A&Vフェスタ2009: メーカー製スピーカー展示

パシフィコ横浜で行われた A&V フェスタ 2009 に行ってきました。やたら個性的なメーカー製展示から紹介しましょう。

展示メーカー数は多くはないが粒ぞろい

はじめに言っておくと、名前から受けるイメージよりもオーディオ寄り、しかも結構マニアックよりなイベントです。

幕張メッセや東京ビッグサイトで行われる、いわゆるビジネスショー的なものを期待して来場した人は肩すかしを食らうと思います。アマチュア無線でいうとハムフェアみたいなものと理解しました :-)

車でパシフィコ横浜に乗りつけた私は、駐車場の真上にある展示ホールが会場なんだと思って、あやうく 7200人が汗流す国内最大のイベントにまぎれ込むところでした :mrgreen:

A&V フェスタ 2009 は、もう少しこじんまりとしたオーディオ&ビジュアル機器の展示イベントで、インターコンチネンタルホテルに付随した会議センターの方で行われていました。

メーカー製品の展示で興味深かったものから紹介しましょう。

ガラスが振動するスピーカー Sountina NSA-PF1

avfesta-sony-nsa-pf1高さ1m もある有機ガラス管の長い筒がインパクト、のこの物体。インテリアか照明機器に見えますが、Sountina (サウンティーナ, NSA-PF1) というれっきとしたソニー製のスピーカーです。

Sony NSA-PF1: 頭頂部

先端がスピーカーユニットにも見えるため、そこからしか音が出ていないのかなという気もしますが、実際には根っこから音を出してガラス管を揺らしているようですね。土台部分にミッドレンジとウーファーと、ガラス管を振動させ高音部のツィーターとして機能させるための専用加振器があり、筒を中心に同心円状に音が広がっていくため、どこから聞いても同じように聞こえるのがポイントのようです。

税抜 100万円なり。イルミネーションがぼうっと光るので、薄暗い空間に置いて雰囲気を醸し出しつつ、音楽が聞こえてくるんだけど果たしてどこからだろう、という演出には良いかもしれませんね。

しかし、ガラスが高い音を効率的に奏でるのが売りだとすると、流すのはジャズってわけにも行かないでしょうし、係員が見張っていなければいけないほど高価なものを、実際に設置できるような場所となると、大人しか出入りしないところ。でも美術館でもコンサートホールでも、わざわざ高品質な音楽再生はあまり必要とされていなくて…利用シーンが浮かびそうで浮かびませんね。

「樽」でできたスピーカー

A&Vフェスタ2009: パイオニアのピュアモルトスピーカー

漆で塗ったようないい色してますが、それもそのはず、ウィスキーの樽でできたスピーカーです。タルですタル。ウィスキーを入れて 50-70年間熟成に使われていたホワイトオーク (楢) の大木を使うことで、伐採したてのものよりも余分な響きのない音になるのだそうです。

希望小売価格 4万~7万円と、これくらいのレンジであればそんなべらぼうな値段でもないですね。公式 Web に載っているものと価格帯が違うのか、展示品は非常に味のある色をしていました。会場はどうしてもガヤガヤしているので、木材の叩き比べは、言われてみればクセがないかなというぐらいでした。

音の存在感に打たれるコンバックブース

A&Vフェスタ2009: コンバックブース

コンバックコーポレーションは、一部屋をデモルームとして借り切って、Harmonix / Reimyo ブランドの 2チャンネル・ステレオシステムと高音質 CD (xrcd) によるデモを行っていました。

A&Vフェスタ2009: コンバックブースのデモ用 CD再生していたタイトルは、説明がはっきり聞こえなかったのですが、同じコンバックが出している「マスターピース/マリオ鈴木」というタイトルかもしれません。ラテンアメリカの民族音楽フォルクローレを日本人での第一人者が演奏したもの…のはずですが、ハズしていたらご指摘ください。

とにかく楽器の定位感がとてもクリアで、弦を弾くときのちょっとした予備動作というか、「ため」というか、が目に見えるようでした。

つづく。