映画評論家の水野晴郎さんが亡くなったそうです。先ほど知って「うわぁーっ」と大声あげてしまいました。
子供の頃に TV 番組を毎週見始めるきっかけなんてシンプルなものですが、水曜ロードショー (金曜ロードショー) と言えば、何観ても最後の数分、水野さんが出てきて、しみじみと、
「いやぁ~、映画ってほんっとにいいもんですね」
の決まり文句でしめくくった後、確か映像は夕焼けの海の桟橋で、BGM はトランペットで、ニニ・ロッソの「水曜日の夜」という曲が流れるのがパターンでした。 ((オープニングだけだったかもしれません。))
同様に、レギュラー出演の評論家が特徴的だった番組に日曜洋画劇場もありましたね。淀川長治さんが毎週出てこられ、「はい、すごかったですねぇ、こわかったですねぇ~」と洋画に似合う独特の風貌と語り口で映画をまとめ、
「それでは皆さん、さよなら、さよなら、さよなら」
でエンディングでした。淀川さんが亡くなったニュースの時もずいぶんショックですが、今調べてみたら没年 1998年で、もう 10年も前なんですね。
個人的には、日曜洋画劇場の淀川さんがゲッタウェイなど 1970 年代の古き良き時代の洋画で、水野さんがルパン (「カリオストロの城」を観たからか?) というイメージが、なぜかあります。
映画自体が、高画質化、高コントラスト化、予告編に使える数分の山場シーンがやたら派手で、全体の世界観にひたれない作品が増え、セピア色のテイストを渋く解説できる評論家は時代に合わなくなってきているのかもしれませんが、このお二人以降、映画番組の解説者で、「映画負けしない」独特の雰囲気を持った人が、ほとんどいない気がします。
季節の変わり目はどうも、いけませんね。
謹んで哀悼の意を表します。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。