au、ソフトバンク、NTT ドコモが、自社ブラウザ、自社コンテンツの囲い込みに必死でノート PC からのデータ通信に冷ややかな対応しかできていないのに比べると、イーモバイルはエリアはこれからですが、十分に価格競争力があるようです。

実際データ通信端末も売れているようですが、新しもの好きの Nire としてはどれが良いのか迷います。

D02HW

ITmedia の携帯販売ランキングで、データ通信端末については 8月中 1位をキープしている端末です。イーモバイル端末が 3.6Mbps / 7.2Mbps タイプとある中で、D02HW は 7.2Mbps タイプです。店頭なら 0円で買えます。

しかし、それでもこの機種、私は選びません。USB ケーブルで接続しなければならないのが最大の欠点です。小判型でキュートに見えるがコンパクトじゃない (幅 42.6 x 縦 89.4mm) のも今ひとつ気に入りません。データ通信しかできないのに、印象的にはもう一回り大きかったら携帯電話のサイズなので、だったらワンランク上の携帯電話タイプでも良いのではないかと思ってしまいます。

1位をキープしているのは、「イーモバイルに入ると Eee PC 4G-X が 100円で買える!」というキャンペーンの成果が大きいのではないかと思います。

H11T

そこで、いっそ通話もできる携帯電話タイプで H11T はどうだろうと。

3.6Mbps タイプながら、Bluetooth 1.2 モデムとしても使用できて、単体で GPS もワンセグも搭載した今時の東芝製携帯電話です。幅 50mm x 高さ 104mm x 厚さ 17.9mm で 130g 、安売りバンドル専用機 D02HW に比べると、はるかに魅力的です。

私が持ち歩いている au W54S をやめてリプレースしてしまえば、まさに「1機種、1料金プランで内蔵 / 外付け PC 両方を定額にできる」わけです。

さすがに月々の端末ローン月額は 0円というわけにはいきません。「購入時お支払額」 (頭金) は、9月末までキャンペーンで 1円となっており、ということは月額で支払う分は 0円? と思ってしまいますが、実際には「ご加入アシストにねん」という 2年間の長期契約を前提とした支払いが必要です。つまり、端末ハードウェアの値段は 1,000円/月 x 24回 = 24,000円なわけです。ソフトバンクでは iPhone 3G 8GB モデルで 980円、16G モデルで 1,440円なことを考えると、決して H11T が激安ケータイではないことが分かります。

EMONSTER S11HT

で、せっかくイーモバイルにするなら、もうとことんハイスペックにこだわって EMONSTER S11HT はどうだろうと。

Windows Mobile を搭載したスマートフォンタイプで、Advanced [es] W-ZERO3 や WILLCOM 03 と同様、スライドするとキーボードが出てくるタイプです。H11T と同じ 3.6Mbps です。

Bluetooth 2.0 + EDR と無線 LAN (IEEE802.11b/g) 両方を装備していて、H11T 同様 Bluetooth モデムとして使えるのはもちろんのこと、他社製ですが WMWifiRouter というソフトをインストールすると、無線ルーターとして使えてしまいます。持ち歩いているノート PC (Eee PC 901-X) 自体は IEEE802.11b/g/n と Bluetooth 2.0 + EDR を搭載しているので、どちらでも良いわけですが、iPhone 3G のような Bluetooth インターフェースを持たない機種では重宝するでしょう。

単体でブログが書けて、Eee PC 901-X を接続しても書けて…と妄想は広がりますが、単体でキーボード…どれくらいのサイズなのでしょうか。

横向きにしたとき、サイズは幅 112mm x 奥行き 59mm x 高さ 19mm。恒例のキーボードモバイル比較表にまとめておきましたが、幅はソフトバンクの X01HT や Fullface2 921SH とほぼ同じ。ポケットに入れてみた感じ (胴回り) は、Advanced ではない初代 W-ZERO3 や初代シグマリオンと同じです。

つまりキータイプに必要な幅は狭い割に、ポケットに入れるにはかなり場所を取る、見た目にも丸くずんぐりしているスマートフォンと言えるでしょう。

重さも 190g とかなり重いです。ケースの体積から受ける第一印象よりも案外ズシッと来る重さでした。

端末ハードウェアのお値段は

購入時お支払額 19,980円 + ご加入アシストにねん 1,000 x 24ヶ月 = 43,980円

で、ちょっと試してみるには価格もズッシリです。

Bluetooth モデムは Bluetooth 自身がボトルネックになる恐れがある

H11T, EMONSTER S11HT は、データ通信料が他社より廉価な Bluetooth モデム、無線 LAN ゲートウェイとして食指が動くのは確かです。

H11T, S11HT 共通の懸念として、Bluetooth 自体がボトルネックになるかもしれません。イーモバイルのネットワークとの通信が HSDPA 3.6Mbps なのに対して、H11T は Bluetooth 1.2 のため、最大 720Kbps。EMONSTER S11HT では Bluetooth 2.0 + EDR のため、最大 3Mbps です。

通信条件により常時 3.6Mbps 出ているわけではもちろんありませんが、イーモバイル初心者として、とりあえずイーモバイル網の生の実力を試すには頭痛のタネが 1つ増える気がします。だからといって、携帯電話 H11T を USB で有線接続してしまうことほど使いにくいものはありません。 

PC 用外付けモデムとしては、ちょっとかさばりすぎか

また、いくらモバイルオタクとは言っても、持ち歩く点数は少ないほど良いのは確かです。

Eee PC 901-X 1.1kg + au W54S 141g + EMONSTER S11HT 190g = 3点でしめて 1,431g。体積的にも、W54S を腰に、Eee PC 901-X を小脇にかかえると、EMONSTER S11HT は常時あるとは限らない胸ポケットぐらいしか場所がありません。全部まとめてカバンに入れるとしてもかさばりそうです。

また、H11T や EMONSTER S11HT は Bluetooth なのでケーブル接続する必要がないのはアドバンテージですが、家に帰れば充電するものが一点増える、というのも重要な点です。

そして結局 D11LC に戻ってくる

そんなにイーモバイルの携帯を安く試してみたいなら、au なんか解除料払って止めてしまいなさい、イーモバに一本化してしまいなさい、という悪魔のささやきもあります 🙂 が、それにしてはエリアに弱点があるという声も聞かれる中、とりあえず自分の生活圏ではどうなのかを確認するには、安い端末でいいから使ってみないと結論は出ないでしょう。

というわけで、結局、無難な路線かよ! と言われそうですが、D11LC に白羽の矢が立ちました。