いずれ民生用ビデオカメラは HD 画質、AVCHD 規格に移行していくのだと思われますが、今はまだ過渡期。なら、ノートPC 市場も機能は限られているが廉価な UMPC が売れるように、デジタルビデオカメラも SD 画質でもいいのかもしれません。
SD 画質カメラの中で、どうしても気になっているキャノン iVIS FS10 を調べてみました。
ハイビジョンビデオカメラがスペック的に勝てない点とは
キャノン iVIS FS10 は、SD メモリカードに記録するタイプのデジタルビデオカメラで、幅 58mm x 奥行き 124mm x 高さ 60mm と小ぶりなボディで、かつ標準バッテリーパック、メモリカード込みでたったの 310g という軽さです。SD 画質ですから、いずれデジタルハイビジョン対応のテレビが一般的になると、性能的に見劣りはしますが、地デジ対応機器への過渡期に買うには、以下のような理由からアリだと思っています。
HD / SD 画質のカメラを色々見比べていると、HD 画質のカメラには、SD 画質のものと比べて現状、どうしても劣る点があることに気がつきます。それは、
- バッテリー持続時間が短い
- ズーム倍率が低い
ずばりこの 2点です。
ズーム倍率が低い
運動会などであれば、10倍あれば表情も含めてそこそこ撮れますが、広いイベント会場で、後方から三脚を立てて最前列の演壇を狙うといった使い方の場合、それ以上のズームが必要になることがあります。また、飛んでいる飛行機を地上から狙うような、被写体が非常に遠い場合、ズーム倍率はいくらあっても足りません。
ところが、HD 画質のハイビジョンビデオカメラをいくら探しても、現状では光学 12倍ズーム以上の製品が見つからないのです。一方で、SD 画質とはいえ iVIS FS10 ではなんと光学 37倍を実現しており、ズーム倍率だけで言えば明らかに SD 画質に軍配が上がります。
ちなみに光学ズームはレンズの距離を変化させることによるズームで、画質の劣化がほとんどありませんが、デジタルズームではいくら倍率の数字が高くても、画質が荒れるので、当然ながらあまり使いたくはありません。
バッテリー持続時間が短い
HD 画質というものはバッテリーを食うらしく、例えば価格.com の満足度ランキングでここしばらくトップになっているビクターの Everio GZ-HD40 という機種の満足度チャートを見ると、画質、操作性、価格といった他の要素はほとんどすべて満点なのに、バッテリーに関する評価が大きく凹んでいることが分かります。
連続撮影時間と実撮影時間
スペック上も、(連続) 撮影時間 1時間25分、実撮影時間 45分。カタログには撮影時間がこのように 2種類あってややこしいですね。連続撮影時間が、ズームなどの操作を行わずに録画し続けた場合、そして実撮影時間が、on/off、ズーム操作などを繰り返して、断続的に撮った場合の正味撮影時間です。演劇を流し撮りするような場合は連続撮影時間、ちょっと撮っては切って休む、を繰り返すような場合は実撮影時間、と考えればよいでしょう。
価格.com の結果だけを鵜呑みにすることはできませんが、GZ-HD40 の場合、「実」で 45分であることを不満と受け取る人が多い、とすると、従来の MiniDV テープ対応カメラで 1本分、つまり 60分撮れる実撮影時間が、世の中的に「普通」と考えられる撮影時間の境界線なんじゃないかと思います。
本当にそうなのでしょうか。実際に何機種か比較してみました。
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