ニコン D4S を 3月6日、発売日に手に入れました。「全部入り」D800E を持っているのにハイエンド機? その理由は 1年前の CP+ から始まっていました。
D800E の RAW ファイルのデカさはじわじわと来る
今まで愛用しているニコン D800E は、ナノクリレンズとの組合せで素晴らしい解像感を引き出せるカメラなんですが、RAW データのファイルサイズが最大 43MB 程度と型破りなサイズなのが、色々と影響します。
- 連写速度が遅い (フルサイズ FX モードで 4枚/秒)
- 画像データの転送に時間がかかる (メモリカード→ PC)
- View NX 2 などツールでの画像表示に時間がかかる
- HDD / NAS の容量を食うため、出費がかさむ。実際に買い替えた
D800E での人物撮りには限界がある
D800 を購入した時点では、動画も美しくマイナス点の少ない全部入りカメラを買ったというのが正直なところでした。
風景、人物、鉄道、とあらゆるニコンカレッジに通って、ジャンル問わず写真を撮ってみたものの、やっぱり私のメインは人物撮影だよなあと。そして D800 はどうしても風景よりカメラであって、人物撮影には以下のように課題が残ることを、身をもって体験してしまうわけです。
- 画素ピッチが細かすぎて、手ブレがバレやすい。シャッタースピードを高めにする必要がある
- 逆光など光線条件の厳しい場合、AF のピント精度が甘い
- 人肌のグラデーション (階調再現性) が現実と違う
D4 で撮った一枚のモデル画像
人肌のグラデーションという意味で衝撃的だったのが、2013年のカメライベント CP+ において、800m 大砲レンズの試用コーナーで、許可をもらってデータを持ち帰った次のモデル写真です。
(Nikon D4, 1/125sec, f/8.0, ISO 4000, AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR)
今にして思えば緑かぶり、手ブレ、影と色々アマい写真なのはこの際目をつぶってもらうとして、鼻のから右頬にかけてのグラデーションや、照明が上から当たっている部分の髪の質感が、D800 で撮った写真と異次元のクオリティでした。ちなみにこれ、会場の 800mm 大砲レンズで遠くから狙っています。
この驚きが、私のニコンの D 一桁台機との出会い。
モデル撮影で 2台体制にするわけ
一方その後、足しげく D800E を持って囲みモデル撮影会に顔を出すようになるわけですが、ベストなアングルには人が殺到し、自分の都合で焦点距離を選べないことが多いため、自分の立ち位置に合わせてとっさにレンズを交換する必要があるのですが、風が強いと、数回の交換でもローパスフィルターへのホコリ付着に悩まされていました。
焦点距離の異なるレンズをつけて 2台体制にすることで、これらは大幅に軽減されます。カメラボディが 1つ増えるので荷物は重くなりますが。
Nikon 1 J1 も 2台体制にしようとした、が購入理由の一つですが、これは画質が中途半端すぎて常用にはいたりませんでした。
次は、ニコン Df をなぜ買わなかったのかと、D4 と変わらなさそうな D4S に手を出すまで。
つづく。
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