LASIK 手術後、屈折値の変化は手術時のコンディションや、その後の生活習慣により差があります。理想は正視つまり +0.00D に落ち着くことですが、私の場合は -0.50D あたりをいったりきたりしています。一般に言うとこれは「やや近視傾向」なのですが、実際のところ視力は 1.2 見えています。今回はこの矛盾について考察してみます。
錦糸眼科もびっくり、12時間 PC 生活
錦糸眼科では、6ヶ月検診が終わった後でも、強制ではありませんが、その後患者が診てほしいと思ったときに有料で検診を受けることができます。1年目検診にくるのは私だけでは無いらしく、結構多いようです。
カルテを見ながら医師いわく、
錦糸眼科: 「視力 1.2。状態は良いようですね。」
Nire: 「屈折値がどうしても近視傾向なのが、ちょっと気になるんですよね。」
錦糸: 「レーシックを受けた目の場合、どうしても近視傾向の値が出やすいようですが、これぐらいは心配ないです。」
続いて、衝撃的な一言。
錦糸: 「(カルテを見ながら) PC 12時間も見る生活だと、近視の戻りが出てもおかしくないですね。よほど、眼の使い方が良いんでしょう」
Nire: 「な…。そんなに近視の戻りって出やすいんですか」
錦糸: 「再手術を受けに来られる方は、大勢いますよ」
Nire: 「遠視用メガネちゃんとかけてますからねぇ」
錦糸: 「ああ、やはりそれが大きいですね」
確かに近所の眼鏡屋だと、
眼鏡屋: 「-0.25D よりも下回ると、視力 1.0 見えるはずが無いんですけどね」
といってはばかりません。
個人的には、以下のどちらかではないかと考えています。
毛様体の調整能力でカバー
眼科医がよく説明するのはこっちです。
子供の眼の調節能力 (水晶体の厚さ調節) は 15D ぐらいあるのに対して、大人になるに従って低下していくそうです。(眼科医談)
- 調節能力が強い間は、ピント調節でつじつまを合わせるので 1.2 見えます。←現在ここ
- 調節能力が衰えると、老眼になります。
- 正視 +0.00D の人は、遠くが普通に見えるが、近くのものが見えづらくなります。
- 近視傾向 (+0.00D ~ -1.00D ぐらい?) の人は、遠くが見えづらくなり多分 1.0 を下回り、近くのものは見えやすい状態です。
オートレフラクトメーターが、レーシック眼の屈折値を正確に計測できない
私の仮説。
屈折値を計測するオートレフラクトメーターは、目の外側から角膜や水晶体越しに光線を通してみて測ります。ところが、レーシックを受けると、角膜は横から見てすり鉢状のガウス曲線状に削られます。その周辺部で球面収差のためハロ、グレアが発生します。
オートレフは、CT スキャンのように断面形状を完全に測るわけではありません。
デジタル一眼カメラがピント合わせするとき、例えば 9点 AF ((オートフォーカス)) のカメラだと、9つしかない測距点で、写真に収まる範囲全体について、被写体までの距離を決めうちします。AF フレーム選択 (測距点の選択) を自動にしておくと、予想しない部分にピントがあってしまうことなんてザラにあります。
原理は違いますが、オートレフも、いくつか代表的な位置 (タテヨコナナメ 8方向とか) から測定光束を投光し、眼底に反射してきた光束の形状を計算して、「あなたの右目は S -1.00 C -0.50!」とたった 1組の屈折度数 S / 乱視度数 C / 乱視軸角度 A に答えを決めつけます。
その角膜の屈折は想定されていない
そのとき当然ですが、光はレーシックで削った角膜を通ります。
投光器 → 角膜 → 水晶体 → 眼底 → 水晶体 → 角膜 → 受光器
- 投光位置が適切でなかった場合、設計者が予想しないような周辺部の球面収差によって、反射像が歪んだりすることはあり得るでしょう。(フチを通ったからゆがむ)
- ガウス曲線上に削られたことを考慮しないで計算すれば、実際はちゃんと 1.2 見える屈折状態なのに、マイナス寄りの値が出ることは十分考えられるでしょう。(ゆがんでいるけどちゃんと見える)
レーシック向けに適切な値が出るようにしてほしい
もし正しいとしたら、是非オートレフラクトメーターはレーシック眼用に改良してもらいたいものです。
視力検査しても 1.2 見えたら正常です、良かったね、で終わってしまう眼科医があまりに多いです。視力と屈折値はどうせ比例しないから、という一般論で終わりがちですが、ある程度自分の目における傾向が分かっていれば、近視の戻りが始まる崖っぷちまであと何歩か、の目安になるわけで、バカにできません。
なにいい加減なこと言ってるんだ、と思われた識者の方は、ぜひ Nire までご指摘ください。
私も本当のところが知りたいのです。
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