VMware Server 2.0 を使ってみて、困った点と微妙な点です。

2.0 の困った点

コンソールの子ウィンドウ

コンソールウィンドウ

  • Web ブラウザが落ちる
  • コンソールのために別窓が開く
  • ショートカットが使えない
  • VMware Tools に 2.0 があり 1.x 系列とは互換性がない

Web ブラウザが落ちる / コンソールのために別窓が開く

ウリの Web ブラウザによる管理ですが、とにかく落ちまくります。Windows Vista SP1 上の IE 7FireFox 3.0.7 と両方で泣く泣く試しましたが、変わりませんでした。

ただバーチャルマシン自体はクライアントが落ちても動作し続けているようです。

ゲスト OS のコンソールウィンドウは、なぜか Console タブの中ではなく別窓が一つ余分に開きます。このコンソールウィンドウ (子ウィンドウの方) を終了すると、親ウィンドウまで巻き添えで異常終了する確率が高いです。コンソールウィンドウのオペレーション中にも落ちた経験があります。

タブブラウズで他のサイトを参照していて、”新しいタブ” で VMWare Server 2.0 に接続していたときに、他のタブごと巻き添えでご臨終されるので困ります。

ショートカットが使えない

VMware Server 1.x の好感が持てた点は、ほとんどの操作に対してショートカットキーが割り当てられていたことです。例えば

  • ゲスト OS の一覧 (Inventory) で右クリック→Sキーで Setting
  • Ctrl + B でゲスト OS 起動

あたりは使用頻度が高いのですが、2.0 では、何をするにも左クリックでポチポチとボタンを押していくしかなくなりました。ユーザーインターフェースも味気なく、初期の twm でも見ているようです。

VMware Tools に 2.0 があり 1.x 系列とは互換性がない

ゲスト OS を 1.x <-> 2.0 間でファイルコピーしても起動はしますが、VMware Tools には 1.x 用のものと 2.0 のものがあります。

2.0 に引っ越したとき、VMware Tools のバージョンアップをするように言われ、rpm -Uvh などで問題なくバージョンアップは可能です。しかし、1.x に戻した時に、2.0 の VMware Tools をアンインストールして、1.x の最新版をインストールする必要があります。

この辺のポータビリティは確保してほしかったかなと。VMware Tools に含まれるファイル数は、ざっと見てみましたが 2.0 の方が明らかに多いようでした。

2.0 の微妙な点

  • USB 2.0 サポート

Vista などクライアント系 OS のエミュレーションがしたいのであれば、USB 2.0 サポートは大きいのかもしれませんが、サーバ仮想化にしか使わないので個人的にはあまり要らないです。

64bit 対応はあまり変わっていない?

64bit サポートは 1.x とさして変わらない気がします。VMware 公式サイトには

VMware Workstation and VMware Server require a 64-bit CPU to run a 64-bit guest operating system. While it is theoretically possible to emulate a 64-bit instruction set on 32-bit hardware, doing so results in unacceptable performance degradation.
(中略)
Workstation 5.5 and higher and VMware Server (all versions) support virtual machines with 64-bit guest operating systems only on host computers that have one of the supported 64-bit processors:

* AMD Athlon 64, revision D or later
* AMD Opteron, revision E or later
* AMD Turion 64, revision E or later
* AMD Sempron, 64-bit-capable revision D or later (experimental support)
* Intel EM64T VT-enabled processors (experimental support)

とあるので、64bit ゲスト OS を走らせたきゃホストも上記の 64bit CPU を使え、という点では Server 1.x も 2.0 も同じのようです。ホスト OS のリストに今まで Linux 64bit が無かったのか、というと

64-bit Linux Host Doesn’t Install 32-bit Compatibility Libraries by Default

この辺の KB を見ていると一応サポートする気はあるようですし、謎です。

リリースされない VMware Server 2.1, 迷走する VMware

一言でまとめると、

鉄板 ((ここでは確実に動作するハードウェア、ソフトウェア)) じゃない VMware Server 2 は様子見したい

というところです。

あまり VMware Server 1.0 との違いが見られず、機能が豊富になって管理する項目が一挙に増えたとか、必然性がないまま GUI を地味かつ複雑にするのは失策という気がします。コンソールウィンドウで独立した別窓を開くようにして、ゆくゆくは Windows など既存 OS のウィンドウシステムに取って代わる野心が…というわけでもないでしょうし。 🙂

Server 2.0 は 2008年 9月にリリースされたっきり、ほぼ半年経っても 2.0.1 リリースも 2.1 リリースもありません。

Server 1.x 系列は 1Q (3か月) ごとに新しいバージョンがリリースされていて、最新は 2.0 よりも後の 11月にリリースされているので、中身があんまり変わらない Tomcat つき VMware なら同じペースで 1Q ごとに 1.x, 2.x 交互にリリースされてもいい気がします。

VMware といえば昨年 2008年7月に CEO が更迭されたばかりですし、2.0 は何となく混乱の中出てきた産物という気もします。

ユーザーとしては、とりあえず 2.x の次のリリースが出てからでも 、バージョンを乗り換えるのは遅くはないと思うのですがどうでしょうか。