インフルエンザウィルスのA型とか H1N1 ってそもそも何なのか、なぜ豚を名前につけてはいけないのか。「弱毒性」だから「強毒性」に比べて大騒ぎする必要が本当にないのか。といった雑多なものの、私的まとめ。
1週間で 4人が 130人ですか…と口あける前にマスクをしよう
2009年新型インフルエンザ (A型, H1N1) の感染者も、あっという間に合計 130人を数えるまでになりました。前回も書いたとおり、もはや違和感だの自分は自覚症状ないだのつべこべ言っているばあいじゃなくて、マスクをしないこと自体がすでに迷惑行為になりつつあります。
インフルエンザウィルスって一体何タイプあるのか
インフルエンザは A型、B型、C型とあって、うち A型がヒトにも家畜にも感染する上に、変異を起こすため世界的大流行 (パンデミック) を引き起こしやすいようです。A型には沢山の亜型があり、表面にくっついている抗原性タンパク質「ヘマグルチニン HA ((hemagglutinin)) 」x 16種類と「ノイラミニダーゼ NA ((neuraminidase)) 」x 9種類の組み合わせにより、今回の 2009年新型インフルエンザの場合は H1N1、強毒性で鳥-ヒト感染を引き起こすインフルエンザは H5N1 などと呼ばれているようです。
このインフルエンザを何と呼べばよいのか
H1N1 だったら全部 2009年バージョンなのかというと、そうではなく、インフルエンザA型 (H1N1) という意味では「ソ連A型」も同じで、若干の混乱を招きます。
かといって、豚インフルエンザと呼称してしまうと、(変異したのかは微妙だが) ヒト対ヒト感染もあるし、ユダヤ教のコーシェル ((Kosher: 食べるのにふさわしいもの)) で忌避されている豚が名前についてしまうのと、ユダヤ教でなくても畜産業者に風評被害を与える…といった理由で NG。メキシコ・インフルエンザと呼んでしまうと、メキシコにとっては有り難くないし、本当にメキシコが起源なのかについても諸説あるので、NG。
結局、家畜や国名を含めない呼び名ということで新型インフルエンザあるいは H1N1 と呼ばれているようです。
だったらだったで、何か別のユニークな呼び名をつけて欲しい気がしますね。H1N1-a とか。万が一変異したら名前が変わってしまうので、うかつに命名できないというところでしょうか。
「弱毒性」「強毒性」とはそもそも何なのか
一連の報道でずっと何か釈然としないのが、
「弱毒性」だったら「強毒性」より弱いんでしょ?
感染しても大騒ぎしなくて良いのでは?
という疑問だと思います。確かに、最初、世界保健機関 (WHO) の田代委員が新型インフルは弱毒性である、としたニュースを見て、「これだけメキシコで流行っておいて “弱” は無いでしょう、弱は」と意味がよく理解できないまま思ったものです。
しかし、どうやら弱毒性というのは「流行りやすい」とは意味が違うらしく。
ビルレンス (毒性) |
弱毒性 | 強毒性 |
感染部位 | 喉 (のど) より上にであれば感染する | 肺も含めて全身に感染する |
ヒトに感染する インフルエンザ |
2009年新型インフルエンザA型 (H1N1 亜型) 鳥インフルエンザの一部 |
鳥インフルエンザの一部 A型 (H5N1, H7N3, H7N7) |
(鳥インフルエンザについては感染症情報センターのサイトを参考にしました)
生物から生物への感染しやすさは別の用語、感染性とでも呼んだ方がいいらしく、ビルレンス (毒性) は、一度体内に感染してしまったらどのくらい疾患を起こしやすいのか、という、かかった後の問題のようです。 ((OS へのアタックされやすさが感染性で、侵入されたあとの攻撃方法のバリエーションが毒性か?))
2009年新型インフルエンザ A型 (H1N1) の場合は、
- いまは弱毒性だけれど
- 感染性は強い
- 強毒性に変異するかもしれない
実際、鳥インフルエンザは、弱毒性にも強毒性にも書いてあるとおり、最初は弱毒性だったものが一部、強毒性に変異し高病原性鳥インフルエンザ ((HPAI: Highly Pathogenic Avian Influenza)) と呼ばれています ((でも病原性と毒性は別物だったり)) 今回の 2009年新型インフルエンザA型 (H1N1) も、今は弱毒性でも、強毒性に変化するかもしれないと WHO では警告しています。
次回は、もうちょっと予想の世界に踏み込んで、弱毒性と強毒性についての解釈を試みます。
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