定番メモリチェックツール Memtest86 / Memtest86+ ですが、不吉な赤いエラーが出たからと言って、1回では真の原因は分かりません。複数あるメモリをどうやって切り分けたらいいのでしょうか。5年も使い回した PC パーツに訪れた衝撃的な結末。
メモリは 1枚が壊れているとは限らない
このマザーボード 865PE Neo2-V の場合、DIMM スロットが上から DIMM1 / DIMM2 / DIMM3 と 3つあります。
私の場合は 1GB x 3 を差して合計 3GB としています。仮に各メモリを A, B, C としましょう。DIMM1 = A, DIMM2 = B はデュアルチャネル ((Dual Channel: メモリ 2枚が同期を取って転送するため Single Channel より高速にアクセスできる。)) 対応なので、同じメーカー、同じ型番のメモリです。
メモリの故障とは言っても、大別して次のようにいろいろな場合があります。
- 1枚単位で不具合が出る場合
- 複数枚での相性
- 複数枚での差し位置
これらを切り分けるためには、順列組み合わせのようにメモリを差し替えてみて、そのたびに Memtest86+ を実行する…という根気の要る繰り返しになります。
順列組合せで切り分ける
下記は組み合わせの一部に過ぎません。Memtest86+ でどのアドレスでエラーが出たかを元に、消去法で正常 / 異常なメモリを切り分けていきます。
DIMM1 | DIMM2 | DIMM3 | 備考 | |
初期状態 | A | B | C | A, B はデュアルチャネル |
単体テスト | A | — | — | A が悪いならこのテストでだけエラーが出るはず |
B | — | — | ||
C | — | — | ||
2枚での相性と差し位置 | A | B | — | |
B | A | — | 同じ A, B でも順序を変えると動くことも | |
B | C | — | ||
C | B | — | ||
3枚での相性と差し位置 | C | A | B | 1枚ずつ右へ右へシフトしたり |
B | C | A | ||
C | B | A | 全く順番を変えてみたり |
論理的にすっきりしない結果が…
ところが結果は相当奇っ怪なことになっていて、
- A, B, C の単体テストいずれでも 3桁のアドレスにエラーが出る
異常があるのはメモリではなく、マザーボードや他のパーツではないか、という可能性が出てきました。その割に
- B, C, A or C, B, A など 3枚の差し位置を変えるとエラーが出ない
ため、マザーボード側の DIMM1 スロットに機械的 / 電気的な異常がある、というわけでもなさそうです。
エラーが出ない組合せで油断して OS を起動し、ダミーで大量にゲスト OS を起動して負荷をかけてみると、1時間ぐらいで「ピッ」と不吉なビープ音とともに OS が BSOD + 再起動してしまいます。
BIOS 起動時のビープ音でマザボ崩壊の序曲
さらに、パーツ差し替え時に「ピーピー」と 8回のビープ音がして AMI BIOS が異常を訴える始末。8回って何だ、ということで AMI BIOS POST ビープコードを調べてみると
8 Display memory R/W test failure
だそうなので、グラボにも関係あるのだろうか…と差し替えてみますが、変わらず。
BIOS ということで、念のため設定バックアップ用のボタン電池も交換してみますが、効果無し。
最後に、CPU を Pentium4 3.20GHz → 2.6GHz に交換して発熱を抑えようとしましたが、BSOD するのは同じ。
消去法で行くと、いよいよマザーボードトラブル説濃厚ですが、すでにケース 3RSYSTEM R240 + ファン F8-H54V で 13,000円投資している中、Pentium 4 マシンに今さらこれ以上の修理費をかける気はさすがにしません。
5年も使えば、もったいないオバケも出ないだろう
2004年に主力デスクトップ PC として購入後、「お下がりシステム」にしたがってサーバに転用しつつ、実に丸 5年の間、HDD や PC ケースを交換しながらも延々と使い続けてきたマザーボード MSI 865PE Neo2-V。CPU 付近からの「チリチリ」音も日増しに大きくなってきており、寿命が近づいてきているようです。古い Pentium 4 アーキテクチャに依存した投資は避けたいですし、いい加減世代交代の時でしょう。
折しも、TWOTOP から購入した最新鋭 Core i7 + P6T PC が、夏も終わりになってから修理から帰ってきて、主力クライアント PC 環境をついにこのマシンに移動できたため、2年前に購入した Core 2 Duo E6700 マシンが空きました。
ということで長い長い長い Pentium 4 マシン死闘編はここでオシマイ。次回は旬な話題にもどり、64bit 環境での仮想化環境編です。
つづく。
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