長くパーツを使い回すなら Core 2 Quad と Core i7 ではどちらが良いのか

自宅サーバ環境でウィルスチェックつき Proxy などと重たい処理を追加し始め、だいぶマシンパワーが不足してきたので、新しくデスクトップ PC を購入することにしました。スペックを決めるにあたって、いまどき一番大きな関門は、発熱の少ない Core 2 Duo / Core 2 Quad にするか、性能の高い Core i7 にするか、という究極の選択です。

自鯖ヒートアイランド現象を、新マシン投入で回避

TAP-TST7: 正面ワットチェッカー TAP-TST7 を購入したので、現在の自宅のサーバマシンが月に電気代いくらかかっているのかを調べてみました。

自鯖マシンのなかでも横綱格は、Pentium 4 (それも TDP 89W の Prescott) 3.0E GHz マシンです。1台だけで月の電気代は 2800円。さらに複数台あるわけですが、マシンを減らすために、より高速な PC を導入し、仮想化サーバ (ホストOS) 1台あたりの仮想マシン (ゲストOS) 数を増やして集積度を高めたいと。

Nire.com のパーツリサイクルシステム

新 PC を導入するときにこだわっていること、それは CPU の早い遅いでも、メモリの量でもなく、マザーボード代をケチらないことです。

新しく買ったマシンは、基本的にお下がりシステムを採用していて、

  • 新品はクライアント用、ゲーミング PC として使用
  • 世代が古くなると、グラフィックボードはファンレス激安品にグレードダウン。旬の光学ドライブ (今なら Blu-ray) を外して新品 PC に移動。メモリをしこたま積んで 24時間稼働サーバに転用

実は 1回だけ、Pentium 4 + 安価なマザーボードでしかも Micro ATX (ミニタワー) サイズの PC をチョイスしたことがありますが、当時 Atom もなくミニノート PC というカテゴリがブームになる前に XP での動作確認用サブ PC として活用できたぐらいで、Vista を入れるには重く、動作も不安定。1年半ほどの短期間でお蔵入りになりました。

中途半端な安物を買って 1年半しか持たないよりも、パーツを 3年間リサイクルするつもりで、倍の値段しても旬な構成を買う方が、総合的なマシンパワーや快適さは高く保てるはずです。

反面、お下がりによるリサイクルは、パーツの交換が面倒なのが難点です。お古のパーツをかき集めてサーバ用 PC に仕立て上げるのですが、グラボ、メモリ、はては配線スペース的な問題まで、相性問題と一通り格闘しなければなりません。PC ハード寄りのエンジニアが確保しやすい環境でもないかぎり、企業でこのモデルでやるのは面倒でしょう。

最後まで決めかねた Core i7 と Core 2 Quad

できるだけ新品を買うことを踏まえても、この時期 Core i7 / Core 2 Quad マシンのどちらを選ぶかは迷うところです。単純な性能だけで言えば、SHA256 で Core 2 Quad に負けるなど一部の例外を除いては、どうにか Core i7 の方が速いことになっています。ところが、性能アップした分、消費電力と熱の問題がもれなくついてきます。

消費電力がダイナミックに変動する Core i7 は吉か凶か

CPU 設計上の最大放熱量を表す TDP は、Core i7 では実に 130W ですが、Core 2 Duo は 95W です。だったら消費電力だって 1.3倍ぐらい違うのかと感覚的には思ってしまいそうです。確かに、明らかに Core i7 の方が消費しますが、Core 2 Quad と比べてアイドリング時で 6-28W ぐらいの違いです。TMPGEnc で動画エンコードなんかおっ始めた日には、差は 56W程度まで開くようです。

未使用時のコアは C6 ステートという状態に入り、電力がカットされるのと、処理に合わせて SpeedStep ((EIST: Enhanced Intel SpeedStep Technology)) による動作周波数と電圧の制御が行われた効果が出ている、ということになりますが、4gamer の記事のように、動作クロックは負荷がかかると頻繁に変化するため、あまり御利益がないとしているものもあります。

Core 2 Duo / Core 2 Quad と Core i7 以降のピン数はバラバラ

熱と消費電力にだけ着目するなら Core 2 Quad ということになりますが、インテルという会社は CPU の世代によってパッケージのピン数も変えるのが大好きです。デスクトップ向け CPU のパッケージ (ソケット) を比較すると、

CPU パッケージ
Core 2 Duo
Core 2 Quad
LGA775
Core i7 (Nehalem) LGA1366
Core i5 (Lynnfield) LGA1155, LGA1156

コードネーム Lynnfield は Core i5 と命名されるだろうと予想されているミドルレンジの CPU です。

LGA ((Land Grid Array: CPU 側にピンが生えているのではなく、マザーボード側に生えている。))  に続く数字がピン数ですが、ものの見事にバラバラです。Core 2 Duo のものを買ってしまうと、いつまで Core 2 Quad 6600 が延命されるかはインテルの胸先三寸、当座は良くても、マザーボードごと陳腐化していくことが予想されます。

TDP の高さが気に入らないのであれば、ピン数は不明ですが低 TDP モデルの噂もあるようですし、きっと優秀なイスラエル / ハイファのチームが、素敵に最適化された低消費電力の一品を作ってくれるに違いないと勝手に予想して、3年リサイクルを目指すなら Core i7 にしておくことにしました。

ただ、Core i7-965 Extreme にしてしまうと平均価格 100,000円を超えます。Core i7-940 が 6万、Core i7-920 が 4万とかなり開きがあります。Core i7-920 を搭載した “Core i7” パソコンは安く見えるので確かに多いのですが、性能的には Core 2 Q9650 と大差ないのに電気を食う 920 というのは意味がないので、真ん中を取って Core i7-940 としました。

Core i7: 箱

新マシンのスペック選び、つづく。

2件のコメント

  1. retro

    はじめまして。とても参考になるサイトで、勉強させていただいております。
    私はDOS/Vラボというニュースコミュニティサイトを運営しているのですが、リンクさせていただきました。

    よろしければ相互リンクお願いできると幸いです。

    それにしても予想に反してLGA775は長寿ですねぇ…

  2. nire

    (相互リンク完了)

    LGA775 は 2011年まで延命されるらしいですが、今から買う PC の耐用年数考えると、なんとも微妙な線ですね。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

© 2024 Nire.Com

Theme by Anders Noren上へ ↑