9月20日に幕張メッセで行われた、第46回 アミューズメントマシンショーに行ってきました。とりあえずお目当ては「機動戦士ガンダム 戦場の絆」です。

ビジネスデイは 2日間なのですが、一般公開日は 1日しかありません。ちなみに 2007年の第 45回も日数は同じだったようです。

2007年度で 2,400億円 ([PDF]) に達すると言われるアミューズメント市場ですが、コンシューマー向けゲームを扱った東京ゲームショウに比べると、幕張メッセの使用ホール数も合計 3ホールと少なく、会期も 1日少なくなっています。

会場時刻の 10:00 頃でも、東京ゲームショウのように待ち行列が幕張メッセの建物外周にとぐろを巻いたりはしませんし、ブースの外に人があふれて、通路が見えないほどではない感じです。

バンダイナムコゲームスの「機動戦士ガンダム 戦場の絆」

前評判の高い、バンダイナムコゲームスの「機動戦士ガンダム 戦場の絆」をプレイしてきました。

ネットワークでチーム対戦するタイプのアクションゲームで、P.O.D. ((Panoramic Operation Display)) と呼ばれる、外から見ると丸いコックピットに乗り込み、半球状に映し出されているドーム型ディスプレイを見ながら操作します。

「絆」自体は 2006年11月から稼働開始しているゲームですが、今回のものはいくつか改良を施しています。ゲームバランスの改良、シート備え付けのマイクの搭載。そしてユニークなのがボイスシンボルチャットです。

同じゲームセンターの P.O.D 同士でネットワーク対戦している相手の声は素で聞こえるのですが、遠隔地の P.O.D には、プライバシー保護のためか、いったん音声認識した上で、あらかじめ用意された声優、たとえばシャアの声で「4番機、援護する!」と相手に聞こえるようになっています。

一般日、10時に開場してすぐ並んでみましたが、なんと開場 5分で 150分待ちという恐るべき状態。他にそんなブースは無かったようです。

1回の試遊で 8人が乗り込みますが、4人ずつ連邦軍とジオン軍に分かれます。選べる機体には、両軍とも接近戦に強いタイプ、後方からの砲撃による支援を得意とするタイプなどがあり、いきなりこの 4人の即席味方チームで、どれに乗るか、どんな作戦で戦うのか話し合うわけです。

私のチームは、うち 3人が現行バージョンの「絆」を結構プレイしているらしく、「ゲームバランスがどう変わっているのか見たかったんですよねー」「何に乗りますか」「適当でいいですよ」「プロトタイプガンダムなんか誰も乗らないだろうし」と、初対面の相手に気を遣いながらも、すでに勝ちに行く気満々のようです。結局、プレイ経験のない私が連邦軍の足を引っ張って負けました (はい、ごめんなさい :mrgreen: )。

操作系は、左右ジョイスティック、左右ペダル。シートのヘッドレストに生えているのがマイクでしょうか。ディスプレイは長方形ではなく、顔の左右までの視界を凹面状にカバーしています。あまり解像度自体は高くないようです。

戦車ゲーと同じで左右スティックを同時に前に倒すと直進、どちらかだけ前に出すとターン、右足ペダルでダッシュ、左足ペダルでジャンプです。左右スティックを動かしたときの反応は、思ったよりゆっくりしているなという印象です。フレームレートが低いわけではないのですが、ジョイスティックの遊びが大きいのか、モビルスーツの重厚感を演出するためか、ネットワーク対戦のディレイ分を吸収するためか、その辺は 1回の試遊だけでは分かりませんでした。

新味がないテクノロジーは、妥当な判断か、組織の影響か

「戦場の絆」改造前のオリジナル版は、バンダイナムコゲームスの System N2 という基板を搭載しています。”2″ という名前から想像されますが、 nVidia 社の nForce2 をベースにしたもの。nForce2 は 2002年に発表されたテクノロジーで非常に古いものです。どうしても PC ゲーム基準だと、グラフィックス性能に見劣りがするとかなんとか書きたくなります。

しかし、巨大な筐体で設置場所の問題が起こりやすく、多人数チームプレイ前提のゲームにも関わらず、2年前のゲームのバージョンアップ版で 130-150分も待ってまでプレイする根強いユーザーがいることは特筆すべきでしょう。一度は「絆」から離れたけれども戻ってくるかもしれないユーザーもいるでしょうし、「ガンダム」産業の底堅さを背景に、私のような「ドーム型のゲームを開発していたのは TV で見て知ってるけど、今までプレイしたことがなかった」新規プレイヤーも見込めると思います。

このタイトル、バンダイナムコゲームスと「スーパーロボット大戦」で有名な子会社バンプレストのチームが複雑に絡みあってできたゲームのようです。これだけ巨大なドーム型ディスプレイを搭載したタイトルとなると、メジャーアップグレードはそうそう頻繁に行うべきではないという判断も働いたのかもしれませんが、背景として組織がまとまらないことが微妙に影響を及ぼして、小改良に終わったという見方ができなくもありません。

2008年4月、バンダイナムコゲームスは、業務用ゲーム機を企画、開発するバンプレストのゲーム事業を統合しました。経営判断の迅速化をするという狙いはどの程度達成されたのでしょうか。

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