーの思惑もあるんじゃないかという気がします。
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