前記事: LASIK: エキシマレーザー比較 – 照射面積、ハロ グレアとフライングスポット
エキシマレーザーの所要時間には、機種によって違いがあります。ここでは、錦糸眼科、品川クリニック、神奈川クリニックそれぞれの上位メニューで使用される機種を比較してみます。
— | 錦糸眼科 | 品川クリニック | 神奈川クリニック |
機種 | ボシュロム テクノラス 217Z100 Bausch & Lomb TECHNOLAS217Z |
ウェーブライト アレグレット ウェーブ アイキュー ブルーライン WaveLight ALLEGRETTO WAVE Eye-Q Blue Line |
ウェーブライト コンチェルト WaveLight ALLEGRETTO WAVE Eye-Q Blue Line |
照射時間 | 23秒 | 5-10秒 ((品川近視クリニックに電話で質問しました。2008/4)) | 約5秒 |
条件 | -6D、100%矯正領域6mm、つまり強度近視の場合 | ? | 軽度近視の場合 |
まず、フェアな比較ではないことをお断りしておきます。近視の強度や照射領域の広さによって、時間は変わってくるからです。品川クリニックで受けたレーシッカーズ一味の一人いわく、この人の度数は不明ながら確かに 5-10秒だったそうで、錦糸眼科がもっとも照射時間が遅く、神奈川クリニックが速い可能性が高いです。
ここから先は調べていませんが、気になっていることのメモです。
- 照射時間が速ければ同じ体積を削るために強力なレーザー照射を行う必要がある。強力すぎるレーザーが角膜に与える影響は考慮されているのだろうか
- 手術中に眼がたとえば 2mm 動いたときのリスクは、5-10秒間と 26秒とどちらが大きいのだろう? ((短い方が安全に決まっているという声もありそうですが、単位時間により広い面積をレーザー照射してしまっているわけで、被害もそれだけ広がりそうな…。気のせいでしょうか。))
エキシマレーザーには{目ブレ補正」がついている!
さて、人間の目にじっとしていろというのは無理な注文なので、いろいろな工夫があります。
ボシュロムも、ウェーブライトも採用しているのが追尾装置 (eye-tracking system) です。
エキシマレーザーの照射中、眼の動きをカメラが監視していて、ズレた方向にレーザーがついていってくれるというものです。
メカ好きな人には血が騒ぐ話でしょう。私も騒ぎました 😕 冗談はともかく、そのような装置がついているとレーシッカーズから聞いて、信頼性を見直してレーシックを受ける気になったといっても過言ではありません。
ただ、カメラの手ブレ補正を ON にしても激しく揺れるとブレるように、エキシマレーザーにも追尾できる限界というものがあります。追尾スピードの指標のひとつ、「追尾装置駆動回数」は
- ボシュロム テクノラス 217Z では、240回/秒
- アレグレット ウェーブでは、200回/秒
となっていますが、ウェーブライト社のアレグレットには、ドイツの公式サイトを見ると 3つのバリエーション ((2008/4/22 現在)) があり、
- アレグレット ウェーブ (ALLEGRETTO WAVE)
- アイキュー (Eye-Q)
- コンチェルト (CONCERTO)
3院で別々の機種を採用していて、すべてが同じスペックかどうかは分かりません。
ほかに、ボシュロム テクノラス 217Z にあってアレグレット ウェーブにない長所として、
- 緊張すると目 (虹彩) が回転してしまうことがあるため、その検出機能
- レーザー照射位置の確認 ((おそらく赤いライトではなく、緑のライトのことを言っているのだと思われる。医師はモニタごしに見るだけでなく、患者の術野を直接みて今レーザーが当たっている位置をチェックできる))
追尾装置だけに頼らない方法とは…
ここまでやっても、やっぱりレーザー照射時に、無駄に心理的なプレッシャーがかかってしまい頭を傾けたり、目をそらしてしまうと、トラッキングしきれなくなります。そこで…
なんと、錦糸眼科では角膜固定具という独自の器具を使い、角膜のブレを抑えます。
言われてみればこれ以上確実な方法は無いですね。そんなことでズレが押さえられるなら、他院でも大いにやってよと言いたくなりますが、他では聞いたことがありません。角膜固定具は、エキシマレーザー装置の一部として用意されているのではなく、執刀医が器具を手でキープしているらしく、押さえすぎて眼球を傷つけず、エキシマレーザーの照射を妨げず、でも不用意な目の動きを抑制しなければならない…おそらく微妙なテクニックを要するのだと思います。
同眼科に行けば、説明ビデオでその模様を見せてくれます。
これに関しては、逆転の発想と技術が素晴らしいと思いました。
次回は、術後に渡されるものの比較です。
自分が、これどうなんだろう?と思っていた部分がすっきりわかり、また、施術の様子もことこまかに記述してくださり、初診を受ける決意ができました。ありがとうございました。