前記事: WILLCOM: iPhone 3G と同日発売の WILLCOM D4 は今度こそ理想のモバイルキーボードか

メインで使用している携帯とは別に、サブで持つデータ端末として検討には十分値する D4 ですが、次の点が問題になるでしょう。

バッテリー稼働時間が、事前登録の 1週間前なのに公開されていない

ウィルコム公式サイトを見ると、バッテリー稼働時間、連続待機時間いずれも「現在測定中」のままです。Gizmodo では 2-2.5 時間で電力低下アラートとなっているので、携帯のカテゴリーで考えると短いように思えますが、ノート PC としてはまあまあでしょう。

「WILLCOM D4」&「WILCOM 03」評価機レポート(後編) Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)

チップセット SCH の制約でメモリが 1GB 以上拡張できない

Atom 搭載機のメモリは、1GB DDR2-533 が多いようです。これは、物理的なスペースや消費電力の問題ではなく、Atom とセットで使われる Intel SCH (Intel System Controller Hub) というチップセット側の制限です。

インテル® システム・コントローラー・ハブ (インテル® SCH) のデータシート [英語: PDF 形式 2.69MB]

24ページに Support for a maximum of 1 GB of DRAM の文字が。Vista は 1GB あれば確かに動作しますが、よりスムーズさを求めて 2GB ぐらいにしてみたいところです。

シャープは目新しいタッチデバイスで失敗する

同じシャープから以前発売された Advanced W-ZERO3 [es] 通称アドエスには、iPod のクリックホイールを意識して作られた、エクスクロールという丸いタッチセンサーがついていました。上下左右に押せば十字キー、指でなぞればダイアル的にスクロールするのですが、センサーが微妙すぎてどう頑張っても回せない人が続出しました。

D4 のレビュー記事を見ていても使いにくいと言いたそうな行間コメントが書かれており、またもや見た目の目新しさを追求するあまり、ガッカリなクオリティのタッチデバイスの予感がしています。

WILLCOM D4は買いか? Vista+Atom+PHSの実力

次世代 PHS “WILLCOM CORE” が来春開始されると陳腐化する

D4 の通信速度は W-OAM 4x 採用でスピードが最大 204Kbps ですが、これは Advanced W-ZERO3 [es] から変わっておらず、やはり最大 14.4Mbps の HSDPA 搭載の iPhone 3G と比較してかなり見劣りがします。

さらに次世代 PHS 規格としてアナウンスされた WILLCOM CORE では実効スピードはともかく最大 100Mbps で、これが来春からサービス開始されれば一気に陳腐化します。

D4 が次世代 PHS に対応するという噂もありますが、結局、外付けアダプタである可能性は大で、だとすると外でいちいちつなぐのが面倒になってしまい、ただの PC として使うか、買い換えに走ることになるでしょう。