リテールテック JAPAN で面白い自動販売機を見つけました。
顔の特徴を見て、成人かそうでないかを見分ける自動販売機です。見た目フツーの自動販売機ですが、カメラと免許証のスキャナが追加されています。
説明員の方によると、処理の流れは、
- 顔のしわ (なんですと!)、目口鼻の位置関係、骨格 (顔の輪郭でしょうか) により、あらかじめ持っている年齢ごとの特徴データと比較して年齢を判断する。
- 年齢を正確に当てるのが目的ではないので、「成人」「未成年」「不明」の 3種類に分ける。
- 「成人」だったら、免許証は不要。めでたく買える。
- 「未成年」「不明」だった場合は、免許証の提示を求める。
- スキャンした免許証の顔写真と、カメラに写った顔画像を照合して、同一人物かどうかを判断する。
- 同一人物の免許証と判断できたら、生年月日欄を読み取り、成人かどうかを判断する
という、カメラと免許証を組み合わせたタイプになっています。人間の顔かどうかも区別がつくそうで、例えば猿の写真を見せても成人とは見なされないそうです。
顔の識別技術は、キャノンのデジカメでは「フェイスキャッチ テクノロジー」、ソニーは「スマイルシャッター」と呼ばれていますが、基本的には似た技術だそうです。
ここで、正しく識別できる率や taspo との関係を聞いてみると…
いくつか質問してみました
Q. 「成人」を識別できる率はいくつかなのか?
A. 正確には教えてくれませんでしたが、要は誤判定を防ぐために、しきい値を厳しめに判定しているので、大丈夫です、とのこと。Q. メガネの有無には影響されないのか。免許証の顔写真はコンタクト装着、カメラの時はメガネ装着だった場合、同一人物だと確認できないのではないか。
A. メガネごしでも顔のパーツ (目鼻口) を見ているので問題ないそうです。しかし、メガネに外からの光が反射して見える場合は微妙だそうです。
Taspo と顔認証、あなたはどっちが良いですか?
ほかにも、顔認証 NG だったときに taspo も受け付けるタイプのものは無いんですか? と質問してみたのですが、予定はないようです。宮崎県での先行実験では、成人であることを証明する taspo を自動販売機に導入した結果、導入前比で 50% – 10% にまで売り上げが落ちた自動販売機もあり、顔認証を取り入れた同社の製品の方が、売り上げが見込めるとしていました。
taspo は年齢を証明できないと発行されない代わりになりすましの危険が、顔認証は手軽さアップだが誤判定の危険があるわけで、銀行クレジットカードなどでの二要素認証とちょっと意味は異なりますが、2つを組み合わせたリーズナブルな年齢識別技術があると良いですね。
個人を識別するわけではないので、純粋な認証 (authentication) ではありませんが、バイオメトリック技術 (生体認証技術) がこんなところで使われているのは興味深いと思いました。
(なお、この投稿は純粋にテクノロジーへの興味で書かれています。紹介したからといって、一銭も入ってきませんし、自分が吸わないタバコを推奨するものではありませんが、一応メーカーのページへのリンクです。)
http://www.fujitaka.com/products/vendor/tobacco_vendor/index.html
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