デジタル一眼レフカメラ、ペンタックス K-7 の先行展示、続きです。今度は HDR 撮影を試させてもらいました。不思議な効果を生む撮影方法、HDR 合成を 1台でできてしまう…のは良いけれど、手持ちでは NG らしく。なぜなんでしょう。他、全体的にダイヤルの多い K-7 の使い勝手について。

HDR 撮影は、やはり 3回シャッターを切る

HDR ((High Dynamic Range)) とは、同じ被写体をわざと

  • 露出アンダー … 暗い画像
  • 露出オーバー … 明るい画像
  • 露出ノーマル

の 3回撮影し、特殊な方法で合成する手法です。これにより、大げさにメリハリのついた、塗り絵のような極端な画像ができたり、人間の記憶に残っている心象風景に近い画像ができたりします。

通常の一眼レフカメラでは、三脚を立て何回撮っても同じ映像が撮れるようにした上で、露出設定を変えながら 3回シャッターを切ります。さらに持ち帰って、自分のPC でフォトレタッチソフトを使って 1枚の絵に加工する作業が必要になる面倒なものです。

ペンタックス K-7 が初めてではないのですが、その HDR 撮影をシャッターを 1 回切るだけでできる模様。ただパンフレットには「三脚を使用してください」と書いてあるのが気になります。シャッター 1発ですむなら、もしかして三脚なんて無くても、手持ちで HDR 撮影できてしまうんじゃ…と思ってシャッターボタンを 1回押します。

「シャカシャカシャカッ」

ペンタックス特有のこもった音がして、3回シャッターが切られました。なるほど、人間様が設定変える手間がないだけで、内部的には露出変えながら 3回撮影する…あいだに結局ズレてしまうから、三脚が必要なんですね。

2画面分割で、HDR 撮影しない状態と、した状態を比較して見せてくれました。比較してみられる機能自体は便利ですが…あんまり HDR 撮影らしさが出ていないような気がします。被写体にもよるそうですね。

ペンタックス K-7: ノーマル撮影 (左) HDR 合成後 (右)

Pentax: 「さすがに HDR 撮影は三脚なしでは無理なんですよね-。手ぶれ補正がついて三脚いらずになったのに、HDR でまた三脚が必要になるという 🙂 」

ポジティブさのなかに真実をついたペンタックス社員のコメントでした。まあ、EOS Kiss X3 で同じことをやろうとするとやや面倒なので、少し楽ではあります。

スイッチ類が多く全体にマニアックな作り

ペンタックス K-7 である意味感心したのは、かゆいところに手が届くスイッチ類の多さです。例えばこれ。

ペンタックス K-7: モードダイヤルと測光モード切替レバー

ただのモードダイヤルじゃないか。いえ、その左下に目のようなマークが 3つあります。実はダイヤルの 2段重ねになっていて、下の測光モード切替レバーをひねると、測光モードが分割測光、中央重点測光、スポット測光といった具合に変更できます。思わず、

Nire: 「マニアックだなあ
Pentax: 「(笑)」

手持ちの EOS Kiss X3 はデジタル一眼レフカメラとしては下から 2番目、エントリーモデルの域ですので、切り替え自体はできてもメニューから下りていって切り替えなければならず、一手間分余計にかかるのです。

EOS Kiss X3: メニュー: 測光モード EOS Kiss X3: 測光モードの選択肢

他にも、ダイヤルが 2種類あるのも特筆すべき点でしょう。右手でグリップを持ったとき、EOS Kiss X3 が右手人差し指の位置 (シャッターボタンより自分寄り) にしかダイヤルがないのに対して、K-7 ではシャッターボタンよりも被写体側に 1個と、親指側に 1個、配置されています。

ペンタックス K-7: 前電子ダイヤル ペンタックス K-7: 後電子ダイヤル

そんなにダイヤルあって何に使うのかですが、例えば、マニュアルモードでシャッター速度と絞り値を独立したダイヤルで変更することができます。他は知りません 🙂

まあ、スイッチ、レバー類が多いということは、それだけ初心者には扱いにくいとも言えるわけですが、使いにくそうな機械 “上等” な私としては、非常に親近感を覚えてしまいました。

公式サイト: デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-7」 発売前先行展示のお知らせ