川崎航空で航空写真用のカメラに続いて、飛行機のメンテナンスをしている方たちと仲良くなってしまい、航空撮影用の小窓やら、凹み修理やらいろいろ教えてもらったあげく、誰も予想できないエンジンのアレまで戦利品としてもらってしまいました。
撮影用の窓は特注品
飛行機からの撮影は、何も鉛直方向 90度で撮った「平らな」写真だけとは限りません。水平線を撮りたい場合もあるでしょうし、特殊な例では、飛行機から日食を撮った例が朝日新聞に載っていました。
窓ごしに撮ると画質が落ちてしまうため、そういう用途には窓に穴が開くようになっています。ここからレンズだけ突き出して撮るわけです。
Nire: 「セスナって、必ず撮影用の小窓って開いてるものなんですか」
川崎航空: 「いやぁ、こういうのは全部、特注品だよ」
飛行中に窓開けたら墜落しないのか?
飛行中に窓を開けるなんて、大型旅客機の場合は、パニック映画で異常事態発生! 天井から下りてくる酸素マスク! 機長の緊迫した機内アナウンス…といったイメージがあるかもしれません。
これ、与圧されている機内で巡航高度 10,000m 以上で穴あいたら、の話で、高度 3,000m 程度を飛んでいるセスナでは乗り降りの扉を開けたところで、風で相当バタバタいうだけで別にどうってことはありません。
そんないい加減なこと書いて、お前実際やってみたのかって?
実は体験ずみです。スカイダイビングをする飛行機は、複数のスカイダイバーが同時に大空にジャンプできるよう、いっそ左後ろの貨物扉ごと取っ払ってしまえ状態で離陸します。離陸するとき、左下に滑走路面がよく見えます
航空機の凹みは直しただけじゃだめ
川崎航空では、セスナのメンテナンスも行っているらしく。
ハンガーにあるうちの 2機は、会社とは関係ない、他のオーナーやオーナーズクラブから整備依頼を受けて持ち込まれたものでした。
物珍しさに、翼の下をくぐってうろうろと見学していると、
川崎航空: 「通るとき、頭、気をつけてね。ジュラルミン製だから、翼の角でうっかり頭こすると、皮がずれるよ。ズリっとね」
さりげなく怖いこと言いますね……….。手を翼について、慎重に通過。
Nire: 「翼の角に直した跡がありますね」
ちょっと角が凹んでおり、外側から金属をパッチあてのようにかぶせた跡を発見。
川崎航空: 「ハンガーに格納するときに、無理に何機も入れようとすると、角にぶつけたりするんだよ。そうすると、整備するだけではだめで、国交省の役人が来て点検して…と大事になるね」
Nire: 「なるほど…」
エンジンの「アレ」を戦利品としてお持ち帰り
スカイダイビングの話でずいぶん興味を持ってもらえたらしく、ここには自主規制で書いていない航空写真業界の話と、スカイダイビングの情報交換会みたいになってしまった川崎航空訪問。
最後に、「これ、あげるよ。」と無造作に、焼きいも状態で紙に包まれた重たい部品を開けてみてびっくり。
Nire: 「エンジン…ですか??」
川崎航空: 「そうエンジンのヘッド :)」
セスナのエンジンは水平対向エンジンらしく、これはシリンダーの中をいったりきたりしているピストンヘッドというわけです。ザクの目みたいに穴が空いているところに、クランクアームが通ります。
ヘッドを上から見たところ。
エンジンシリンダー内部で爆発物に直接さらされる箇所なので、表面がかなり汚れています。直径 13.5mm、重量 1.8kg。手で持つとズッシリ感がありますが、意外とセスナのピストンヘッド 1個分というのは重くないようです。
いやー自宅にピストンヘッドがあってどうするんだ、という気もしますが、オブジェが増えました。 🙂
ご自宅に安置されたピストンヘッドの写真も拝見したいです。