シティカードジャパンが Amazon.co.jp と提携カード契約を解消すると発表しました。発表されたのが 10月3日で、カードが完全に使えなくなるのが 12月16日からという忙しさです。
新規申込み停止後、8ヶ月でカード自体も終了
Amazon クレジットカード自体がサービス開始してからのスケジュールをまとめると次のようになります。
- 2007年2月 … Amazon クレジットカード、サービス開始
- 2008年4月 … 新規申込み終了
- 2008年10月 … 提携カード契約解消すると発表
- 2008年12月 … Amazon クレジットカード サービス終了
すでに 5ヶ月前にカードの新規申込みは終了しており、その時もいったい何があったのかと騒がれたようですが、結局カード自体もわずか 1年10ヶ月で終了となってしまいました。
プロパーカードへ移行はできるが、年会費はいつかチャージされる
シティカードジャパンは、10月15日まで初年度年会費無料 / 半額 ((シティ プラチナカードのみ初年度年会費半額)) 、4000円相当のキャッシュバック特典を用意して、プロパーカードの申込みを勧めています。クラシックカードであれば、Amazon クレジットカードの有効期限までは年会費がかからないようです。どのグレードの CITI カードに移行しても、提携カード時代の年会費無料のメリットはそのうち失われてしまいます。グレードの高いカードほど早い時期に、他のプロパーカードユーザーと同様年会費がかかることに注意、ですね。
顧客の包囲網が確立している楽天、個別提供の Amazon
Amazon クレジットカードと同様に、大手ネットショッピング系のサイトが発行する提携カードとしては、他に 2005年3月から開始した楽天クレジットカードと Yahoo! JAPAN カードがあります。Amazon はクレジットカード事業としては 2年遅れのスタートなので、提携カードとしてのメリットは楽天や Yahoo! とほとんど同じように見えます。
- 入会時に 2000ポイント進呈
- 100円につき 1ポイント
- Amazon.co.jp 自身での買い物はポイント 2倍
そんなに見劣りする点は見つからなかったけれど、カードとしての存在感も逆にあまりなかったというのが正直な感想です。
たとえば楽天カードの場合、楽天ショッピングサイト自身が、ユーザーによるブログによる口コミ効果、楽天ポイントに還元されるアフィリエイトやアンケート、シルバー/ゴールド/プラチナといった会員のグレードわけ、東京都民銀行による楽天バンクとの銀行クレジットカード、などありとあらゆる手段で上客の囲い込むためのサイクリックな循環系が確立していて、そのパーツの 1つとして、楽天カードが機能していると言えます。
アマゾンにも、部分的に同じようなシステムはあるのですが、「知らないうちにポイントが貯まっていて、だったらこのポイントと、ちょっと現金足してお買い物しようかな」的な、なんだか楽天の思うツボだけれど、お得だから仕方ないよね感が足りない気がします。
結局どうして Amazon カードは 1年ちょっとで終わったのか
サービス開始後たったの 1年2ヶ月で新規申込み停止、カードサービス終了のお知らせからたったの 2ヶ月でカード自体が使えなくなるという状況は、ユーザーから見ると「何かあったんですか?」と思わざるを得ない不自然さがあります。
提携解消の理由について、Impress Watch では、「事業戦略の見直しのため」としています。
楽天カードなどの総合的な取り組みに対して、Amazon クレジットカードは、サービス開始以降、カードの積極的な宣伝も行っているようにも見えず、ユーザー数はあまり伸びていないのではないかと思います。シティカードはもともと年会費の非常に高いカードで、シティ クラシックカードでさえ、2年目以降は 3,150円かかります。提携先である Amazon には、それを年会費無料にして余りあるビジネスディールではなかった、というところでしょうか。
しかし、収益性を判断するにはあまりにも期間が短すぎる話ですし、アナウンスしてから終了するまでの期間も突発的な理由があって止めたのでは、と疑いたくなりますね。
すべてのアナウンスはシティカードジャパン側から行われている
アナウンスのされ方にも違和感を感じます。
シティカードジャパンの Web サイトを見ると、Amazon クレジットカード終了のお知らせ、FAQ、他のプロパーカードへの誘導も含めて必要なアナウンスが行われています。また、上記の Impress Watch に掲載されているコメントも、シティカードジャパン側からの説明となっており、ともかくシティカードジャパン側は、サービス終了は性急すぎるにしても、必要な疑問には卒なく答えているように思えます。
Amazon 側では、
現時点では、Amazonクレジットカードのお申し込みは受付しておりません。
だけで終わってしまっています。どちらかというと、消費者はこのカードを、イシュアー (issuer) であるシティカードよりは、Amazon のカードだと認識しているはずです。カードの今後に対する詳細な説明はともかく、Amazon.co.jp 側にプリペイドカードである Amazon ショッピングカードの説明はあっても Amazon クレジットカード終了についてのプレスリリースも見当たらないというのは、このカードの 1ユーザーとして驚きを隠せません。
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